人間味溢れるSAKANAMONのニュー・アルバム『あくたもくた』

人間味溢れるSAKANAMONのニュー・アルバム『あくたもくた』

SAKANAMON

全12曲中11曲が新曲というSAKANAMONのニュー・アルバム『あくたもくた』が完成! 前作のミニ・アルバム『ARIKANASHIKA』があったからこそ、今のSAKANAMONがある。アルバムが完成した今、彼らはどのような成長を遂げたのだろうか?

INTERVIEW & TEXT BY フジジュン


アルバムじゃないとできない変態奇妙なバラエティ感


──3rdアルバム『あくたもくた』が完成。前回のミニ・アルバム『ARIKANASHIKA』から約半年、その間のSAKANAMONは?

藤森元生 前作以降というか、2ndアルバムを出した1年前と比べてライブ・バンドとしても成長できてると思うし、ミニ・アルバムのタイミングで気持ちの変化があって。曲やサウンドもライブを意識して、もっと攻めたいと思ったし、歌詞も小難しいことを歌うのでなく、伝わりやすい言葉選びをするようになりました。そのままのいい流れで『あくたもくた』の制作に入れたのも、すごく良かったですね。

森野光晴 確かにこの1年でライブは強く意識するようになりましたね。ツアーやってフェスに出させてもらって、もっとお客さんと向き合っていかなきゃいけないと思ったとき、曲作りの段階からライブを意識しなきゃいけないと強く思って。

──歌詞もどこか開き直って、一発で伝わる人柄の見えるものになっています。

藤森 自分の歌詞って抽象的で、聴く人の想像力を高めるものがいいと思ってたんですけど、より伝わりやすく、センスを感じさせる言葉を選ぶようになって。今はダメな自分も美化せず、完全にさらけ出せてる感じはしますね。

──アルバム完成しての率直な感想は?

藤森 バランスいい作品になったと思います。前作の勢いを引き継ぎつつ、アルバムじゃないとできない変態奇妙なバラエティ感も出せて、聴きやすく幅広い作品になったなと。

そこが僕ららしくていいのかなって


──「ジリキの迷宮」からライブ感ある曲で始まって、中盤はバラエティに富んでて、ラスト「TSUMANNE」がしっかり締めてます。

森野 ギター・ロックやライブを意識した曲を詰め込んだと思ってたら、そんなことなくて。

──大丈夫、まっすぐ投げても十分ひねくれているから(笑)。

森野 そうなんです。僕ら流のストレートでいってもそうなるんだってことに最近、気付きました。そこが僕ららしくていいのかなって。

木村浩大 制作はかなり苦労して、曲が出来たのも結構ギリギリで。めちゃめちゃ大変だったから正直、「これでちゃんとしたものが出来てるのかな?」って不安だったんですけど、マスタリングで1曲目から続けて聴いたとき、「良かった」と思ってホッとしたんです。

藤森 うん、今回は本当に修行でしたね(笑)。

──そうだったんだ。バンドの状態も良くて、曲が湧き出てくるような状態ではなかったんですね。

藤森 いや、絞り出しました。楽じゃなかったです! 最初に「ジリキの迷宮」を録って、いちばん大変だったのが「TSUMANNE」を録った頃で、メンバーも不安だったと思いますよ。

森野 「TSUMANNE」とか「スポットライトの男」、「烏兎怱怱」を録ってる頃は、時間もなくて厳しくて。自分の甘さを感じたし、やりたいことがやれない悔しさもあって。あれを乗り越えられたのは大きかったですね。

木村 僕は「ぱらぱらり」が最初、あんまり好きじゃなかったし、あまり得意なビートではなかったんですけど。きれいに叩けるように、ひとりで一生懸命ハットの練習をして、結果、納得できる音で録れてすごくうれしかったです。

──その苦労がバンドを成長させるわけですね。今日のインタビュー、作品にも反映されている人間臭さが出てて、すごくいいです。

藤森 あはは。製作中、アルバムのことを考えない時間がなくてずっと曲のことを考えてたし、プレイ面でもすごい迷惑かけましたけどね。また、ライブに向けて苦労しなきゃいけないんですけど(笑)。

これからもみんなが幸福になるような曲を書きたいですね(笑)


──曲では「ぱらぱらり」がリード曲でもあり、いわゆる桜ソングだけど、一筋縄ではいかないところがSAKANAMONらしいです。

藤森 季節ものは歌わないというのは、僕のポリシーだったんですけど、初めて挑戦してみました。春や桜って言葉をあまり使いたくないなと思ったり、変にポップな曲にしたくないと思って、挑戦してすごく面白い曲になりましたね。

──歌詞の面では、自分たちの存在や立ち位置を皮肉たっぷりに歌った「TSUMANNE」が、今作をひとつ象徴していると思いました。

藤森 世の中が“ノレれば良い”みたいな音楽に特化してるところがあるので、それをノレる曲に乗せて「つまんねぇよ」と悪態づくという矛盾なんですけど。最初、悪態づきすぎて注意されて、良きところに落とし込んで。

──結果、SAKANAMONというバンドの在り方もよく見える曲になりました。ひとりずつ、アルバムで好きな曲を聞きましょうか?

森野 僕は「東京フリーマーケット」ですね。東京を歌った曲ですが、僕が東京出身だからか、ちょっと違った視点で聞こえたし。歌詞の中から、藤森くんがまだ諦めていないことがわかって、良かったなと思いました(笑)。

木村 僕は早くライブでやりたいのが、「肉体改造ビフォーアフター」で。絶対に面白いと思うので、どうやろうか今から楽しみです。

藤森 僕は「プロムナード」かな? 僕の理想のデートを歌ったんですが、SAKANAMON史上初めてのリア充ソングで。最後まで幸せに終わる曲をいい感じに歌えたので、こういう曲も歌えるんだって自信になりました。

──恥ずかしがらずに、こういう部分もさらけ出せたのは進化ですよね。

藤森 ようやく僕もこういう曲がかける程度の女性経験は積めたので、これからもみんなが幸福になるような曲を書きたいですね(笑)。


リリース情報

2015.04.15 ON SALE
ALBUM『あくたもくた』
Getting Better/ビクターエンタテインメント
T-150408-BA-1220[初回生産限定盤/CD+DVD]¥3,300+税
[通常盤/CD]¥2,200+税

詳細はこちら


ライブ情報

全国ツアー“SAKANAMONワンマンツアー2015 ~あく太もく太の大冒険~”

06/17(水)宮城・仙台CLUB JUNK BOX
06/19(金)北海道・札幌KRAPS HALL
06/27(土)福岡・福岡DRUM Be-1
06/28(日)広島・広島Cave-Be
06/30(火)香川・高松DIME
07/07(火)愛知・名古屋CLUB QUATTRO
07/08(水)大阪・大阪BIG CAT
07/24(金)東京・Zepp DiverCity

詳細はこちら
オフィシャルサイト

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