音楽ブロガーがあの番組をウォッチ!月刊 レジーのMステ定点観測 〜2014年12月放送分[前編]〜

2015.01.03

音楽ブロガーがあの番組をウォッチ!月刊 レジーのMステ定点観測 〜第8回 2014年12月放送分[前編]〜

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レジー(音楽ブロガー)

8回目となるMステ連載。12月は年末恒例のお楽しみ、“スーパーライブ”が26日に放送されました。ある意味紅白歌合戦以上に豪華な出演者がずらりと並ぶ約4時間の生放送です。

今回はこのスーパーライブを肴に、2014年のJ-POPに関する出来事をざっくり振り返ってみたいと思います。

今年の出世頭、生放送ならではのトラブル:SEKAI NO OWARI

まず最初に、生放送で行われるこの番組ならではのトラブルから。2014年はますます支持を拡大し、ついに日産スタジアムでのライブも決まったSEKAI NO OWARI。もはや「一部の若者に人気」というレベルではないところまで来た感じがあります。大晦日の紅白歌合戦に向けて勢いを付けるべくスーパーライブに登場しましたが、なんとDJ LOVEがインフルエンザでダウン! 急遽アコースティック・セットにアレンジし直した「Dragon Night」を披露しました(当日の突貫アレンジで対応したとのことです)。本来はEDMテイストのこの曲がアコギとアコーディオン主体に生まれ変わっていましたが、個人的には余計なお化粧をしていないこっちのバージョンのほうが好きかも。

世界に羽ばたくJ-POP:BABYMETAL、Perfume、きゃりーぱみゅぱみゅ

「クールジャパン」と無邪気に言うのは少し恥ずかしいですが、日本のポップ・ミュージックが海外で受け入れられる状況というのはなかなか楽しいものがあります。スーパーライブにもそんな現象の最前線にいるアーティストたちが多数出演しました。いまや欧米の大物メタルアクトとフェスで共演するまでになったBABYMETALは代表曲「イジメ、ダメ、ゼッタイ」を披露。もはや貫禄がありますねこの人たちは。この曲はX JAPANの「X」(発表当初はバンド名も「X」でしたね)のオマージュという側面もありますが、一緒に出演していたYOSHIKIはベビメタのパフォーマンスをどのように見たのでしょうか。Perfumeときゃりーぱみゅぱみゅはそれぞれがワールド・ツアーを成功させ、「グローバルスター」としての道を歩み始めたように思います。この日披露した「Cling Cling」と「ファミリーパーティー」は、クールビューティーな女性を志向するPerfumeと現代の日本のかわいさを体現するきゃりーちゃんのコントラストがよくわかって面白かったです。どちらも全く違った路線を取りながら世界中の人に受け入れられてほしいですね。

アイドルブームと言うけれど:AKB48、乃木坂46、ももいろクローバーZ

「もう終わり」と言われながら今年もたくさんの女性アイドルグループが活躍した日本の音楽シーンですが、今回のスーパーライブに登場したのはAKB48、乃木坂46、ももいろクローバーZの3組のみ。「アイドルブーム」と言いつつも、マスメディアで幅広い層にアピールしている人たちとなるとこの辺のグループに限られるんだなあと実感するラインナップでした。AKB48とももクロは共に国立競技場公演を成功させ、乃木坂46も明治神宮球場でライブを行うなど「規模の拡大競争」は一旦終着点までたどりついた感があります。今後は「量」ではなく「質」をどう担保していくか、というフェーズに突入するのではないでしょうか。ももクロがこの日パフォーマンスした中島みゆき作の「泣いてもいいんだよ」が元気で押しまくるというよりは歌とダンスをちゃんと見せていこうという意思が込められている楽曲になっていたり、AKB48がメドレーで披露した「恋するフォーチュンクッキー」「ラブラドール・レトリバー」が古き良きポップスの意匠を取り入れた作りになっていたりするのも「持続可能なアイドル像」を目指した取り組みなのかなと思います。乃木坂46の「何度目の青空か?」もグループが持つ清楚さがうまく引き出されている息の長そうな良曲で(それゆえ発売タイミングでのスキャンダルは残念でしたが)、グループ本来の魅力と正面から向き合ったこういう感じの楽曲がさらに増えていくとうれしいです。

