【後編】DAILY MUSIC presents SKY-HI公開取材

【後編】DAILY MUSIC presents SKY-HI公開取材

SKY-HI

“ネガティブな経験を見つめポジティブに変革する”。シングル「カミツレベルベット」発売記念で開催された、DAILY MUSIC presents SKY-HI公開取材。新作シングルやミュージック・ビデオの裏話から、質問コーナーまで! 公開生取材ならではの緊張感あり、サプライズ感あるトークを前編後編の2回にわたってお届けしよう……ていうか、またもや熱過ぎてて編集部から指定された字数を倍以上オーバーしてます(大丈夫かしら?)。というわけで第2弾です☆

INTERVIEW & TEXT BY ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
PHOTOGRAPHY BY 山内洋枝(PROGRESS-M)


前編はこちら

飛び出した先の景色をいいものにしたい


──新曲「カミツレベルベット」は、曲のよさはもちろん、ミュージック・ビデオ(以下MV)での逆回転映像の取り入れ方のこだわりもすごいですね。

SKY-HI 本当は全編逆再生にしたかったんです。最初に燃えた絵が、最後戻ってくるまでの一瞬の話にしたかったんです。ほら額縁の中の絵ってきれいじゃないですか? そこから飛び出ようとすることで、自分が新しい一歩を踏み出すんだというテーマ。でも、人生ってとんでもないことが起きたりするじゃないですか? それでも、飛び出した先の景色をいいものにしたいって想いが「カミツレベルベット」なんです。あ、「カミツレベルベット」のタイトルの意味をみんな知ってる前提で話ちゃったね(笑)。

──カミツレって花の名前ですよね。

SKY-HI そう、CDのジャケットや、MVの最初と最後に出てくる花です。逆境に耐えるというと、ぐわっと険しい顔をしそうだけど、実際カミツレの花ってのは小さく可愛く咲いていたりするんですね。本当の強さって「自分と違う意見をことごとく潰してやろう!」みたいなことじゃなくて、それこそベルベットみたいにしなやかに気高く優しく包み込んでやれるような心こそが、本当の意味での強さなんじゃないかな。そんな気持ちを大切にして、額縁から飛び出たときに、絵の中だけの世界だと思っていたことが、リアルでも大事だよねってことを伝えたかった。前向きなメッセージにしたかったんです。でも、逆再生するってことは歌詞を逆さまに覚えないといけないんですね。あれめちゃくちゃ大変で(苦笑)。

──え、あれ逆さまに歌ってたんだ(驚)。

SKY-HI 例えば、“好き”は逆から読むと“キス”じゃないですか。だけど、逆再生にするとアルファベットにしたうえで逆から読むから、“好き=SUKI”は“IKUS”になるんですよ。それを全部自分で解読して、歌詞カードを片っ端から逆にして。何回も聴きながら、「嫌これは“U”じゃなくて“O”だ」とか、そういう作業を一個一個やっていって。やっと覚える作業に入るという。あれは地獄のような一日でしたね……大阪から帰りの新幹線で聴きながらやっていたのを覚えてます。

──それこそ、忙しいタイミングだったんじゃないですか?

SKY-HI そう、帰りの新幹線の中で覚えないとアウトっていう。よりによっていちばん忙しいタイミングだったんですよね(苦笑)。

──あ、覚えないと撮影が飛んじゃいますもんね(笑)。それを乗り越え完成したと。

SKY-HI たぶん出来るのかなという気はしていました。想像はできていたからね。

R-150330-YS04▶MV視聴中、再現をし始めるSKY-HIの図。

俺が作ったトラック状態の
「カミツレベルベット」も結構いいんですよ


──ポジティブなメッセージはもちろんですが、SKY-HIの未来への指標というか、決意表明を感じた曲でした。かつてなくポップさも強く感じたのですが、アレンジャーに蔦谷好位置さんが参加しているんですよね?

