子供だけのおもちゃじゃない!レゴ×音楽のAWESOMEな関係

2015.02.05

TEXT BY 齋藤奈緒子

アカデミー賞主題歌賞にもノミネート

 2月23日(日本時間)に、ついに発表される第87回アカデミー賞。音楽ファン的には、作品賞以外に主題歌賞も気になるところですが、ノミネート作品の中でも注目は、全編おもちゃのレゴブロックで作られた、大迫力のCGアニメーション映画『LEGO ムービー』主題歌の「Everything Is AWESOME!!!」(ティーガン&サラ feat.ザ・ロンリー・アイランド)。ミュージック・ビデオにも、映画の名シーンからミュージシャンのそっくりレゴまでが登場し、最高ににぎやかで楽しいコラボとなっています。

 ティーガン&サラはカナダの双子の女子デュオ、ラップ担当のザ・ロンリー・アイランドは『サタデー・ナイト・ライブ』出身のコメディアン。それぞれがレゴ・キャラ化され、鉛筆の先にくっつけられチョコまみれにされ、セロテープでぐるぐる巻きになっております。「AWESOME」は「最高!」という意味で、“夢見るって最高! チームってクール!”という歌詞も、たくさんのパーツで成り立っているレゴらしいメッセージです。

 というわけで今回は、子供のおもちゃと侮るなかれ、レゴが使われた傑作ミュージック・ビデオの数々をご紹介。カラーとパーツが豊富で、自由に作って壊して動かして……と、その可能性をフル活用した映像表現をお楽しみください!

多くの賞を受賞した、レゴMVの決定版

 レゴを使ったミュージック・ビデオといえば、このザ・ホワイト・ストライプス「Fell In Love With A Girl」(2002年)抜きには語れません。監督は、奇想天外な稀代のアイデア・マン、映像作家/映画監督のミシェル・ゴンドリーで、冒頭のレゴで遊んでいる子供も彼の息子。撮影に使われた大量のレゴはすべて自腹で購入、15人のアニメーターをもってしても、完成に6週間以上かかったそう。苦労の甲斐あってMTVビデオミュージックアワードで3冠を受賞、ホワイト・ストライプスとゴンドリーそれぞれの代表作となりました。

バイオレンス! 銃撃戦! ダークでハードなレゴMV

 レゴで表現できるのは、ポップでカラフルな世界だけじゃない! という例が、このロンドンが拠点のインダストリアル・メタル・バンド、ザ・デイファイルドの2014年のミュージック・ビデオ「Infected」。ボーカルのスティッチ・Dいわく、「アニメならなんでも可能だろ。ヘリコプターが欲しくても何も問題ないし、でかいマシンガンを積んだジープだって“ああ、いいねぇ”てなもんだ」。というわけで、楽曲に負けないハードでバイオレントなレゴ・ビデオが完成! どんなにリアルなCGより、表情も動きもごくシンプルなレゴのほうが、胸に迫るものがあるのが不思議です。

ちなみに本物のデイファイルドはこんな人たち。髪の毛&ヒゲの表現に注目。

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再現率に震える…実写MVをまるごとレゴ化

 最後にご紹介するのが、イギリスの超人気シンガー・ソングライターのエド・シーランの、全世界で400万枚を超える大ヒットとなったデビュー・アルバム『+(プラス)』からシングル・カットされた、「Lego House」のレゴ・バージョンビデオ(2013年)。この「Lego House」には、元々実写版のミュージック・ビデオがあって(画面右)、それをすべてレゴで再現したものが画面左。背景やライティングまで、その細かすぎる再現率は驚異的! 歌詞は、ふたりの関係をレゴみたいに作り直せたらなあ……と後悔する切ないラブ・ソングなので、じゃあレゴでビデオごと再現してみよう! となったのでは。
 ちなみにこの実写ビデオは、エド・シーランに憧れすぎた男が、現実と妄想の区別がつかなくなっていくという物語で、主演は映画『ハリー・ポッター』のロン役でもおなじみ俳優のルパート・グリント。最後にステージから引きずり降ろされたルパートとすれ違うのが、本物のエド・シーランです(まあ、レゴだと顔同じなんですが)。自分の創造の世界をどんどん具体化できるのがレゴで、現実もレゴみたいに作り変えたかった……そんな彼の胸中を思うと、なんとも切ない作品であります。

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