伝統と衝動を受け継ぎながら、図鑑のロックを鳴らす

伝統と衝動を受け継ぎながら、図鑑のロックを鳴らす

図鑑

地元・九州を拠点に活動するロック・バンド、図鑑の2ndアルバム『CO2』。偉大なるロック・レジェンドたちへの敬愛を感じさせながらも、自身の音・言葉で勝負する彼らを見届けよ!

INTERVIEW & TEXT BY フジジュン


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感情の振り幅を広くしたい


──2ndアルバム『CO2』を発売した図鑑。曲からも感じますが、ザ・ビートルズなど、昔ながらのロックの影響を強く受けているんですよね?

平山カンタロウ ザ・ビートルズは大好きですね。小さい頃、親父の部屋に赤盤(『ザ・ビートルズ1962年〜1966年』)と青盤(『ザ・ビートルズ1967年〜1970年』)があって、聴いてみたら古くないどころか、現在の曲と並べても全然負けてないなと思って。そこから分厚い全曲コード・ブックでコピーし始めたら、どこまで掘り下げていってもすごい人たちだなって。

──図鑑も、耳心地いいポップ・テイストのなかに毒や憤りが挟み込まれていたり、ずっと聴き続けられる普遍的な曲を作ろうとする意識の高さが見え、すごくロックを感じましたよ。

平山 ありがとうございます。曲や歌詞のバリエーションがたくさんあるのが図鑑の特徴で、聴き飽きない作品にしたいというのは毎回すごく思ってて。今回、特に歌詞に関しては感情の振り幅を広くしたいと挑んだので、曲ごとに極端なものが作れたと思うし、僕らも満足しています。

4人が手探りでいろんなことに挑戦


──1stアルバム『少年』とは、作品制作への意識の変化もあった?

平山 それまで僕ひとりで活動していて、前作が出来る直前にメンバーが揃ったばかりだったので、1stアルバムは図鑑のバンド・サウンドというよりも、僕ひとりの作品という感じが強かったんです。それから1年くらい活動して、ライブをやったり、たくさん話したりして、僕の曲にみんながいろんなアイデアを出しながら作っていく今作は、やり方も気持ちも前作とは全然違ったんですが……そこで気合いを入れてというよりは「図鑑ってどんなバンドなんだろう?」と4人が手探りでいろんなことに挑戦した感じでした。

マンエユウキ 頭で考えず、4人がやりたいことをどんどん試して、形にしていった感じですね。

みんなにとって必要なものになればいい


──では、実質、この作品が4人で作った初めての作品になるわけですね。アルバムが完成しての感想は?

脇本ヒサシ 実際に録りながらいろいろ試したり、すごく時間もかかったし、大変だったんですけど。完成したときの達成感はすごくあったし、本当にいいものが出来たと思っています。

マンエ 曲が揃ったときも感動してたんですけど、ミックスが終わって「こんなに変わるんだ!」と思って、また感動して。本当にみんなに聴いてほしいアルバムになりました。

──イカイロンくんは完成しての感想は?

イカイロン 僕はフレーズとか何も考えずにレコーディングに挑んだんですけど、クレイジーな感じになってよかったなって。僕は曲をどう破壊してやろうか? と考えていて。

──……えっと、この子は大丈夫?(笑)

平山 あまり大丈夫じゃないので、ヒヤヒヤしながら話を聞いてました。温かく見守っていただけると助かります(笑)。

──ワハハ。今回、『CO2』というアルバム・タイトルに込めた意味は?

平山 “CO2”って悪いものみたいにされてるけど、CO2がないと植物も生きていけないし、僕らも生きていけない。例えば、僕らが一生懸命ライブをやっても、すごい二酸化炭素を吐き出しているわけで(笑)。「希望と絶望の世界」に“呼吸で吸った酸素を 愛っていう二酸化炭素で歌ってみたくなった”という歌詞があるんですが、CO2に愛を込めて吐き出して、それがみんなにとって必要なものになればいいなと思って付けました。

家でひとりで禅を組んでいるような人


──「希望と絶望の世界」は聴き終えたとき、ひとつ作品を象徴する曲だったと思いました。

平山 僕が長崎の出身で、“八月”は平和記念式典を指していて。今までも平和の歌とか作ってきたんですけど、まだ納得していないし、ある意味、失礼に当たるんじゃないか? という遠慮もあったんですが……この曲は自分が思っていること、本当に歌いたいことをうたえて、僕なりの一歩になった曲だと思っています。

──「シンドラーのリフト」「ニセモノはゆく」もですけど、それを歌うことにロック・バンドとしての覚悟を感じました。それぞれ、思い入れの強い曲は?

マンエ 大変だったのは「シンドラーのリフト」ですね。いろいろ考えて、いろんなグルーヴを試しながら、正解を見つけていった感じで。出来上がったときの達成感はすごかったです。

脇本 「シンドラーのリフト」は偶然の産物でギター・ソロがタイミングの違うところで録音されてしまったんですが、それがすごく面白くて。ギター・ソロも聴いてほしいです。

イカイロン 僕は「モンスター」ですね。いちばんクレイジーになれました。

平山 イカイロンは本当に変わってて、お酒も、女の子も一切ダメで、家でひとりで禅を組んでいるような人なんです。

期待度も全然違う


──で、その溜め込んだ物を音楽にぶつけるわけだ(笑)。平山くんは一曲上げるなら?

平山 僕はどの曲も愛してるんですけど、今作に入れてよかったなと思ったのは「夜空のメロディ」。ドゥーワップの曲とか入れてみれば? って軽いノリで作ったんですけど、ラストに入れたらすごくフックになる曲になって。この曲があるとないで、次のアルバムへの期待度も全然違うんじゃないかな?

──うん、ラストで作品の深みやバンドへの興味が一気に広がった気がしました。最後にアルバム以降の夢や目標を聞かせてください。

平山 まずは聴けばきっと気に入ってもらえるような、すごい自信作が出来たので、全国に届けて、たくさんの人に聴いてほしいです。あとは地元の稲佐山(長崎)でワンマンやりたいです。みんな九州出身なので、九州でしっかり伝説残して、全国に挑みたいです!


リリース情報

2014.09.24 ON SALE
ALBUM『CO2』
UP Rise

J-141014-YS01

¥2,315+税

詳細はこちら

オフィシャルサイト

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