SKY-HI 元々学生の頃からYUKIの大ファンなんです。どんくらいファンかというとメディアの前で“さんづけ”しないぐらい好きです(笑)。YUKIが結婚報道あったときはほんとにショックを受けたレベルのファン(苦笑)。だから当然、楽曲を通して蔦谷好位置さんの大ファンになったんですよ。そうこうしているうちにAAAの楽曲で蔦谷さんとやることがあって。その後「スマイルドロップ」のカップリングの「Serial」を蔦谷さんが聴いてくれて「いいね!」って言ってくれたんです。

──おおお、うれしいね。

SKY-HI それでご飯食べに行きましょうってなって、ご飯を食べているときに、俺が「どうしても世の中に届けたいポピュラリティを得る楽曲ができたら、蔦谷さんにすごいポップに仕上げてほしいです!」という話をしたら、「いいね、やろうよ!」って言ってくれてたんで、それで2週間でが〜っと「カミツレベルベット」を書き上げました(笑)。あ、俺が作ったトラック状態の「カミツレベルベット」も結構いいんですよ。

──へ〜、聴きたい!

SKY-HI 聴きたいでしょ。実はそれがなんと「カミツレベルベット」に……収録されません(苦笑)。でもいつかやりますよ。この前エミネムがコンピを出したときに「Lose Yourself」のデモ・バージョンとかあったじゃないですか? ああいうのいいですよね。

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人生のターニング・ポイントとして書いた曲


──経過を知ることで、よりアーティストの意図と向き合えたりしますからね。

SKY-HI バースが全然違うとかね。

──「カミツレベルベット」は、相当思い入れが強いナンバーなのですね。ライブでイントロが鳴った瞬間に、新生SKY-HIが始まった印象を受けました。

SKY-HI 俺も始まったなって感じがありました。「カミツレベルベット」は案外すんなり曲が生まれたんです。なので、去年大変だった経験が俺に「スマイルドロップ」を書かせてくれて、それが「カミツレベルベット」を生み出してくれたのだと思っています。いまだに「カミツレベルベット」を歌うと、転調前の2回目の間奏で泣きそうになるからね。自分がいちばん励まされているっていう(笑)。

──魂の叫びですね(笑)。

SKY-HI すごい大事な曲になりました。でも、今後「カミツレベルベット」くらいポップスとして強度の高いものを作り続けていくかどうかは現時点ではイエスとは言えないかな。「Limo」みたいな最先端のベース・ミュージックをやっていく気持ちもあるし、「Serial」を書いたことで自分がいかにラッパーとしてやばいかっていうスキルをちゃんとエンターテインした形で作っていきたくもあるし。でも、「カミツレベルベット」は人生のターニング・ポイントとして書いた曲だから、ビッグ・テーマだね。

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え、知らないよそんなの!(笑)


──では、続いて質問コーナーに入りたいと思います。会場にいる皆さんや、ライブ・ストリーミング配信サービス「SHOWROOM」に参加中のユーザーの皆さんに、SKY-HIへいっぱい質問をいただきました。読み上げさせていただきますね。どれにしようかな〜……まずは「滑舌がよくなる秘訣は?」だそうです。

SKY-HI え、知らないよそんなの!(笑)

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──結構、みんなかぶってこの質問に集中してるんですよ。

SKY-HI みんなそんなかぶってるの(苦笑)。でも、ラッパーだからって滑舌よくなろうと思ったことはないし、ダンスもそうだと思うけど、早くて派手なムーブをグワってやっている人ってうまいって思われやすいけど、それだけがダンスのうまいへたじゃないからね。ただ自分がラップとかヒップホップとかを知らない人にも、自分がラップはうまいというのを明確に伝える必要はあるなと思っていて。それこそRHYMESTERの宇多丸さんが言ってくれた言葉を借りると“ハードなことをとことんまで突き詰めると一転してポップになる!”。「Tyrant Island」の早口みたいなパートって、ラップを知らない人でも盛り上がってくれるから、そういうことなのかなと思いますね。なので、自分にとって必要なことだから練習しただけですよね。なので必要だったら滑舌よくなりますよきっと、滑舌よくない人は滑舌が必要ないんだって、だからいらないと思うよ。

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──このアメを舐めると滑舌がよくなるとか、そういうのないんですか?

