音楽ブロガーがあの番組をウォッチ!月刊 レジーのMステ定点観測 〜2015年2月放送分〜[後編]

音楽ブロガーがあの番組をウォッチ!月刊 レジーのMステ定点観測 〜第10回 2015年2月放送分〜[後編]

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レジー(音楽ブロガー)

Mステの放送内容をネタにJ-POPに関する小話をお届けする当連載。3月4日(水)にアップされた前編に続きまして、後編では2月に出演したソロシンガーの皆さんのお話からどうぞ。

「師匠」の期待を受け継ぐ者たち:大原櫻子、椎名林檎

6日に出演した大原櫻子は今年の高校サッカーのテーマ・ソングとしても話題を呼んだ「瞳」を披露。ピュアなバラードを堂々と歌い上げる姿はまだデビューして間もない新人とは思えない貫録。これだけしっかりした歌唱力があるのなら、もっと癖のある楽曲にチャレンジしても面白いのでは? なんて思いました。
「瞳」は売れっ子プロデューサーの亀田誠治が手掛けた曲ですが、そもそも大原櫻子がデビューのきっかけとなるオーディションを受けた理由は「そのオーディションに亀田誠治が関わっているから」だったとのこと。若いミュージシャンからのリスペクトを集める彼らしいエピソードですが、この人の薫陶を昔から受けているのが27日に出演した椎名林檎。亀田のことを「師匠」と仰ぐ彼女がこの日披露した「至上の人生」は、淡々としながらも熱さを秘めたロック・ナンバー。彼女のルーツのひとつでもある90年代のオルタナティブ・ロック的な匂いも感じさせるこの曲は相変わらずかっこよくて、昨年のシングル「NIPPON」やアルバム『日出処』に引き続き創作活動が好調なことを物語っていますね。そのうち大原櫻子にも曲を書いてほしいです。

「懐かしい……」で片づけないで:槙原敬之、morioni

最近のMステでは昔のヒット曲を今の10代に聴かせてその感想を楽しむ「DISCOVER J-POP」という企画が毎週行われています。そんなことやるなら最新のヒット曲の紹介やゲストのライブを……というのが毎度の感想ではありますが、少し見方を変えると「日本のポップミュージックの歴史」を若い人に継承するという観点ではもしかしたら意義深い取り組みなのかもしれません。Mステ以外の歌番組を見渡しても「懐メロ」の比率が高まりつつある昨今ではありますが、そういった企画の中から華原朋美が復活したり玉置浩二のファン層が広がったりしているのは評価に値する現象なのかなとも思います。

今月のMステには槇原敬之(13日、ドラマ『きょうは会社休みます。』の主題歌だった「Fall」を披露)と森友嵐士(20日、ゴールデンボンバーの鬼龍院翔とのユニットmorioniとして「サヨナラは歩き出す」を披露)という90年代初頭のJ-POPを支えたアーティストが出演しました。マッキーの代表曲「どんなときも。」(Mステ初登場時に歌った曲として番組内でも紹介されていました)は自分らしさを肯定する応援歌、また彼の大ヒット曲「もう恋なんてしない」は失恋の風景を具体的に描写した切ないラブソング、といった具合にこの人はその後の日本の流行歌の潮流を作ったひとりであることは間違いありません。また、森友嵐士が所属していたT-BOLANもロック風のサウンドを「歌謡曲」的なフォーマットに落とし込むトライを(外部の作家と一緒に)古くから続けてきたバンドです。「あー懐かしいなー」というだけではなくて、こういう人たちのJ-POP史における存在意義が広く理解されたうえでちゃんとリスペクトされるような時代になるといいなあなんて思いました。ちなみに僕が初めて買ったCDはT-BOLANの「じれったい愛」です。

盤石のジャニーズ、異色のジャニーズ:SMAP、渋谷すばる

例によって毎週のように登場していたジャニーズの人たちですが、2月のハイライトは何といってもSMAPの2週連続出演でしょう。6日には椎名林檎作の「華麗なる逆襲」を紫色のスーツで披露。ファンキーなトラックをバックにいつも以上にかっこつけたダンスを見せる5人から放たれるオーラは、他のグループには絶対真似できないもの。“面白おかしく 俺は勝ち逃げするよ”という歌詞もこの人たちが歌うと異常にかっこいい。続いて13日に披露したのは爽やかなギター・ポップ風味の「ユーモアしちゃうよ」で、「華麗なる逆襲」の夜っぽいムーディーな感じに対して今度は太陽の光が似合うキラキラしたエネルギーを放出。この人たちは何歳まで輝き続けるのだろう……と感嘆せずにはいられませんでした。

グループとしての魅力を見せつけたSMAPに対して、たったひとりでそのポテンシャルを証明したのが13日に出演した渋谷すばる。少し前から彼の歌唱力は話題になっていましたが、主演を務める映画『味園ユニバース』の公開と合わせて晴れてソロ・デビューを果たしました。シンプルなバンド・サウンドに乗せてバラード「記憶」を切々と、そして全身全霊で歌い上げる姿は「関ジャニ∞の……」という枕詞すら不要な迫力(それでも衣装のTシャツにわざわざ「関ジャニ∞」と書かれているところにグループへの帰属意識を感じました)。ちなみに今回の楽曲はマシコタツロウによるものですが、この方はSMAP「ユーモアしちゃうよ」の共作者でもあります。いい仕事してますね。

次回のMステは3月13日の放送。ネットで奇妙な盛り上がりを見せているSEKAI NO OWARI「Dragon Night」と、同曲の小道具をミュージック・ビデオに活用しているきゃりーぱみゅぱみゅ「もんだいガール」の競演という注目ポイントがあります。そんな話も来月はできればと思いますので、次回もぜひよろしくお願いします。

【2015年2月6日放送分 出演アーティスト】
ジャニーズWEST「ズンドコ パラダイス」
三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE「Eeny, meeny, miny, moe!」
JUJU「Hold me, Hold you」
西内まりや「7 WONDERS」
大原櫻子「瞳」
SMAP「華麗なる逆襲」
私立恵比寿中学「金八DANCE MUSIC 〜MステSPヴァージョン〜」

【2015年2月13日放送分 出演アーティスト】
NMB48「Don’t look back!」
家入レオ「miss you」
きゃりーぱみゅぱみゅ「もんだいガール」
槇原敬之「Fall」
渋谷すばる「記憶」
SMAP「ユーモアしちゃうよ」
MAN WITH A MISSION「Seven Deadly Sins」

【2015年2月20日放送分 出演アーティスト】
miwa「360°」
SKE48「コケティッシュ渋滞中」
私立恵比寿中学「放課後ゲタ箱ロッケンロールMX 〜MステSPヴァージョン〜」
morioni「サヨナラは歩き出す」
舞祭組「やっちゃった!!」
LOVE PSYCHEDELICO「Last Smile」
嵐「Sakura」

【2015年2月27日放送分 出演アーティスト】
GENERATIONS from EXILE TRIBE「Sing it Loud」
AKB48「Green Flash」
椎名林檎「至上の人生」
NEWS「MR.WHITE」
ももいろクローバーZ vs KISS「夢の浮世に咲いてみな」「Rock and Roll All Nite」
コブクロ「奇跡」
嵐「Sakura」

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