KANA‒BOONのとぅるとぅるかむとぅるーTOUR 2015 ~夢のアリーナ編〜

KANA‒BOONのとぅるとぅるかむとぅるーTOUR 2015 ~夢のアリーナ編〜

KANA-BOON

KANA‒BOONのとぅるとぅるかむとぅるーTOUR 2015 ~夢のアリーナ編〜

2015年3月31日(火)@日本武道館

KANA-BOONの4人が、人生で初めて日本武道館に足を踏み入れ、そして単独公演を行った3月31日の模様をリポート! メンバーの夢だった武道館のステージで、バンドとしての成長を感じさせるプレイから、マグロの解体ショーにイリュージョンなどを行い、会場の度肝を抜いた一夜の模様をたっぷりとお届けします!

TEXT BY 本間夕子
PHOTOGRAPHY BY 古溪一道


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武道館といえど普段のライブハウスと変わらないテンション、そして緩さでお送りしていきます

夢を持つこと、夢に向かうこと、夢を叶えること。その一段階、一段階に喜びがあり、葛藤があり、前進があって、それら一つひとつとただひたすら実直にがむしゃらに取っ組み合ってきたからこそ迎えたKANA-BOONの今日だ。“KANA-BOONのとぅるとぅるかむとぅるーTOUR 2015 〜夢のアリーナ編〜”、5日前には、こちらも彼らにとっては初となった大阪城ホール単独公演を大成功に収め、満を持しての日本武道館。自身が行なうライブはおろか他アーティストの観客としても、ただの一度も武道館に足を踏み入れたことはないという。彼らの正真正銘の初舞台は文字通り“夢”そのものの体現だった。

会場をぐるりと囲む千鳥ヶ淵のお堀は、道ゆく人々が足を止め、渋滞を引き起こすほど爛漫に桜が咲き誇り、KANA-BOONのこの佳き日を祝福するかのごとく。場内はもはや当然のごとく満員御礼。アリーナ席から2階席までをびっしりと埋めたオーディエンスの視線はただ一点、白い紗幕に覆われたステージへと注がれる。満ちてざわめく期待感。そわそわ、ワクワク、うきうき、ドキドキ……そんな擬態語が音になって聞こえてきそうだ。

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開演予定の18時半を15分ほど回って、唐突に場内が暗転した。すると『TIME』のミュージック・ビデオにも登場するクラシカルな時計の文字盤が紗幕に大きく映し出され、同時にカチッ、カチッと鳴り響く規則正しい音が響き渡る。沸き起こる手拍子を伴って、一秒一秒、長針が時を刻む。オーディエンスが一斉にカウントダウン。“ゼロ”を数えたその瞬間、威勢のいい小泉貴裕のドラムフィルがほとばしる。直後、「武道館〜!」と谷口鮪の雄叫び一発、幕が切って落とされるや、前のめりなアンサンブルが空間を全速力で駆け巡った。「タイムアウト」だ。彼らの最新アルバム『TIME』でもオープニングを飾るKANA-BOONサウンドの筆頭とも呼ぶべきこの曲、たちまちのうちに熱狂を煽った。立て続けに“ザ・2曲目”の「LOL」、「ウォーリーヒーロー」を挟んで「ターミナル」と『TIME』を軸に据えながら熱狂を牽引する。

意外というべきか、彼ららしいというべきか、ステージ・セットは実にシンプル。照明はかなり豪華に組まれているが、ステージの上にはセットらしいセットもなく、それぞれの楽器と機材、そして生身の4人が乗っかっているだけだ。衣装もいつもと変わらずシャツあるいはTシャツという気負いのなさ。そうして次々に屈強なサウンドを繰り出すKANA-BOONに武道館はとてもよく似合った。メジャー・デビューから驚くほどの短期間でここまで駆け上がってきた彼らだが、それ以前の期間も含めて培ってきたロック・バンドとしての地力と佇まいは今やどこに立とうとも揺らぎも飲まれもしないのだとはっきり思い知らされた気がする。

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「すごいですよね。KANA-BOONが武道館ってみんな、ビックリしていると思いますが(大きな拍手)、たとえ武道館といえど普段のライブハウスと変わらないテンション、そして緩さでお送りしていきますので、いろいろ楽しみにしていてください」

谷口がそう宣言すると演奏はさらに不敵に加速した。畳み掛ける「ワールド」「MUSiC」「結晶星」。オーディエンスも負けじと声を上げては拳を振り、各階、果敢に客席の床を揺らす。まだ前半戦でこの昂揚っぷり、天井知らずの興奮にそら恐ろしさすら覚えてしまう。たしかにライブハウスと変わらないテンション、いや、それ以上ではないだろうか。では、はたして“緩さ”とは? その答えは「結晶星」のあとに明らかにされた。

