【前編】DAILY MUSIC presents SKY-HI公開取材

【前編】DAILY MUSIC presents SKY-HI公開取材

SKY-HI

アンダーグラウンドな現場で腕を磨いてきたラッパーSKY-HI。AAAのメンバーとしても活躍中。そんな日本が誇るエンターテイナーでありメロディ・メーカーである彼が、自身の作詞曲として“ネガティブな経験を見つめポジティブに変革する”ポップな新作シングル「カミツレベルベット」をリリースした。そこで、オーディエンス200人を迎え入れ、SKY-HIに公開取材を実施。全国ツアー“SKY-HI TOUR 2015 〜Ride my Limo〜”のレア話はもちろん、SKY-HI出生の秘密まで! 公開生取材ならではの緊張感あり、サプライズ感あるトークを前編後編2回に渡ってお届けしよう。ていうか熱すぎて編集部から指定された字数を相当オーバーしてます(大丈夫かしら?)。というわけで、まずは第1弾です☆

INTERVIEW & TEXT BY ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
PHOTOGRAPHY BY 山内洋枝(PROGRESS-M)


リハーサル3時間くらいやってしまったという(苦笑)

──初めてお会いしたのはシングル「愛ブルーム」発売直前ぐらいでした。渋谷でご飯を一緒に食べて。

SKY-HI あれ、どんな話しましたっけ? だって、まだ「愛ブルーム」が世の中に出ていないタイミングでしたよね。

──「愛ブルーム」や、ダフト・パンクの「Get Lucky」の話で盛り上がりましたね。実は、今日SKY-HIに初めて取材するんですよ。毎回ライブには伺って、他のライターさんとか紹介していたら気がついたら自分で取材をしてなかったという(笑)。

SKY-HI たしかに、MTV81とかふくりゅうさんに紹介していただいたメディアの方が取材に来てくれたことはあるんですけど、ふくりゅうさん取材は初めてですね。

──Yahoo!ニュースで書き原稿で記事は書いてたんだけどね。今日はお客さんがいながらの公開取材です。まずはツアーお疲れ様でした。先日の赤坂BLITZでの千秋楽はいかがでしたか?

SKY-HI 厳密にいうと福岡公演をやる前の時点で、これはいいショーケースを作れているなという自信がありました。赤坂はもう楽しむだけという感じだったので、実際にとても楽しかったし、想像通り非常にいいライブができたと思います。反省点があるとしたら、楽し過ぎちゃって、リハーサル3時間くらいやってしまったという(苦笑)。

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みんなっていうか俺だけど(笑)

──リハもガチなんだ(笑)。

SKY-HI 楽し過ぎて(笑)。気がついたらやっていない曲がないみたいな状態でしたね。楽しいことをつくることができる条件が揃っているから、不安要素がひとつもなかったですね。

──しかも、赤坂BLITZ超満員でしたからね。ライブで忘れられないワンシーンとかありました?

SKY-HI 「愛ブルーム」の曲ラストに、みんなで踊る振りつけがあるんですけど、赤坂ではついに全員で並んで“要するに今すぐにイキたいのさ ワンチャンス”パーン! でみんなでキックしたのがめっちゃ楽しくて。でも、これがなかなか揃わないんですよ。みんな“ワンチャンス”で蹴っちゃうんですよ。あ、みんなっていうか俺だけど(笑)。そういう遊びながら足していったことが楽しかったね。

──ライブの回数を重ねたことで、チームとしての結束力が高まったということですね。

SKY-HI みんなのおかげだし、俺自身のおかげでもあると思うんだけど、リハとかで、お互いいろんなことを言いやすい関係性になりました。俺がドラム耳(ドラムが気になるという意味)というのもあるんだけど、ドラマーのもっちー(望月敬史)には本当に細かく「そこはハイハットなしで!」とか言い合ったりしているんだけど、そういうのが殺伐とした空気にならないというか。みんな何を言っても「ああそうだね、そうしよう!」と前向きに理解し合える感じ、すごいポジティブな空気が漂っていると思います。

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みんなのおかげだなと本当に思っています

──途中のダンサー・タイムの掛け合いもすごく楽しくて、あれはどんなアイデアから?

