若い世代に伝えたい!大物アーティストのカムバックと、それぞれの諸事情

TEXT BY 村上ひさし

解散から○○年……。そして待望の復帰!

突然カムバックとか、何年ぶりの新作だとか言われても、若い人にはピンと来ないことって多いですよね。そのアーティストの全盛期を知る人には、そりゃ凄い事件なのかもしれないけれど、あとから生まれた若者たちにとっては、「ふ〜ん」で終わってしまうのではないかと。でも確かに最近、大物のカムバックが相次いでいるのも事実。そこで彼らの大ヒット曲を振り返りつつ、カムバックの裏事情とやらを紹介したいと思います。

◎フォール・アウト・ボーイ

まず比較的早かったカムバック組のフォール・アウト・ボーイから。2009年のニューヨークのステージを最後に解散してしまった彼ら。その後は、各自バラバラで活動していたけれど、2013年と14年にアルバムを発表して完全復帰。活動休止中はリーダーのピート・ウェンツは主夫として家庭に入り、当時の妻アシュリー・シンプソンと子育てに専念。でも、このままでは自分を見失ってしまうと、再度ロッカーとして活動する決心をしたのだとか。リード・シンガーのパトリック・スタンプも解散中にすっかり痩せて肥満を克服。そして最新アルバムからは「センチュリーズ」が全米トップ10入りを果たし、見事なカムバック。3月末には“パンクスプリング”などで来日も決まっています。

2005年のブレイクのきっかけを作ったシングル「シュガー、ウィアー・ゴーイン・ダウン」。この頃のピート(ベース担当)は、まだ控えめだったんですね。

◎スリーター・キニー

もう少しベテラン組となるスリーター・キニー。1994年から活動の女性トリオは、伝説のライオット・ガール系バンド。最後にステージに立ったのは2006年のこと。そんな彼女たちが昨年、突如として復活して10年ぶりとなるスタジオ・アルバム『ノー・シティーズ・トゥ・ラヴ』を発表。まったく年齢を感じさせないエッジィなパンク・サウンドで、若きロッカーたちを唸らせています。

2005年の「ジャンパーズ」。別にカッコ付けてるわけじゃないのに、超カッコ良し。

◎ディアンジェロ

お次は14年ぶりに新作『ブラック・メサイア』をリリースしたディアンジェロ。ネオ・ソウル界のプリンスとして90年代から大人気を博し、期待も大きかったものの、2枚のアルバムを残してなぜだか低迷。ドラッグやアルコールの依存症を患っていたそうで、自慢のマッスル・ボディもブクブク太って肥満体型に。彼曰く、衝撃的だった「アンタイトルド(ハウ・ダズ・イット・フィール)」(2000年)のビデオの裸体とマッチョな男性像を皆から求められるプレッシャーに耐えられなかったのだとか。今年のサマソニでの初来日、楽しみです。

その問題のビデオ。この肉体美が、まさか人生を狂わせてしまうとは……。

◎シスコ

チャラ系のお兄さん、シスコも14年ぶりに新作『ラスト・ドラゴン』をリリースです。Tバックを意味する「ソン・ソング」を流行らせたのが2000年。以降、なにをしていたかを知る人はほぼいないと思うのだけれど、カムバックだそうで何よりです。

究極の一発ヒットでしたね。

◎ジョルジオ・モロダー

ラストはジョルジオ・モロダー。ドナ・サマーやブロンディのプロデューサーとして80年代に大活躍した彼は、最近ではダフト・パンクの新作に参加したり、DJ業に精を出し、その上なんと、30年ぶりに(!)自身名義の新作『74・イズ・ニュー・24』を発表してくれます。既にカイリー・ミノーグをフィーチャーしたシングル「ライト・ヒア、ライト・ナウ」が公表されているけれど、アルバムにはブリトニー・スピアーズ他がゲスト参加しているそうで、74歳のオッチャン、凄いバイタリティです。続けることに意義がある、とはよく言われますが、時にはお休みして、それから復活もいいってことですね。

ヒット曲が多すぎて困るのだけれど、ブロンディの「コール・ミー」(1980年)などおなじみではないかと。

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