音楽ブロガーがあの番組をウォッチ!月刊 レジーのMステ定点観測 〜11月放送分〜

音楽ブロガーがあの番組をウォッチ!月刊 レジーのMステ定点観測 〜第7回 2014年11月放送分〜

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レジー(音楽ブロガー)

その月に放送された『ミュージックステーション』をネタにしてJ-POPの最近の出来事についてお届けする当連載も今回で7回目。11月の放送は21日と28日の2回だけでした。今月は前後編なし1本勝負でお送りします。

Mr.Children、Sexy Zone、AKB48、KinKi Kids:「オリコンチャート」と「アイドル」を巡るきわどい話

11月19日に同時発売されたMr.Childrenの「足音 ~Be strong」とSexy Zoneの「君にHITOMEBORE」。1994年6月リリースの「innocent world」以来30作連続オリコン1位という記録を持つモンスター・バンドにジャニーズが挑む形となりましたが、チャート・アクションで勝利したのはセクゾ。「一般流通するCDだけでも5種類、さらにSexy Zone Shopでの限定盤が3種、ついでにミュージックカードが12種」という一度聞いただけでは意味がわからない販売方法でミスチルの偉大な記録を止めたということもあり、「ジャニーズは何を考えてるんだ」「特典なしCDのみのチャートを作らないオリコンが悪い」「そもそもCDが売れない時代だからこれはこれで仕方ない」といったいろいろな声がネット上に溢れました。

21日の放送ではそんな話題の渦中にいるMr.ChildrenとSexy Zoneが同時出演しました。新曲「足音 ~Be strong」「Melody」の2曲を披露したミスチル。バンドサウンドとストリングスがきれいに融合したアレンジが素晴らしい「Melody」はここ数年の彼らの曲の中でダントツに好きです。トークパートでは「気になるアーティスト」としてゲスの極み乙女。を挙げて最近のトレンドにも自覚的であることを披露した桜井和寿、今年はウカスカジーとしてたくさんのイベントに出演したり、ひとりでTRICERATOPSのライブに参加したりと外部からの刺激を積極的に取り入れた1年だったように思います。発売が待たれる次のアルバムにどう生かされるのか楽しみです。

もう一方の当事者であるSexy Zone、「君にHITOMEBORE」は曲中の「好きなんだよ、マジで!」というシャウトが印象的ですが、この曲は中島健人が主演するドラマ『黒服物語』の主題歌。ドラマの宣伝で当日放送予定のキスシーンについて話すことになった中島、「初めてのキスシーン」という説明に対してタモリから「仕事が初めてのキスってのはつらいね」というちょっと勘違いした突っ込みを受け、「仕事では初めて……いや、もちろん昔お母さんとキスしたことはあって……」と完全にしどろもどろに。「キスなんて知らない男の子」というイメージを守らないといけないジャニーズアイドルの大変さが垣間見えました。

21日の放送には「オリコンチャート論争」では何かと話題になるAKB48もミスチル、セクゾと並んで出演していました。選抜メンバー32人全員で披露された「希望的リフレイン」(こちらも発売初日に100万枚達成という相変わらずの爆発力)、僕の好きなメンバーも結構出ていたもののさすがに画面に映る時間が少なく個人的にはやや消化不良。渡辺麻友がこの曲について「シングルとしては久々に王道のアイドル・ソング」と説明していて「あ、こういうのを“王道”と認識してるんだな」となかなか興味深かったです。ちなみにaikoのトーク・コーナーの流れで「女の友情と恋愛」的な話題を振られた指原莉乃が「私はばれないようにやる」と2年前のスキャンダルを思い出させるような回答をしていました。セクゾのキス話も含め、この日はきわどい話題が多かったですね。

28日に出演したKinKi Kidsも「デビューからのシングル首位連続作品数(34作)」というオリコン絡みの記録を持っていますが、この日披露されたのは来月に発売されるアルバムに収録予定の「SPEAK LOW」。堂島孝平作のファンク・チューンに堂本剛の艶のあるボーカルと堂本光一の骨っぽい歌声が重なるこの曲、かなりかっこいいです。デビューの頃から憂いやアンニュイなムードを漂わせた楽曲で魅力を発揮してきたキンキ、大人になってますますその路線との相性が強化されてきているのかもしれないなあ。アルバム聴いてみよう。

ゲスの極み乙女。、KANA-BOON:今どきのロックバンドの風景

28日の放送には「今年最も大躍進したロックバンド」というくくりでゲスの極み乙女。、KANA-BOONが出演。「VS LIVE」というコンセプトで、このふたつのバンドが向かい合って順番に演奏しました(演奏後も同じ立ち位置で相手のパフォーマンスを見守るという演出は今まであまりなかったような)。ゲスの極み乙女。はアルバム『魅力がすごいよ』のリード曲でもある「デジタルモグラ」を、KANA-BOONは最新シングルの「シルエット」を披露。複雑な要素を積み上げてポップな音楽を提示するゲス、わかりやすいメロディと勢いの良さが印象的なKANA-BOON、2バンド続けて聴くことでそれぞれのバンドの特徴がクリアになって面白かったです。気になったのは彼らを取り囲んで盛り上がるオーディエンス。「手をあげて」「一定の動きをして声を出す」というのが歌番組における「ロックバンドファン」の定型フォーマットになっている気がしますが、「ロックに対してはこうやって盛り上がろう」という提示が画一的になっているのはなんとなく気になります。先月Mステに出演したサカナクションの「オーディエンスを体育座りさせて演奏する」というのは相当なチャレンジだったのだなと改めて実感。

12月のMステは、通常放送に加えて年末のお楽しみ「スーパーライブ」も控えています。出演者も一部発表されましたが例年通り「今年の顔勢揃い」という感じになりそうですので、当連載でもがっつり取り上げつつ2014年を振り返れればなと思っています。それでは次回もよろしくお願いします!

【11月21日放送分 出演アーティスト】
いきものがかり「GOLDEN GIRL」
Sexy Zone「君にHITOMEBORE」
AKB48「希望的リフレイン」
Superfly「愛をからだに吹き込んで」
aiko「あたしの向こう」
Mr.Children「Melody」「足音 〜Be Strong」

【11月28日放送分 出演アーティスト】
e-girls「Mr.Snowman」
渡辺美優紀「やさしくするよりキスをして」
AKB48「希望的リフレイン」
西野カナ「恋する気持ち」
家入レオ「Silly」
KinKi Kids「SPEAK LOW」
ゲスの極み乙女。「デジタルモグラ」
KANA-BOON「シルエット」

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