SKY-HI 前からずっとやりたかったことだったんです。ダンサー4人ともキャラが元々立っているんです。なので、キャラを活かしてお客さんに提示して、なおかつそれがこっち側のエゴじゃない感じに見せたかった。ただ単に紹介みたいな「ダンサー○○、イェイ!」じゃなくて、ちゃんと何も知らないで観に来てくれた人が楽しいと思ってくれるためにね。自分でビートを打ちながら歌いながら作っていったんだけど。1時間半くらいでストーリーとラップとビートと全部出来て、録り終えた後自分ひとりで聴いているときに「これやっていいのかな?」って一瞬不安になってみたり(笑)。ダンサーのケンスケと、avex・石川さんに「こういうの次のツアーでやってみたいんだけどどう思う?」って相談したときは非常に怖かったですね。

──結果、めちゃくちゃよかったよね。

SKY-HI ダンサーの前向きな協力のおかげでどんどん形になったんですよね。今回、バンドもいるので、いわゆる3つのリハーサル会場を行き来していた感じなんです。ダンサーの動き方とかは基本的にケンスケに任せてたんですけど、すごく前向きにやってくれたし。みんなのおかげだなと本当に思っています。

──そんな想いがステージの空気感、世界観を生み出していくんですよね。というか今回ライブで全27曲もやってますけど、構成考えるの大変だったんじゃないですか?

SKY-HI いや、どうだろう。ひょっとしたら俺いちばん好きな作業かも、ライブ作るのって。1曲目を「Sugar」にして。ちなみに「Sugar」ってタイトルもまだ未定で迷っているんですよね。有名なボクサーがさ、殴られたり殴ったりする感覚、苦境に挑むのをまるで砂糖のように甘いって話してたんです。「痛くないですか? 辛くないですか?」って聞かれたら「何言ってんだ、これは“Sweet as a Sugar”だよ」って。そこからスタートして、ハッピーな方向にもっていって、見せるもの全部見せたいと思ったんです。

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ちゃんとリスペクトしたうえで誇っていこう

──なるほどね。

SKY-HI でも、ライブハウスでライブをやる以上は2時間以上には絶対したくなくて。体力を削っちゃうからね。(家族で)ディズニーランドに行った帰りにお父さん寝ていたりするじゃないですか? そうはしたくないなというか。どんな人がふらっと来ても「楽しかったね!」って記憶の状態で帰れるように極力したいと思っていて。

──ライブでの「Diary」「Blanket」とか大好きで、本当にSKY-HIはいい曲が多いなと改めて思いました。

SKY-HI ですよね〜。

──ですよね(笑)。

SKY-HI 本当そう(笑)。でもそれは胸を張って言いたい。ちょうどライブをやった直後にw-inds.のKEITAとご飯に行って、「どうだった?」みたいな話になって、「いや本当に最高だった、俺は本当にいいライブをしている!」というのを言ったときに「自分で言うね〜!」みたいな感じで。でも自分で言っていきたいなと思っている。ライブも曲も本当にいいと思っているし、実際にいいと思ってくれている人たちの感想ににごりがないし。「みんながいいと思っているからいいって言っておこう」とか、そういう感じでいいって思っている人のバイブスを感じない空間を作れている自分をちゃんとリスペクトしたうえで誇っていこうと思っています。

──そのへんってSKY-HIのライブ中のMCにも表れているなと思って、オーディエンスをSKY-HIが理想とする場所に一緒に連れて行きたいみたいなメッセージ性ってあるじゃないですか? 目標がはっきり見えているからこそ自信があるというか。

SKY-HI そうですね。やりたいことというよりは、やるべきことというか。俺はより多くの人に繋がったり広がったりするために「売れたい」という言葉を使っているんだけど、“「売れたい」って言葉で表すのはもったいなくないですか?”って言われたことがあるんです。世の中の「売れたい」って言葉の受け取り方と違うんでしょうね。でも、それでもいいかなって。

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このままでもいいんだと思えた

──表現へのこだわりってことなんですね。自信ある作品を作ったら「売れたい」って思うのが普通ですよね。SKY-HIは、元々音楽原体験ってどんな感じだったんですか?

