【第3弾】BUMP OF CHICKEN「Hello,world! / コロニー」インタビュー

【第3弾】BUMP OF CHICKEN「Hello,world! コロニー」インタビュー

BUMP OF CHICKEN

BUMP OF CHICKEN「Hello,world! / コロニー」リリース記念インタビュー第2弾! 今回は両A面シングルの1曲「Hello,world!」を軸にメンバー全員に語ってもらう。

INTERVIEW & TEXT BY 三宅正一


インタビュー第1弾はこちら

インタビュー第2弾はこちら

曲が行くべき方向はちゃんとわかってるから、焦りや不安はなかった

──映画「寄生獣 完結編」の主題歌である、両A面シングルのもう1曲「コロニー」なんですけど。この曲は一転して、荘厳なシンセとピアノをバックにした藤原くんの歌が続いていって、中盤でバンド・サウンドが合流し、ラストに向かって“オーイエス!”というコーラスと共に歌がダイナミックに解放される。そして、最終的にはまたシンセとピアノと藤原くんの歌で楽曲が閉じられるという展開で。

藤原基央 アコギを弾きながら、歌いながら、ちょっとずつ組み立てていって。

──かなりじっくり組み立てていった?

藤原 そうですね。サラサラという感じではなかったです。でも、曲が行くべき方向はちゃんとわかってるから、焦りや不安はなかったんですけど、他の曲の1.5倍くらいは時間をかけましたね。この曲もね、やっぱり今の自分のことを書いてるんですよ。僕、去年の今ごろに肺気胸という肺に穴が空く病気になって手術を受けたんですけど、その手術以降、神経痛が残っていて。でも、それは大げさに言うほどの痛みではないんです。“おお、なんか肺が引きつるな、突っ張るな”みたいなそういう痛み。その痛みは未だにちょいちょい残ってるんですけど、この曲を書いてるときはその神経痛がちょっと強めだったんですね。「コロニー」はそれについて書くところから始まって(笑)。

──マジか(笑)。出だしの“どこだろう 今痛んだのは”というフレーズはそれなんだ。

升 秀夫 かわいそうだな(笑)。

直井由文 で、そのフレーズに繋がる痛みの歌詞は前の曲にあって。それが「モーターサイクル」なんですよ。

藤原 「モーターサイクル」(18thシングル「宇宙飛行士への手紙 / モーターサイクル」収録)でも出だしで“起きたら胸が痛かった 心とかじゃなく右側”って(笑)。

直井 はっきり書いてる(笑)。

本当に藤原くんが生きているっていうことをそのまま書いてる(笑)

──そのまんまっていうね(笑)。

藤原 僕が肺気胸になったのはあれから4年も経ってからなんですけど。“藤原が肺気胸になりました”というアナウンスがあったときに、ファンレターで“大丈夫ですか? 「モーターサイクル」のときから穴が開いてたんじゃないですか?”ってツッコミがちらほらあって。それ、正解です(笑)。

──大正解だ(笑)。

藤原 そう。でね、お医者さんによると“あなたは過去に10回くらい自然治癒した痕がある”と。

──すげえな。

藤原 すごいですよね。別にね、この病気は不摂生が原因ではないんですよ?

直井 痩せてるからなんだよね。

藤原 俺みたいな体型の奴がなりがちな病気らしいんです。かわいそうですよね(笑)。

直井 痩せてる人あるある(笑)。

藤原 そう、痩せ痩せあるあるなんですよ。

──それはしょうがないよね。

藤原 今から太ればいいかって言ったらそういうわけでもないみたいなので。

増川弘明 そうなの?

藤原 そうらしいよ。

直井 しょうがないよね。

藤原 このエピソードは何かのタイミングで言おうと思ってたんですけど、やっと言えました。

 だから歌詞は本当に自分のことしか書いてないんだよね(笑)。

直井 本当に藤原くんが生きているっていうことをそのまま書いてる(笑)。それが自然と「寄生獣 完結編」の世界観とも融合して主題歌になってるわけです。

藤原 そういうことなんですよね。強いて言えば、「寄生獣 完結編」を観せてもらってからの作業だったので、このタイミングで流れるというのはわかってたから、そこでイントロを付けるか付けないかを決めたんですよね。最初に僕が作ったデモからの大きな変化で言えば、シーケンス・フレーズですね。フィルターっていうんですかね?

和音感をどういう奥行きで表現するか

──奥まって鳴っているビートですね。

藤原 そうそう。ビートが鳴ってると思わない人もいるであろうあのシーケンスだけで最後までいくバージョンと、あとははっきりとここから盛り上がっていくというドラムを入れたバージョンの2つを用意して、それをみんなに聴いてもらったんです。

──結果的に後者を選んだ。

藤原 その選択は僕が独断でするべきではないと思ったので。和音感をどういう奥行きで表現するか。それだけである程度の全体像は見えたところがあったので、リズムに関してはみんなで話し合いながら決めようと。その結果、今の形になって。

