目でピアノを弾く……?最新技術を使ったピアノ演奏とは

2015.04.20

ピアノは目で弾く時代がやってくる?

手足が不自由でもピアノが弾ける、そんな夢のようなシステムが発明された。視線追跡型ヘッドマウントディスプレイ『FOVE』を使用し、視線や瞬きなどの目の動きでピアノ演奏を可能にする。“Eye Play the Piano”は東京大学インキュベーションラボにオフィスを構える株式会社FOVEと筑波大学附属桐が丘特別支援学校の共同プロジェクトだ。

動画でピアノを演奏するのは高等部2年の沼尻光太さん。沼尻さんは性筋萎縮症で手足が不自由であり、今までピアノを弾いたことはなかったが、今回のプロジェクトにはシステムの制作から関わっている。
手で弾くことを前提としたピアノの鍵盤の序列を、「目線」で弾くのに適したものに再構築するというのがこのプロジェクトの大きな課題。メイキング映像では、沼尻さんが何度も試作製品を試している様子が映されている。

このヘッドマウントディスプレイ『FOVE』のデザインがかっこいい。SF映画に出てきそうな近未来的雰囲気がある。実は、この『FOVE』は元々ゲームの仮想世界の表現力を高めるものとして発明されたんだとか。目の動きでゲームの中のかわいい少女と目配せしたり、焦点表現を導入したりといったシステムを研究していくなかで、手が不自由な人が目でキーボードをタイプしたり、コミュニケーション障害をもった人が仮想キャラクターとアイコンタクトの練習をしたりといった福祉領域への展開を考えたんだそう。

自分のしたいことを追求し、そこで生まれた技術が社会のためになるって素晴らしい! メイキング映像で沼尻さんが「普段からロック系の音楽を聴いたりしているので、ギターやドラムもやってみたいと思いますし、実際に音を出しながら作曲とかもできたら楽しいのかなと思います」とおっしゃっている。確かにこの『FOVE』もまだいろんなことに活用できそうだし、テクノロジーの進化って本当に可能性に満ちている。これからもどんどん新しいテクノロジーが生まれ、本来の目的以外の方面でも活用されていくことで、みんなが使いやすい、アクセスしやすい社会の実現が近付くだろう。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人