一生賭けて愛することのカッコよさを歌う、植田真梨恵の素直な想いが溢れた新作!

一生賭けて愛することのカッコよさを歌う、植田真梨恵の素直な想いが溢れた新作!

植田真梨恵

8月にシングル「彼に守ってほしい10のこと」でデビューを果たした植田真梨恵が、2 ndシングル「ザクロの実」をリリースした。収録された3曲とも“別れ”がテーマ。独特の伸びやかと激しさを兼ね備えた歌声で歌う、彼女ならではの詞世界が心の涙腺に響くはずだ。

INTERVIEW & TEXT BY 大前多恵


一生賭けて愛することのカッコよさを今は歌いたい

──3曲すべてに喪失感が表現されていて、植田さんの根底にあるカラーが色濃く出た作品だと感じました。

植田真梨恵 2011年ごろから、西村(広文)さんと2人でのピアノ・ライブを始めているんですね。その編成の時にも映えるような、ピアノを主体にした1曲を、と思ったところから、「ザクロの実」を書き始めました。

──ザクロという果物は、どこかグロテスクで毒を感じさせるようなところがあり、イメージ喚起力が強烈ですよね。植田さんはどんな想いを投影したんですか?

植田 何も考えずに、感覚的に作っていてポッと浮かんできたのが、“ザクロの実が”という冒頭のワードで。メロディーも一緒に書いていったんですけど、すぐ次の言葉が“ふたつに割れた”だったんですよ。

──その画がまずは脳裏に浮かんで、そこから物語が広がって行く感じだった?

植田 そうですね。ただ、書いた後に読み返してみると……“はんぶんずつをじょうずに食べた”と続くんですけど、恋愛において、そういう姿勢やあり方にすごく憧れがあるんだな、とは思いましたね。ひとつのものを半分に分けあったりしているうちに、(相手が)自分自身の半分のような存在になっていって、2人でひとつである、というか。そういう部分にすごく引かれるんだと思うんです。でも、それって乙女チックで、ちょっと恥ずかしくて。 

──どうして恥ずかしいんですか? ステキじゃないですか!?

植田 ステキだと思うからこそ、“植田真梨恵ってそんな乙女なこと考えているんや?”と思われそうで(笑)。ソウル・メイトという言葉も大好きですけど、それを堂々と人に言うのは恥ずかしい。でも、感覚に任せて書いたので、たぶんそういうところが素直に出たのかな? と思います。

──相手を自分自身の半分のように感じる、という間柄になるのは、かなり本気の恋愛ですよね? 

植田 そうだと思います。でも、やっぱり本気の恋愛が良くないですか?(笑)。

──たしかに(笑)。そういう関係性にしか、曲にすべきものを見出せない、というところもあります?

植田 今はそう思っていますね。私自身、永遠だとか、何か大きな希望みたいなものをなんの疑いもなく夢見ることが、実はすごく苦手なんですよ。大人になるにつれて現実的になっていって、そういうものに対して疑いがどんどん出て来てしまって。“所詮、無理でしょう”“綺麗ごとだよね”とか思ってしまうところがあって。でも、永遠であること、ずっと夢を見続けること、といった“自分が本当にステキだと思えるものをちゃんと歌いたい”という想いが、今はすごく強いんです。「ザクロの実」で描いているような、本気の、運命的な、執着深くとも言えるんですけど(笑)、一生賭けて愛することのカッコよさを今は歌いたいな、と思っているんですよね。

──2曲目「ハイリゲンシュタットの遺書」は、“先立ってしまった恋人に向けて書くとしたら”という設定で作られたそうですね。なぜそんな形で書き始めようとしたんですか?

植田 「ザクロの実」も3曲目「朝焼けの番人」も別れを歌っている曲なので、そのテーマで3曲とも合わせたかったんです。その中でも一番つらい、どうしようもならない別れはなんだろうな? と考えると、先立ってしまうことだと思って。でも、みんないつかは死ぬじゃないですか? 今恋人がいる人は誰しも、いつそうなるかはわからないですよね? そういう状況に私がなったらどう思うだろう? という想いから書いた1曲です。

──そう仮定したからこそ見えてくる感情、というのもありましたか?

