韓国音楽シーンの重要なポジションに日本人がいる

TEXT BY 大石 始

新時代の韓国音楽界で中心的な役割を担ってい日本人ギタリストをご存知ですか?

 日本でもK-POPを中心に高い人気を誇る韓国の音楽シーン。ここ数年、ヒップホップやスカなどこれまで日本ではあまり紹介されてこなかったジャンルについてもジワジワと面白くなっていることを前回ご紹介したが、そうした新時代の韓国音楽界で中心的な役割を担っているのが、とある日本人ギタリストだということはあまり知られていないだろう。

 彼の名前は長谷川陽平。10代の頃から東京のアンダーグラウンド・シーンで活動を始めた彼は90年代半ば、とある音源に強烈な衝撃を受ける。それが「韓国ロックのゴッドファーザー」とも呼ばれるシン・ジュンヒョンと、70年代後半に結成された韓国の伝説的ロック・バンド“サヌリム”の音源だった。既成概念を覆すそのサウンドに衝撃を受けた彼はすぐさま韓国へ渡航。その後世界的に注目を集めることになる60~70年代の韓国産サイケデリック歌謡~ロックのレコードを探しあてるために町中を這いずりまわる一方、次第に現地のインディー・ミュージシャンとも交流。気付けば韓国に活動拠点を移すこととなる。

韓国の人気バンドに異例の正式加入

 2000年代初頭の段階でソウル・インディー・シーンの“知る人ぞ知る”存在となっていた長谷川は、2005年になると先述した伝説的ロック・バンド、サヌリムのライブにサポート・ギタリストとして参加。国民的バンドであるサヌリムに日本人ギタリストである長谷川が参加することには賛否両論があったそうだが、メンバーからの支持とその腕前によってサヌリムにとっては欠かすことのできない存在となっていく。

 2009年にはインディー・ロック・バンドとしては異例の人気を集めていたチャン・ギハと顔たちのアルバム『チャン・ギハと顔たち』をプロデュース。同年の韓国大衆音楽賞において主要4部門を独占するという大きな成功を収めた。こちらはチャン・ギハと顔たちの代表曲のひとつである「いわゆるそういう仲」。

 後に長谷川は同バンドに正式加入。現在では名実ともに現在の韓国を代表するロック・バンドの一員として、お茶の間レベルの人気を集めている。

 こちらはリリースされたばかりのチャン・ギハと顔たちの新作『人の心』より、リード曲である「Mine」。

最近ではプロデューサーとしても活躍中

 また、長谷川はプロデューサーとしても活動中で、近年では男女混合パンク・バンド“ルック&リッスン”をプロデュースしている。こちらの映像は長谷川も参加したルック&リッスンのライブ・パフォーマンスを収めたもので、演奏されているのは日本を代表するパンク・バンド“ラフィン・ノーズ”の名曲「Get The Glory」!

 まさに韓国音楽界の台風の目、長谷川陽平。今年の5月には彼が長年の韓国生活で体験した喜怒哀楽エピソードが満載の半生記『大韓ロック探訪記』(DU BOOKS)が出版。日本ではあまり知られていない韓国のディープな魅力を堪能できる内容となっているので、こちらもぜひチェックしていただきたい。

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