話題のドラマ『○○妻』主題歌、椎名林檎の「至上の人生」からドラマのテーマに迫る!

TEXT BY 恒川めぐみ

○○妻のクールさの裏に潜む、強い意志を携えているのではないか

 なんか、とっても不穏なものを感じるんです。完璧な内助の功で妻が夫を支え、安定した夫婦生活を送っていると思いきや、実は“契約夫婦”だったとか、よくある親せき関係もそれぞれが歯車をくるわせているとか。そもそも“契約結婚”って何よ? 貞淑な妻の過去に何がー! ちっとも心安まる要素がない。言い換えれば、ハラハラさせられっぱなしで、続きが気になって仕方がない。

 そう、これは日本テレビ系 新水曜ドラマ『○○妻』の話。あの大ヒットドラマ『家政婦のミタ』を手がけた脚本家・遊川和彦氏および同制作スタッフによる作品で、柴咲コウが意味深な“○○妻”を演じているんですが、何が不穏かって、柴咲コウの演じっぷり! 穏やかな姿勢でありながら、セリフ回しには悲哀を感じるし、ニコッと笑顔を見せるも瞳の奥はぜんっぜん笑ってないし。この佇まい、椎名林檎が歌う主題歌「至上の人生」にピッタリなんです。

 ダークなトーンの歪んだギター・イントロからスタートし、音数のシンプルなバック・サウンドの上を、サビに向かって熱を帯びていくボーカル。その言葉の端々には椎名林檎特有の息づかいが、曲に尖った躍動感を与えているよう。たぶん○○妻のクールさの裏に潜む、強い意志を携えているのではないか。

柴咲コウさん演じるひかりが林檎を手にしていらっしゃるお姿を思い浮かべていました

 ドラマサイトには「作業中はずっと柴咲コウさん演じるひかりが林檎を手にしていらっしゃるお姿を思い浮かべていました。誰かを愛するとき、時間は歪みます。そうして我を忘れた果てには、ほんとうの自己との邂逅があります。『そこへ至る道を描けたなら、やっとわたしがこのミッションを遂行したことになる』と、考えていました」と椎名林檎はコメントを寄せています。惹かれ合うふたりでも、すべての感情が満たされることはなく、ただ相手の体温に触れるときだけに至上の幸福を感じる。そのときだけに生きていることを実感できる──。そんな想いを「至上の人生」は歌っているように感じるのです。○○妻の固く閉ざされた心の鍵へと通じるテーマなのかもしれませんね。

 表層上の冷たさと、人間の核に潜む熱量。それが大きなウネりとなりドラマを生む。ミステリアスな人間ドラマにピッタリ寄り添った曲であることはもちろん、何よりも演じる柴咲コウと、歌う椎名林檎との精神が見事に交わっているように思えるのです。柴咲コウもシンガーなので、いつか椎名林檎の曲を歌う日も見てみたい……なんて淡い期待を刺激されたのでした。

 それはさておき「至上の人生」のように、○○妻が心から「ただ、あいしているだけ」と言える平穏な日は、さて、訪れるのでしょうか……。

リリース情報

2015.02.25 ON SALE
SINGLE「至上の人生」
Virgin Music

J-150203-FY-0119

[CD]¥1,000+税

詳細はこちら 

椎名林檎『至上の人生』特設WEBサイト


オフィシャルサイト

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