グラミー賞候補から読み解く“2014年中に知っておくべきイイ曲”

TEXT BY 村上ひさし


このアーティストを知らないと恥ずかしい?

2014年に流行った洋楽と言えば、やはりファレル・ウィリアムスの「ハッピー」やアリアナ・グランデの「プロブレム」、それに『アナ雪』の本家“レリゴー”(イディア・メンゼルの「レット・イット・ゴー」)あたりですよね。でも日本ではいまいちブレイクしきれていないものの、ガツーン!と来年来そうなアーティストや曲って、まだまだいっぱいあるんです。ちょうどグラミー賞のノミネートも発表されたので、それを元に“2014年知っておくべきイイ曲”を紹介したいと思います。

グラミー賞が他の賞と大きく違うのは、音楽関係者や制作者が選考するという点。人気のありなしや売れ行き、チャートで1位を何週取ったからというのが基準ではないのです。ポイントとなるのは“いかに素晴らしい曲か”と“どこまで革新的か”などの同業者による純粋たる尊敬の念。それが根底にあるので最も権威のある音楽賞と言われるわけで、だから年配のベテラン・アーティストには寛容な反面、ポップ系やアイドルには厳しかったりもするのですが。

例えば今年の候補者を見ても、アリアナや“レリゴー”は主要部門の選外。でも代わりにテイラー・スウィフトがしっかり入っているのは、既にアルバムを5枚も発表している実績者であり、バックグラウンドにカントリーがあり、さらに自分で曲を書くというのも大きいはずです。

2015年の活動が楽しみな新人たち

新人でもメーガン・トレイナーやイギー・アゼリアは主要部門に入選。前者は“自分の体型に自信を持ちなさい”というメッセージ性を持ち、ドゥー・ワップなどのユニークなサウンドを取り入れた点が評価されたのではないでしょうか。後者はエミネム以来の成功を手にした白人ラッパー、しかも希少な女性のラッパーですから期待も込められているはず。メーガンのデビュー作『Title』の国内盤は2015年リリース予定で、イギーのデビュー作『リ・クラシファイド』は12月にリリースされたばかり。両者とも、まだまだ日本ではこれからです。

同じくやっと『1000フォームズ・オブ・フィアー』の国内盤がリリースされたばかりのシーアも主要部門で大健闘。ポッと出の新人のように思われるかもしれないけれど、実はリアーナ、ビヨンセ、ブリトニー・スピアーズ、クリスティーナ・アギレラなどに曲を提供してきた大ベテランです。

言わずもがなの本命! ファレル、ビヨンセ!!

さて、ここから本命なのですが、ファレル・ウィリアムスに関しては去年のダフト・パンクとのコラボなどでも受賞しているので2年連続の快挙です。しかも最多6部門。並んで最多候補に挙ったのがビヨンセ。突然配信のみ(しかも全曲ビデオ付き)のリリースで驚かせ、話題性ばかりが先行していたけれども、ヒット狙いの作風とは違う、重厚な力作が評価されたのは、さすがグラミー賞です。

そんなふたりに負けるものかと、新人ながら最多候補で並んだのがイギリス人のサム・スミス。主要部門の全てに挙がっているので、数年前のアデルのように総ナメの可能性も。彼のデビュー・アルバム『イン・ザ・ロンリー・アワー』の国内盤も2015年1月のリリースで、2月にはショーケース来日も予定されているので、来年最初の話題の人となりそうです。

その他、意外なところではベックへの評価が高かったり、日系の女性R&Bシンガーのジェネイ・アイコがきちんと認められていたりします。後者はニュー・エイジ・ソウルとでも呼びたい独自のサウンドで頭角を顕してきた新人。個人的にはポジティブ・メッセージの込められたケンドリック・ラマーの「アイ」もお薦めです。

そして最後にコレ。ビデオ部門でノミネートに挙ったのがDJスネーク&リル・ジョンの「ターン・ダウン・フォー・ホワット」。映像のインパクトもすごいけど、2014年のEDM系のサウンドを集約するヒット。イイ曲というのとは少し違うかもしれないけれど、知っておくべき1曲ではないかと。

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