SKY-HI 小学校の頃から音楽はたくさん聴いてました。当時ずっとサッカーをやっていて。プロになると信じてやまなかったんですけど、中学に上がったくらいでどんどん通用しなくなっちゃって。身長がそんなに大きくなかったというのもあるし、あと実際に耳の障害とかがあったから。あれ、ふくりゅうさんにそれ言ってなかったかな?

──うん。……聞こえづらいの?

SKY-HI 先天性の障害が元々耳にあって。左耳が聞こえないというか変な感じなの、フィルターがかかってるような。元々未熟児で生まれたんですよ。父親が「手のひらに乗るぐらいだった」って大袈裟に言ってたぐらいね。耳はね、中学校上がってからサッカーのコーチングとか全然聞き取れなくなって。左サイドしかやれないな、みたいな。で、サッカーの次に興味があったのが音楽だったんです。でも、耳が問題なので、音楽を始めるときも、人と確実に聴こえ方が違うなというのは中学生のときに感じて辞めようかなと思ったんですけど、そのときに父親が「その左耳のおかげで人と違う音楽の聴こえかたできてよかったな!」という話をさらっとしてくれて、それがうれしかったというか。このままでもいいんだと思えたんです。

──そうじゃなかったら、プロ・サッカー選手になっていたかもしれないし、今日この場にいなかったかもしれないですよね。

SKY-HI わかんない、サッカー選手になってここにいたかもしれない(笑)。そんなこともあって、憧れの裏返しというか、スポーツ選手に対しては異常なくらいジェラシーを持ってます。スポーツ大好きなんですよ。サッカーだけじゃなくてね。わからないスポーツはカバディくらいかな(苦笑)。

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泣き止んだ後にすごい前に向く力をくれる

──いろんな人生の流れがSKY-HIにはあったんですね。でもそういう体験、経験があったからこそ、ネガティブをポジティブに変えていくリリックにも表れてくるわけですよね。

SKY-HI たぶんね。でもなんか、人って生まれたときからうまくいかないときって絶対泣くと思うんですよ。子供のときは俺もよく泣いていたと思うし。サッカーにまつわることでもそうだし、姉貴にもよく泣かされてたし(苦笑)。でも泣いたときに、「嫌だな」と思って泣くと、泣き止んだときに嫌な気持ちが残るじゃないですか? 「ちくしょうなんでこんなんなんだ!」と思いながら泣くと、泣き止んだ後もその気持ちのままなんだよね。でも泣いているときに、泣きながらちくしょうと思うことだけじゃなくて、ちゃんと原因と向き合えたら、そんなことを思いながら泣いているときっていうのは、泣き止んだ後にすごい前に向く力をくれるかなと思って。

──たしかに。

SKY-HI シングル「スマイルドロップ」のときのインタビューでも話したんだけど、本当の意味でのポジティブってネガティブなことに蓋して、今日は全部忘れてぱーっと飲み明かそうということよりも、自分をネガティブにする原因を心から見つめまくるとき、目をそらさないほうが絶対ポジティブだと思うんですよ。自分は人並みの人生だと思うんだけど、そう思うことが多かったことが、曲を作るのに役に立っているというか、バックボーンなのかな。そんな気がしていますね。

 後編はこちら 


リリース情報

2015.03.18 ON SALE
SINGLE「カミツレベルベット」
avex trax

J-150313-YS11

[Type-A/CD+DVD]¥1,800+税
[Type-B/CD+DVD]¥1,800+税
[CD]¥1,000+税

詳細はこちら

オフィシャルサイト

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