盗作?偶然?ソックリ楽曲はどこまで大丈夫なの?

2015.02.21

TEXT BY 村上ひさし

◎グラミー賞受賞アーティストも騒ぎに……

 先日のグラミー賞で4冠を成し遂げたサム・スミス。日本でも一気に知名度が上昇しましたよね。ソウル界の大御所ディーバ、メアリー・J.ブライジと同じステージに立って互角に競演したのも印象的でした。その曲「ステイ・ウィズ・ミー」ですが、グラミー授賞式を前に、ちょっとした盗作騒ぎになったのをご存知でしょうか。
 というのは、サムの「ステイ・ウィズ・ミー」がトム・ペティの1989年発表の「アイ・ウォント・バック・ダウン」の盗作ではないかというもの。確かに聴き比べてみると、メロディもコード進行もほとんど同じというくらいソックリ。そこでトムの関係者がサム側に連絡を入れると、サムの方は「トムの曲は耳にしたことがないのでまったくの偶然」であるとした上で、確かに「曲を聴いたら似ている」ので「アイ・ウォント・バック・ダウン」の作者であるトム・ペティとジェフ・リン(ELO)の名も共作者として付け加えることで同意。つまり著作権料として12.5%を支払うことで一件落着したというわけです。ただし、トムとジェフは新たに書き下ろしたわけではないのでグラミーの対象にならないとのこと。しかし、大人の解決でなにより。しかも、この一件に関するトムのコメントがまた素晴らしく大人の対応だったのです。
「ひと言言わせてもらうと、サムに対してはまったくわだかまりはないよ。長年にわたって曲作りをやってると、こういうことが起こるのは知っている。大体はスタジオから出て行く前にわかるけど、今回はすり抜けた。(中略)裁判なんてこと、口にしたこともなければ、毛頭考えたこともなかったよ」

◎揉めて裁判沙汰になってしまったケース

 それとは逆に、裁判に発展したのが昨年のグラミー賞で多数ノミネートされたロビン・シック。彼の「ブラード・ラインズ〜今夜はヘイ・ヘイ・ヘイ♪」はマーヴィン・ゲイの曲からインスピレーションを得たとロビン自身も認めていたら、それが仇となったのかマーヴィン・ゲイの遺族から訴えられるハメに。そのマーヴィン・ゲイの曲とは「ガット・トゥ・ギヴ・イット・アップ」。この事例に関しては“サウンドのフィーリング”がどこまで盗用と見なされるかがポイント。「レコーディング時にはアルコールと薬で舞い上がっていた」として、全ては共作者でプロデューサーのファレル・ウィリアムスの仕業だと今頃になって言い出しているロビン。この曲で掴んだ大成功とはいえ、その後の盗作疑惑に離婚に、最新作が大コケと、踏んだり蹴ったりです。

◎マドンナ×レディー・ガガ

 マドンナとレディー・ガガの確執のきっかけが生まれたのも、盗作疑惑を巡る事件。レディー・ガガの「ボーン・ディス・ウェイ」が1986年発表の「エクスプレス・ユアセルフ」に酷似していると話題になった時、ガガは「マドンナからは応援のメールをもらっている」と弁明。ところがマドンナ側は一切知らないと完全否定。裁判沙汰にはならなかったものの、新旧2大ディーバの溝はいまだ埋まらぬままのようです……。

◎作っている人が同じだったせいで……

 ビヨンセとケリー・クラークソンにも盗作疑惑が浮上したことが。ビヨンセの「ヘイロー」とケリー・クラークソンの「オールレディ・ゴーン」というこの2曲、リリース時期も近ければ、雰囲気やリズム・トラックもソックリ。ところがフタを開けてみると、どちらの曲にも関わっていたのが、共作&プロデューサーであるライアン・テダー。彼自身は「似ていないよ」と主張しているけれど、ケリーはこの曲をライブで歌う際には、ビヨンセの「ヘイロー」を混ぜ込んだりしてギャグにしているほど。それくらい余裕がなきゃアーティストって務まらないですよね。

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