元バンギャが語る!ビジュアル系バンドの女性ファン同士の上下関係

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とあるインディーズ・ビジュアル系バンドのファンのお話……

尖った前髪、黒々としたアイ・メイク、リングやピアスの重ね着け……ビジュアル系といえば、そんなアングラ感漂うスタイルを思い浮かべる人が多いのでは。「バンギャ(バンドギャルの略)」と呼ばれる熱心な女性ファンもバンド・メンバーのような派手な格好を好む個性的でパンチの効いた女の子たちだが、元バンギャの女子大生・愛美さんによると、そんなバンギャたちの人間関係はかなり体育会系なのだとか……。

「もちろん、そういう上下関係がすべてのバンドにあるわけじゃないですよ。でもマイナーなバンドのファンはそういうシステムをとってるところが多いですね」

え、ファン同士にシステム……? 詳しく教えてください!

「私が一時期通ってたバンドには、ハルナさん(仮名)というバンドの“仕切り”がいて、どのライブでもハルナさんが最前列のセンターって決まってました。スタッフとかじゃなくて普通のファンですよ。センター以外の最前列は、ハルナさんの指名で誰が行くか決まる感じです。“○○ちゃんはこの前、舞台左側だったから今日は右側で”みたいな。初めてそのバンドのライブ行ったときは友達の紹介でハルナさんに挨拶を済ませたので、私も最前に入れてもらいました。バンドのワンマン・ライブやメンバーの誕生日イベント時にも、ファンみんなからメンバーに花束を送ったり、お揃いのTシャツを用意したりっていう計画をしてくれました」

毎回最前列のセンターって……ハルナさん恐るべし。というか、ちょっとやりすぎなのではという気もするが、それがルールならばそれに従うのが普通なのだとか。まさに郷に入っては郷に従えということですね……。でも、「そんなルール守ってらんねーよ」って子たちもいるんじゃないの?

「いるかもですけど、他のファンに恨まれたりすると、自分のTwitterに鍵付きで載せてるプライベートな写真をネットで晒されたり、ありもしない噂流されたりする世界なので、極力目立たないように行動するのがいちばん賢いですね」

体育会系システムだからこそ生まれる秩序

な、なるほど……。そういう恐ろしい力によって成り立つ上下関係なのか。どうしてマイナーなV系バンドにこのようなシステムが見られるのかについて愛美さんはこう解説する。

「アイドル要素の強いバンドだとなおさらですけど、基本的にV系ってファンは女だけなんですよ。女だけの世界、しかも憧れの男性が絡むとなると、どうしてもギスギスしますから、できるだけバンギャがみんなで楽しくやっていくために自然と生まれたシステムなんじゃないですかね」

たしかに、誰かがルールを破りさえしなければ、部活やサークルのようにみんなで好きなことを共有できるこのシステムは案外優秀なのかも。それにしても、ハルナさん的ポジションがおいしいのは確かだ。ハルナさんポジションになるためにはどうすれば……? これには初期からのファン「古株」であることはもちろんだけど、年齢もある程度上でなくてはいけないらしく、大体20代後半から30代というのが一般的らしい。

仕事も忙しいであろう年齢で、ハルナさんのような精力的な活動ができるのは本物のファンのはず。おいしい思いをするにはなるにはそれだけの努力と愛情が必要ということだ。本当によくできたシステム……。バンギャの世界は奥が深い!

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