大人ジャニーズの時代:SMAP、TOKIO

この日出演したジャニーズ事務所のグループは計9組。女性アイドルシーンが「どうやって年を重ねていくか」という問いに徐々に直面しつつあるのとは対照的に、男性アイドルの牙城であるジャニーズの人たちは、加齢と共に新しい魅力を開花させていくというモデルを確立したような感じがあります。その先頭に立つのがSMAPとTOKIOの2組。「平均年齢が40歳を迎えてもアイドルはアイドル、でも40歳なりの魅力を放つアイドル」という文字にするとなにか矛盾しているような概念を平然と同居させているのがこの人たちの凄いところ。真っ赤なコートをまとって登場したSMAPは3曲のメドレーを披露しましたが、「Joy!!」の“無駄なことを 一緒にしようよ”“あの頃の僕らを 思い出せ出せ 勿体ぶんな 今すぐ Joy!! Joy!!”、「Dear WOMAN」の“今日も君が君らしく青空の下で輝いている きれいだね 君こそ我が誇り Dear WOMAN”、どれも歌詞の説得力が半端ない。いろいろな経験を経て大人になったアイドルだからこそ上滑りせず歌えるポジティブ・メッセージは感動的ですらあります。TOKIOは演奏前のトークで「今年は夏フェスに出演して……」と語っていましたが、従来のアイドルというものの枠をSMAPとはまた違った形で拡張していっているのが頼もしいです。この日は今年リリースの「LOVE, HOLIDAY.」とデビュー曲の「LOVE YOU ONLY」を披露しましたが、「LOVE YOU ONLY」のちょっと恥ずかしい歌詞も今では男らしいラブソングに聴こえてくるから不思議。

前編はここまで。後編も引き続き、スーパーライブと2014年の振り返りをお送りしますのでお楽しみに。2015年1月4日(日)の配信をお待ちください!

【12月5日放送分 出演アーティスト】
SKE48「12月のカンガルー
JUJU「ANNIVERSARY/JUJU」
関ジャニ∞「がむしゃら行進曲」
三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE「O.R.I.O.N.」
miwa「月食 ~winter moon~」
平井 堅「ソレデモシタイ」
木村カエラ「sonic manic」

【12月26日放送分 出演アーティスト】
ももいろクローバーZ「泣いてもいいんだよ」
Hey! Say! JUMP」「ウィークエンダー
きゃりーぱみゅぱみゅ「ファミリーパーティー」
Kis-My-Ft2「光のシグナル」
秦 基博「ひまわりの約束」
SEKAI NO OWARI「Dragon Night(アコースティックver.)」
E-girls「Highschool♡love」
BABYMETAL「イジメ、ダメ、ゼッタイ」
KAT-TUN「In Fact」
Perfume「Cling Cling」
miwa「君に出会えたから」
aiko「あたしの向こう」
三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE「R.Y.U.S.E.I.」
ポルノグラフィティ「俺たちのセレブレーション」
倉木麻衣「Secret of my heart」
Sexy Zone「君にHITOMEBORE」
いきものがかり「GOLDEN GIRL」
西野カナ「Darling」
キング・クリームソーダ「ゲラゲラポーのうた」
Dream5「ようかい体操第一」
キング・クリームソーダ&Dream5「ゲラゲラポーのうた」
ゴールデンボンバー「女々しくて」
乃木坂46「何度目の青空か?」
AKB48「希望的リフレイン「ラブラドール・レトリバー」「ポニーテールとシュシュ」「恋するフォーチュンクッキー」
SMAP「Joy!!」「Dear WOMAN」「Top Of The World」
神田沙也加「雪だるまつくろう「生まれてはじめて」
May J.「Let It Go ~ありのままで~」
神田沙也加「生まれてはじめて(リプライズ)」
ゆず「雨のち晴レルヤ」
Superfly「愛をからだに吹き込んで」
関ジャニ∞「キング オブ 男!」
コブクロ「今、咲き誇る花たちよ」
JUJU「ラストシーン」
TOKIO「LOVE, HOLIDAY.」「LOVE YOU ONLY」
椎名林檎「NIPPON」
KinKi Kids「愛のかたまり」
L’Arc~en~Ciel「EVERLASTING」
浜崎あゆみ「M」「Last minute」
X JAPAN「紅」「Forever Love」「Rusty Nail」「Hero」
Mr.Children」「365日」「足音 ~Be Strong」
嵐「GUTS !」「迷宮ラブソング」「誰も知らない」
B’z「有頂天」
EXILE TRIBE「24WORLD」
EXILE「NEW HORIZON」

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