SKY-HI ハハハ(笑)。次のグッズでやりましょうか。毎回グッズでお菓子シリーズをやってて。今回「スマイルドロップ」にかけて“スマイルドロップス”てアメを出したら好評だったんですよ。でも、その前は得体の知れないラムネ菓子を作ったら反応がすごい微妙だったっていう(笑)。

──お〜、アメいいですね! 続いて。「人前に立つのが苦手ですごく緊張しいなのですが、いろんな大舞台を経験したSKY-HIさんに緊張しない方法などあれば教えてほしいです」とのことです。

SKY-HI 緊張しますよ(笑)。でも、まずは自分を緊張させている原因というのをちゃんと考えますね。この前の東京のライブとかも、緊張してるなって思ったから。でも緊張自体は嫌いじゃないんです。マラドーナの言葉で“緊張は一流の選手に許されたフィールドに対する礼儀だ”というのがあって、俺は緊張すること自体は誇りに思っています。そのステージを大事に思っているということだから。まぁおかげさまでどんな小さいステージでもいまだに緊張するんだけど(笑)。そんなときは、緊張する原因と、あとステージがうまくいく理由、リハをたくさんしたとか、最高のバンド・メンバーとダンサーがついているとか、お客さんも楽しみに待ってくれているのが明らかであるとか、そういうことを一個一個考えていって、ということは「今回のライブは成功するな!」って具体的に説明できるようになるんですね。そこまで脳みそで考えて、あとは感情のコントロール。両方が大事ですね。

──とことん自分と向き合うってことですね。

SKY-HI うまい! さすが! それでお願いします(笑)。

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やろうとしていることをすごく理解できた


──まとめてみました(笑)。あとSHOWROOMに参加してくれた方から質問です。「ライブで選曲されているファレルの世界的ヒット曲のカバー選曲理由は?」。だそうです。

SKY-HI これね、簡単にいうと「Blanket」という曲を僕が作ったのが3年前くらい。で「Happy」が世の中に出たのが次の年とかじゃないかな。それで「Happy」を最初に聴いた瞬間に、最高だなファレルって思ったんですよ。でも、このノリは自分で作っていた「Blanket」じゃんと思って悔しかったんですよ。たぶんやろうとしていることをすごく理解できたんですね。ロックンロールの流れとか、ソウルの60年代回帰の流れとか。でも、ファレルにやられちゃって悔しくて……。俺は極東の端っこの、アジアのかけだしの人間だけど、同じようなことを考えて近いグルーヴものを作っているのに、世界的な評価がここまで違うというのはすごい悔しいなって思い知らされて、だから「Happy」をカバーしてます。好きだからやっているという理由というよりは、悔しいからやっているんです(笑)。

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──「Blanket」という曲もあるんだぞ! ということですね。

SKY-HI BPMも一緒だったんですよ。なので、ライブでは繋げてやってます。あと、「Happy」を試しにリハーサル・スタジオでカバーしたら、あまりにも自分に似合っていたから、これはもうカバーするべきだって思いました(笑)。フェスに出るときとかでも、俺のことを知らないオーディエンスに対してアプローチするのにすごい役立つ曲なんですよ。武器になりました。ファレルさん本当にありがとうございます、という感じですね(笑)。

──なるほどねぇ。では最後の質問! 「なんでそんなにかっこいいんですか?」。

SKY-HI えっ、……俺が俺だからです、以上!(笑)。

──かっこよくなれるアメも物販でお願いします。買いますので!

SKY-HI それも次のツアーでグッズでやりましょうか(笑)。まぁ、何をもって人はかっこいいとか、かっこよくないとか言うんでしょうね? でも自分のことを好きでいれるようには努力しようと思っているかな。

──ありがとうございます。今日はSKY-HIのいろんなお話を聞けてうれしかったです。

SKY-HI こちらこそありがとうございました。

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──今日の公開生取材は、後ほど記事としても書かせていただきます。皆様お越しいただき本当にどうもありがとうございました。

前編はこちら


リリース情報

2015.03.18 ON SALE
SINGLE「カミツレベルベット」
avex trax

J-150313-YS11

[Type-A/CD+DVD]¥1,800+税
[Type-B/CD+DVD]¥1,800+税
[CD]¥1,000+税

詳細はこちら

オフィシャルサイト

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