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今日、バンドとしての夢がまたひとつ叶いました

「今日、バンドとしての夢がまたひとつ叶いました。でもKANA-BOONはこれだけじゃ満足しないということで、一人ひとりの夢も叶えていこうと思っているわけですが、付き合ってくれますか」

そんな問いかけからメンバー各自の個性が存分に発揮された夢の実現大会がスタートする。トップバッターの谷口が叶えた夢は自身の名前にもかけた“マグロの解体ショー”。本人いわく“ちょっと引くぐらい”の巨大な鮪がまるまる一本、大漁旗をバックに台に横たえられて職人がさばく本格的ショーだ。アリーナ席に現われた飯田祐馬は「セグウェイで大好きなお客さんの花道を通りたかった」とセグウェイに乗ったままコール&レスポンスを堪能しながらフロアを横断。次の演奏ブロック後には鎖でぐるぐる巻きにされ、箱に閉じ込められた小泉が串刺しの応酬に遭いながらも無傷で生還するという本気の脱出イリュージョンを完遂してみせ、見守る全員の度肝を抜いた。また次のブロック後は“空を飛びたい”、古賀隼斗がギターを持ったままハーネスで宙釣りに。それだけでも充分にどよめきを誘ったが、なんと「みんな、いけるか〜! ミュージック、スタート!」とそのまま「盛者必衰の理、お断り」に突入、爆発的に盛り上げる。さすが、やるときゃやる男。空中で見えやすいようにと白シャツに着替えてきた、その気合もよし、だ。

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演奏はとことんソリッドにエッジに。幕間では遊び心もたっぷりに。目を見張るのはその切り替えの鮮やかさ、しかして、やはり何を置いても盤石なアンサンブルと楽曲に宿った説得力だ。「クラクション」に匂い立つブラック・ミュージックのグルーヴ感、降る雨を思わせる「スコールスコール」のセンチメンタルな情感。温もりが溢れてとめどない「愛にまみれて」はおそらくバンドのエポックメイキングな1曲となるだろう。『TIME』でいっそう幅を広げた音楽表現を武器に場の空気をグイグイと押し広げて進んでゆく4人の姿は、次の夢に向かって突き進もうとする勇者のそれだとさえ思えた。

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大好きな音楽と、自分の夢や信念を曲げずに、みんなをいろんなところに連れて行きたい

アンコールでは、5月13日にリリースされるニュー・シングル、そのタイトルも「なんでもねだり」をいち早く披露。フィンガー5をも彷彿とさせそうな突き抜けたポップ・チューンはKANA-BOONの新たな快進撃を予感させる。続くは鉄板曲「1.2. step to you」、そして“夢のアリーナ編”のオーラスを締めくくったのは「パレード」だった。どんな夢でもいい、心のどこか奥底に小さな輝きがあれば人はものすごく頑張れる。とにかく夢を叶えたものとしてみんなに言いたいのは夢を持つことはとてもいいことで、夢を叶えることはすごく幸せなこと……自分たちのこれまでを振り返り、真摯に言葉を紡ぐ谷口。

「僕らをここまで連れてきてくれてありがとうございました、これからも僕らは大好きな音楽と、自分の夢や信念ってものを曲げずに心の中に持ちながら、みんなをどんどんいろんなところに連れて行きたいと思っています。これからもずっとそばにいてください」

この日のために作った曲、「パレード」。未来に臨む覚悟と意志が、力強く伸びる歌声からはもちろん、朗々と晴れやかなサウンドからもリアルに迫る。あの頃の未来は今になり、その今に立って初めて、また次の未来が見える。この音が鳴る限り、夢は尽きることなく連なっていつまでも胸の中で輝くだろう。はじけた銀テープに反射する光にそんなことを思った。


SETLIST

01.タイムアウト
02.LOL
03.ウォーリーヒーロー
04.ターミナル
05.ワールド
06.MUSiC
07.結晶星
08.クラクション
09.ロックンロールスター
10.ないものねだり
11.生きてゆく
12.スコールスコール
13.愛にまみれて
14.盛者必衰の理、お断り
15.フルドライブ
16.スノーグローブ
17.シルエット

ENCORE

01.なんでもねだり
02.1.2. step to you
03.パレード


リリース情報

2015.05.13 ON SALE
SINGLE「なんでもねだり」

[初回限定盤/CD+DVD]¥1,500+税
[通常盤/CD]¥1,165+税

詳細はこちら


ライブ情報

KANA-BOONのとぅるとぅるかむとぅるーTOUR 2015 ~全国とぅるとぅる編~”
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