スマホをフル活用した超ビックリアイデアなミュージック・ビデオ

TEXT BY 齋藤奈緒子

 2014年3月の時点で、日本のスマートフォンの普及率は53.5%(総務省調べ)。2人に1人が持っているこのスマホやアプリを使って、今ミュージシャンたちが続々と、アイデアいっぱいのミュージック・ビデオを生み出しています。高画質カメラは撮影に使えるし、小型スクリーンとして何台も組み合わせて使うことも可能。さらには無料通話、メールアプリLINEやInstagramなどの写真共有アプリを使った面白いミュージック・ビデオも登場。私たちにとって最も身近なツールから生まれた、驚きの作品を一気にご紹介します。

iPhone・iPad・iPod・Mac14台を連動! しかも1カット撮影!

◎Brunettes Shoot Blondes「Knock Knock」(2014年)

 こちらは今話題の、iPhone・iPad・iPod・Mac14台を組み合わせて作られたミュージック・ビデオ。ウサギと女の子の追いかけっこが、複数のディスプレイの中でどんどん展開していきます。携帯を入れ替えたり回転させる動きやロック画面と、アニメが完全にシンクロしていて、中でもiPadから落っこちた女の子を、iPhoneの中のウサギがキャッチするところは実に鮮やか! Brunettes Shoot Blondesはウクライナのインディー・ポップ・バンド。このビデオの制作には実質3ヵ月半かかり、14台の端末は友達に協力してもらって集まったとか。しかもこれが1カットで撮影されたというから、いったい何回撮り直したのでしょうか? 心温まるストーリーと、穏やかなアコースティック・サウンドも素敵です。

4K動画撮影対応スマートフォンで全編撮影

◎ゲスの極み乙女。「アソビ」(2014年)

 続いて、auのスマートフォン『isai FL』だけを使って全編撮影されたのがこちら。『isai FL』のCMソングでもある「アソビ」のミュージック・ビデオは、スマホで撮ったとは信じられないハイクオリティ映像。『isai FL』は、2560×1440ドットという国内最高クラスの高解像度ディスプレイで、4Kの動画も撮影可能。その超ハイスペックを活かしつつ、携帯型のキャラクターやストップモーションを使って、カラフルで遊び心にあふれた映像に仕上がっています。メイキング映像では、実際に『isai FL』だけで撮影しているところや、お互いを撮りっこする4人の姿も見られます。

海外歌姫がLINEで歌詞を早打ち!

◎ケイティ・ペリー「Roar」(リリック・ビデオ)日本バージョン(2013年)

 今、世界で5億6000万人が利用している(2014年9月現在)大人気の無料通話&メールアプリ・LINE。このLINEだけでまるまる1本作られているのが、ケイティ・ペリーの大ヒット・シングル「Roar」のリリック・ビデオです。リリック・ビデオとは、通常のミュージック・ビデオとは別に、歌詞を見せるために作られるビデオのこと。LINEを使っているのは日本語訳バージョンで、みんな知ってるスタンプが、歌詞とリンクして次々登場、あのベッキーも特別出演しています。ちなみに本家の英語バージョンでは「WhatsApp」というアプリを使用。お風呂や車で、絵文字いっぱいの歌詞を連打するケイティがキュート。

「Instagram」動画が15秒しかなくたってミュージック・ビデオが作れる!

◎NGHBRS「Hold Up Girl」(2013年)

 ミュージシャンや芸能人などに愛用者が多い、写真共有サイト・Instagram。動画も投稿できるのですが、最大15秒までという制限があり、動きも少しカクカク。でもあえてそれを活かしたミュージック・ビデオがこちら。NGHBRSはアメリカのロックバンドで、「Hold Up Girl」は彼らのデビュー・シングル。演奏中などの映像をいろんな人がInstagramにアップ、それをスクロールすると曲に合わせてキレイに繋がる──というアイデアは、ボーカル/キーボードのイアンのもので、使われているのはドラムのジョーダンの私物iPhone。ウォールストリートジャーナルをして「OK Go以来の最高にクレバーなDIYビデオ」と言わしめています。

 これらのスマホ・ミュージック・ビデオに共通するのは「アイデアの力」。私たちが日頃使っているスマホには、想像力次第で無限の可能性があることに気付かせてくれます。

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