COUNTRY YARD ALBUM「QUARK」ディスクレビュー

QUARK

ALBUM

COUNTRY YARD

QUARK

STEP UP RECORDS

2013.04.17 release

<CD>


ブレることなく歩んできたバンドの姿があった。

 メロディック・パンクを出自としている新世代バンドの中でも、大いに可能性を宿している4人組、COUNTRY YARD。昨年リリースされたミニ・アルバム『Heart Island』に収録された「Starry Night」のミュージック・ビデオを続編とした映画「眩しくて見えなかったから 長い瞬きを繰り返した」が公開されるなど、ジャンルを飛び出して感動と刺激を振りまき始めた今日この頃、2ndフル・アルバム『QUARK』が届けられた。これがまた、問答無用の傑作なのである。まず、これまでもメロディに関して抜きん出たセンスを発揮してきた彼らだが、楽曲のバリエーションの幅を広げた今作においても、それは揺らいではいない。削ぎ落とされたアレンジで歌が際立つバラード「Letter」から、元キッズも虜にする90’sメロディックなにおいがする「Twilight Innocence」まで——。それでいて、メロディ以外のアレンジも聴き逃せない。特に、UKロックの影響を感じさせる『The Boy that forgot something』の憂いあるギターは新鮮! こういった個々のフレーズの絶妙な押し引きからは、この4人がロック・バンドとして良いバランスを誇っていることがわかる。昨年7月にTaihei Sakagami(ds)が加入してから初めての音源というタイミングに相応しい。また、汗と涙が飛び散るエモーショナルなライブが彼らの魅力であるが、今作にはCLEAVEやTHINK AGAIN、OVER ARM THROW、FUCK YOU HEROES、BASSUIといったバンド仲間がコーラスで参加し、現場の熱をリアルにパッケージすることを大いに手伝っている。歌詞も、メッセージを感じる「New Clear Water」や“君は1人じゃないんだよ”(和訳)と語りかける「Quark」など、印象的な言葉が多い。そういったすべてにおいて今作は、彼らの人間性も才能も素直に表れていると思う。メロディック・パンクやキッズを裏切ることなく、たくさんの音楽や人への愛情をしなやかに落とし込んだ今作。地盤を固めながら、着実に一歩一歩進んできて、鮮やかな一枚がここに生まれた。憧れを追いかけたり、ムーブメントの渦にいるだけでは、絶対に辿り着けない選ばれた場所に、彼らは今、立っていると思う。

(高橋美穂)

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人