過去と現在。そして、今後に繋がるべくして生まれたTM NETWORKオリジナル・アルバム

過去と現在。そして、今後に繋がるべくして生まれたTM NETWORKオリジナル・アルバム

TM NETWORK

30周年を迎えたTM NETWORK。アニバーサリー・イヤーを飾るに相応しい、7年振りとなるオリジナル・アルバム『QUIT30』について、3人に語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 藤井美保


30年のカウントダウンのために

──2014年春のツアーのタイトルが“TM NETWORK 30th 1984~ the beginning of the end”でした。そのときから、ニュー・アルバム『QUIT30』の構想はできていたのでしょうか?

小室哲哉 2012年に「I am」というシングルを制作してるんですね。“30周年に向けて” “30年のカウントダウンのために”という意識は、その頃からありました。『QUIT30』全体の歌詞の意味も含めてですが、実は「I am」のSNSを意識した歌詞が『QUIT30』の始まりになっていたのかなと。 

──タイトルに“[QUIT30]”の付いた組曲に関しては、歌詞もすべて小室さんが手掛けていますね。組曲を作るにあたってのストーリーやキーワードは頭のなかにあったのでしょうか?

小室 どこかで「CAROL」(アルバム『CAROL 〜A DAY IN A GIRL’S LIFE 1991〜』他、メディア・ミックス作品のタイトル)を思い出してほしいなというのはありましたね。26年のときを経て、あのときのメロディや言葉がこうなった……今の僕たちが作る組曲“[QUIT30]”。「CAROL」を彷彿とさせて、何か思い出してくれるといいなと。組曲、いい意味でミュージカルですよね。歌っていうよりシャウトに近い曲と言えるかもしれません。

──小室さんの歌詞のなかに奇しくも“human”が数多く出てきます。人類への警鐘を音楽で鳴らすということを考えていらっしゃいましたか? 

小室 警鐘を鳴らすというよりは、現代を生きるすべての人々への応援の気持ちを込めているつもりです。

“言葉を伝える”のがいちばんのテーマ


──組曲のタイトルには「The Beginning Of The End」(終わりの始まり)という言葉がたくさん出て来ますが、それは地球に思うことと、ご自分たちの世代に思うことを重ねた言葉だったりしますか?

小室 前回のツアー・タイトルでもあるのですが、TM NETWORKを30年やってきて、決してネガティブな意味ではなく“ひとつの節目”という気持ちから出た言葉です。

──宇都宮さんは、組曲の溢れ出てくるような言葉とその雰囲気をどう受け止めて歌われていましたか? 

宇都宮 隆 メロディの動きというよりも、まさに“言葉を伝える”のがいちばんのテーマでした。組曲全体として表現するというのが難しかったですね。すべてが同じでは面白くないから、ちょっとずつ流れを変えたりして。

何かが生まれるだろうという信頼だけ


──とてもホッとするのが「STORY」です。TM NETWORKの足取り、3人の関係性をよく物語っているものとも思えました。木根さんは、この曲をどのタイミングで作られたのでしょうか? また小室みつ子さんには、詞に関して何かリクエストされましたか?

木根尚登 制作を始めたのは今年の春です。その時点で(小室)みつ子ちゃんに歌詞をお願いしようとみんなで決めていました。30年一緒にやってきているのだから、何かが生まれるだろうという信頼だけです。

──今回のレコーディングで印象に残っているエピソードを教えてください。

宇都宮 この時代に敢えて2枚組アルバム。体力的にはかなりキツかったです(笑)。

──『QUIT30』というタイトルについて。“QUIT=辞める、止める、受け取る”という意味があり、30周年のアニバーサリー感は今回で終わり、次へ進むとも受け取れるのですが。

小室 コンピュータを終了するときに使う“QUIT”。シャットダウンと言ってもいいですが、一度そうしないとまた新しいことを始めることができない。再開するときには、また同じボタンを押すわけで。この作品、そして、これからの自分たちを表すのに相応しいタイトルだと思います。

オリジナルのままでやっているのはすごい

──『CAROL 〜A DAY IN A GIRL’S LIFE 1991〜』のセフル・カバーは、このアルバムの当初から考えていたものでしたか? あえてキーもテンポも雰囲気もほとんど同じままカバーされているのは、そこにどういった意味を見出していたからなのでしょうか?

小室 2012年から、デジャブを感じさせる仕掛けをツアーでもやってきました。“[QUIT30]”としてセルフ・カバーを行ったのも、そんな意味合いなんですよ。過去を思い返しながら、現在のテクノロジーでやっていることを感じてほしいと。

──実際カバーしてみて、どういったことを思われましたか?

小室 昔よりも今のほうが、サウンドに声が馴染んでいると感じました。宇都宮くんは不思議な声質の人。

木根 普通はキーを落とすことを考えるのに、オリジナルのままでやっているのはすごいことです。

──ここにきてiTunesで『CAROL 〜A DAY IN A GIRL’S LIFE 1991〜』が急上昇しているとのこと。残してきた素晴らしい作品が若い世代に伝わっていくことは、音楽業界全体の活性化にも繋がると思います。そのあたりは考えていらっしゃいましたか?

小室 数多くのミュージシャン、作曲家、音楽家がいるなかで、僕らが若い世代にとって何かを踏み出すひとつのインパクトになれたのなら、素晴らしいことだと思いますね。

──これを機にTM NETWORKの活動はコンスタントになっていくのでしょうか? 

小室 この10月から、来年までツアーは続くので、まずはそこを楽しんでいただきたいですね。


リリース情報

2014.10.29 ON SALE
ALBUM『QUIT30』
avex trax

J-141029-YS11

[2CD+DVD]¥4,000+税
[2CD]¥3,500+税
[CD]¥3,000+税

詳細はこちら


ライブ情報

TM NETWORK 30TH 1984〜 QUIT30 追加公演
詳細はこちら

TM NETWORK 30TH 1984〜 QUIT30
HUGE DATE アリーナ公演

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30thスペシャルサイト

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