 最初に聴いた前者のパターンのイメージが強烈で。“これでよくない?”ってなったんですけどね。

直井 藤原くんのボイス、シンセパッド、ピアノ、アコースティック・ギター、フィルターのシーケンス、それだけで十分素晴らしかったから。

 だから自然に“生のドラムとしては今回やることないな”って思ったところからスタートして。でも、そこから後者のパターンも試してみようってなって。

直井 でも、この曲もスケジュールがタイトで。

藤原 いや、作業が遅いわけではないんですよ?(笑)

直井 はっきり言うと、映画の本編を観てから曲を書くということが決まっていたんだけど、山崎(貴)監督のスケジュールが押したんですよ。これはクレームじゃなくて、現場のリアルということで(笑)。

藤原 あはははは。

直井 そんななか、藤原くんはすぐに曲を書き上げたので。彼はいい子なんです。

藤原 僕は本当にいい子なんですよ(笑)。

直井 今回は特にいい子だった(笑)。

 締め切りはいつも守ってるもんね。

直井 意外に思う人もいるかもしれないけど(笑)、彼はね、締め切りに遅れたことないんですよ。

藤原 一度もないです。

直井 で、藤原くんからもらった「コロニー」の原型をもとに秀ちゃんが作ったリズム・パターンと僕のべースをPro Toolsに入れて、強弱をいじってから、例によって翌日プリプロに入って。そこで僕と秀ちゃんのリズムが入ったトラックを藤原くんと増川くんとスタッフに聴いてもらって、細かく詰めていったという。その時間はすっごく楽しかったです。

もらった曲を聴いて感動に浸る時間がほしい(笑)

──制作における判断や精査のスピード感がどんどん上がってきてるんじゃないですか?

藤原 そうかもしれないですね。アルバム『RAY』でもこういう方法論で作った曲がいくつかあったけど、そのときよりも答えを出すのが早くなってると思う。僕が客観的にメンバーを見ていてそう思う。

直井 「コロニー」の最初のデモの時点で感動したんですよね。いい意味で自分たちのやることがなくても当然だと思えた。それと同時にそれを覆したいという欲求があるのも確かで。だからこそ、いろいろ試して、話し合って、精査するんですよね。曲がそれほど素晴らしいということなんです。

 それくらい僕らが何もしなくてもいいし、やってもいいと思える曲だった。

直井 だって、僕らもリスナーの皆さんと同じなんですよ。藤原くんからもらった曲を聴いて感動に浸る時間がほしい(笑)。

自分のなかで微妙な色の使い分けがいくつもある

──「Hello,world!」と「コロニー」はサウンドもそうだけど、ボーカルにおいてもまったくアプローチが異なる楽曲じゃないですか。そのあたりは藤原くん、レコーディングを経てスタジオ・ライブ映像の撮影で歌ってみてどうでしたか?

藤原 「Hello,world!」は単純に疲れます。消費カロリーがハンパじゃないので(笑)。

──瞬発力も要求されるしね。

藤原 そうそう。

直井 “息継ぎするところどこ?”みたいなね(笑)。

藤原 でも、体力的にしんどい曲は今までもあったからね。「コロニー」はすごく個人的な話なんですけど、何百色の色鉛筆みたいなものがあるじゃないですか。ボーカルに関しても自分のなかで微妙な色の使い分けがいくつもあって。聴いてる人は全部同じように聴こえるかもしれないですけど。

──そんなことない。同系色でも絶妙に色が違ったりするから。ボーカルも音もね。

藤原 そうそう。今までの研究の成果として、いろんなボーカルの手法が自分のなかにあって。「コロニー」でも新しい手法が増えたという実感がありますね。「コロニー」は一曲のなかでいろんな色が必要な幅の広い歌でしたね。“うわ、なんだ、2小節前のテンションのままで今は歌えないんだ!”って、自分のなかで歌い方のチューニングを目まぐるしく変化させていく必要があって。それも「Hello,world!」とは違うしんどさがあるんですよ。それが楽しいんですけどね。

今のオラはいける気がする(笑)

──最後に今後の展望を聞けたら。今のBUMP OF CHICKENを見てたらね、間断なく制作を続けていくと思うんですけど。

藤原 どうかなあ。現状はね、文字どおり“ケツの毛まで抜かれてる”状態なので(笑)。

──ツルツルなんだ。

藤原 ツルッツルですね(笑)。

直井 藤原くんに“書いて!”って言ってる曲もないですし。

藤原 開墾が終わった土地みたいな感じですよ。焼き畑のあとみたいなね。

直井 ただね、いつまでもその状態は許さない!

一同 (笑)。

直井 さあ、耕してください!(笑)

──種を蒔こうよと。

直井 そうそう。

藤原 じゃあ種を蒔きますか。

 いいね。

直井 (スタッフ)に曲作りのスタジオを押さえて!

藤原 スタジオに入ったらすぐに書けますよ。

──おおっ!

直井 今すぐ押さえてください!

──でも、数年前までは冗談でもそんなこと言わなかったよね。

藤原 確かに(笑)。冗談でも言わなかった。でも、今のオラはいける気がする(笑)。

直井 オラもその発言を聞いてびっくりだ(笑)。

増川 じゃあスタジオに入ってもらおう! さらに新しい曲を聴いてもらえる日はそう遠くない未来かもしれません。

<第2弾 第3弾


リリース情報

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