【後編】一日の終わりに聴きたい、いきものがかりの新曲の魅力とは?

【後編】一日の終わりに聴きたい、いきものがかりの新曲の魅力とは?

いきものがかり

7月9日にリリースした「ラブソングはとまらないよ」から、早くも新しい両A面シングル「熱情のスペクトラム/涙がきえるなら」が届いた。【前編】に引き続き、【後編】では「涙がきえるなら」について、徹底解剖!

INTERVIEW & TEXT BY 田家秀樹


「熱情のスペクトラム」があったから、この曲を入れようということになった──。

【前編】のインタビューのなかで、いきものがかりの3人は、10月15日発売の両A面シングル曲「涙がきえるなら」についてそう言った。

カラオケで一緒に歌いたくなるようなアニメ主題歌ならではの「熱情のスペクトラム」に対して、優しく包み込むようなバラード「涙がきえるなら」は、テレビのニュース番組のエンデイング・テーマとして耳にした人も多いはずだ。少ないメロディを丁寧に歌い込んでゆく構成は、言葉にならない想いを歌にしているように聞こえる。作詞・吉岡聖恵、山下穂尊、作曲・吉岡聖恵、水野良樹。3人がクレジットされた曲は初めてである。

この曲はどうやって生まれたのだろうか。

何かを押しつけるわけでもなく、優しく聴けるように、それでいて明日に向かってビシッとできる

山下穂尊 2人のクレジットは以前も聖恵の曲でちょっとありましたけど、3人というのは初めてですね。しかもサビもないので、それも面白いと思いますね。

吉岡聖恵 いや、あったんだけどね。

山下 あったんだけど、どっか無理矢理つけた感じがして、あえて抜いてみたら意外と評判がよくて。聖恵は苦労してたけど(笑)。

吉岡 なくなって呆然(笑)。

山下 歌詞も結構悩んでいたんで。良樹にサビなのか付け足すメロディなのかが振られて。僕のほうに歌詞をと言われて加わったのがこれですね。

──そもそもはどういうイメージで書いたんですか。

吉岡 ニュースのタイアップというお話を頂いていたので、1日の終わりに、良いニュースも悪いニュースも流れてくるなかで、何かを押しつけるわけでもなく、優しく聴けるように、それでいて明日に向かってビシッとできるような。曲自体が主張するというより、何気なく入ってくるようなものにしたいと思ってましたね。

──その時は3人の曲ではなかった。

水野良樹 ですね。サビがとってつけたようで合わないかもしれない。Aメロ、平歌の感じが良いんで、そこをメインに再構築を考えよう。水野も山下も入るのがいいんじゃないか。お前らも8年くらいやってるしって、訳の分からないことを言われて(笑)。

──ここは誰が、というのがあるんですか。

山下 ちゃんと分けてますね。さあどうしようじゃなくて分業。“yeah”は良樹。

水野 僕も大サビを作ったんだけどボツになりまして(笑)。“yeah”もあるし要素が多すぎるということで。でも、いい経験になったというと月並みですけど、曲を一緒に作るのって、温度感を共有しないと形は1曲になってもどこか違うものになるんですよ。今回は何度も平歌を聴いてシンクロさせるように作ったんで、それがうまくいきましたね。

山下 聖恵が書いた最初の2行は、ほぼこのままでしたね。タイトルもあった。そこを生かしながら、僕は“「解り合える」と信じたくても”、というのも宗教的な対立とか、もっと身近なことを踏まえながら書きましたね。

吉岡 それはそれは絶妙でした(笑)。でも、出来上がりは自然というか、1日の終わりに心が沈静されるような曲になったと思う。

山下 “yeah”に関しては、どうしたもんかと思って。歌詞を当て込めないよなと。良樹が書いてきたときから“yeah”だったんでそのままで良いかと。

水野 歌詞当てようと思ってなかった(笑)。

山下 サビがないですからね。Bメロも1回しか出てこない。でも、そういうことに縛られない自由さというのがすごくあって、ちょっと解放された感じがありますね。

水野 毎回色んなプロデューサーやアレンジャーの方とご一緒させて頂きますけど、今回、ほんとに亀田さんに預けて良かった。そうじゃないとここには辿りつけなかったですね。曲が本来持っているものを引き出して、その先を見せてくれた。すべてがうまくいってみんなの力で出来ました。

──【前編】では、リーダーが冒頭で特別な意識で組み合わせた2曲じゃないと言ってましたけど、話を聞いてるとそうは思えない(笑)。

水野 そうですね(笑)。象徴的な感じにはなってますね。1曲目が僕の曲で良い意味でも悪い意味でも外向けに作り込んでいて、もう1曲は3人で作ってる。歌の感情的な部分にも入り込んでストーリーで作ってる。今までのいきものがかりとは少し違う気がする。

山下 すごくバランスが良かった。誰か8割、誰か2割とかだと均衡が崩れる感じがするけど、そうじゃないというのが15年やってて初めて。出来るもんだという感じ。でも、良い曲だねって普通に聴いてもらって、クレジットを見てそうなんだって知ってもらうのがいいんだと思いますね。

パチンコ屋さんやスーパーの店内流れているのを聴いてみたい「熱情のスペクトラム」、あえて“言葉にならない想い”を歌にしたような全員参加の「涙がきえるなら」──。

対照的な2曲は、3人が、また新しい扉に手をかけていることを物語っている。


リリース情報

2014.10.15 ON SALE
SINGLE「熱情のスペクトラム/涙がきえるなら」
EPICレコード

J-141002-BA-1356

¥1,165+税

詳細はこちら
オフィシャルサイト

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