植田 考えてみると、私にとって“伝えたいこと、共有したいもの”を一番最初に伝えたい人がもういない、会えない、というのが一番つらいかな? と思ったんですよね。だったら、その感覚や気持ちを、いつかまた会えた時に手を握っただけで伝わるぐらいに、全部自分の中に溜めておけたらなって。天国でもいいし、生まれ変わってからでもいいし。そう考えたら前向きになれるんじゃないかな? と、この曲を書いていて思うようになりました。

──生きていてもなかなか会えない恋人同士はいますし、そういう時の切なさを重ね合わせて聴くこともできる、効果的な設定ですよね。極端な曲ではあっても、特殊ではなく普遍性があるというか。

植田 書き終えて、“死”を歌詞の中に絶対に入れないでおこう、とは思っていたので、たしかに、そういう気持ちはあったかもしれないですね。

当時は、今すごくつらいのに、“これで1曲書ける”と思った(笑)

──3曲目「朝焼けの番人」は美しいバラード。歌声も艶やか、ピアノの音も煌めいています。自信作ではありませんか?

植田 リリースして、すごくそう言っていただける機会が多いので、自分としてはビックリしています(笑)。

──資料には、泣きながら書いたとありましたが?

植田 当時はすごくつらかったですけど、今は痛くも痒くもないので大丈夫です(笑)。曲に出来たことで、もう、物語のような感覚に思えているので。心がグラグラと揺れるぐらいつらいことって、そう毎日あるわけじゃないですよね? その瞬間を曲にできたのは、そういう意味ではよかったな、と思っていて。でも当時は、今すごくつらいのに、“これで1曲書ける”と思っている自分がいるということがすごく嫌だったんですよ(笑)。

──でも、生粋の表現者ということでもありますよね?

植田 そう。でも悲しい時ぐらい“ただただ悲しくて何も手に付かない”という状態になりたいじゃないですか? どこかで全然悲しくない自分がいるんだな……と思うと嫌で。まぁ、今ではそういう部分でも割り切れているんですけど(笑)。

──濃密な3曲が揃いましたね。アルバム制作も進んでいるそうですが、そこへ向けた今作の位置づけと言いますと?

植田 “これはこれでいいものを作ろう”という気持ちでいっぱいでしたね。「彼に守ってほしい10のこと」(1stシングル)で歌った光の分だけ、その反対側にある影が感じられるものにしたいな、とは思っていましたけれども。

──光と影の両方を出してこそ、ご自分の全体像が伝わる、ということでしょうか?

植田 実は、1stシングルをリリースした時に……“伝わらなかったかもしれないな”と思ったんですよね。これまで私は、インディーズ時代にたくさんの影の部分を歌ってきたつもりだったんですよ。だから、“これ以上、影ばかり歌わなくていいや”と思って出したつもりだったんですけど、それでは足りない部分があったんだな、と。

──なるほど。“伝わっている”と思っていた影が、意外と届いていなかった、と。

植田 そうなんですよ。“植田真梨恵”で検索してみると、たぶん私みたいなタイプの子が、「(「彼に守ってほしい10のこと」の歌詞を)これは綺麗ごとだ!」とかネットで書いていて。だからこの2ndで、“こんな別れもあるかもしれないし、こんなこともあるかもしれない”ということを、ちゃんとリスクとして出しておきたいな、と。私みたいなタイプの子が納得できるためにも(笑)。

──(笑)。アルバムも楽しみにしています。

植田 曲自体はだいぶ揃ってきていて、今7割ぐらいできています。まだ書きたい曲があるので、久しぶりに生みの苦しみを味わっていますけど、現段階では、いいアルバムですよ!

リリース情報

2014.11.19 ON SALE
SINGLE「ザクロの実」
GIZA studio

J-141114-FY-1425

【写真:CD】¥1,200+税

詳細はこちら


ライブ情報
“植田真梨恵LIVE OF LAZWARD PIANO -青い廃墟-”

詳細はこちら


オフィシャルサイト

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人