海外ミュージシャンが取り入れる「和テイスト」最新事情

2014.10.10

TEXT BY 齋藤奈緒子

海外のスーパースターのミュージック・ビデオには、松本零士や新橋が!!!


 フランスを代表するエレクトロ・デュオ、ダフト・パンクが、『銀河鉄道999』『キャプテン・ハーロック』などを代表作に持つ漫画家・松本零士を、アルバム『ディスカバリー』のジャケット&ミュージック・ビデオに起用して大きな話題となったのは、今から13年前のこと。海外のミュージシャンたちは、これまで日本の風景やカルチャーを、予想もつかない形で取り入れてきました。例えば新宿や新橋でゲリラ撮影した、ビースティ・ボーイズの「インターギャラクティック」(1998年)、日本のGONZOがアニメーションを手がけたリンキン・パーク「ブレイキング・ザ・ハビット」(2003年)、
「ストソガ」「ガソバレ」など微妙におかしいカタカナが飛び出すカニエ・ウェスト「ストロンガー」(2007年)など。また、ザ・ポリスやマドンナ、アヴリル・ラヴィーン、バックストリート・ボーイズなど、数多くの人気アーティストが日本でミュージック・ビデオを撮影し、着物からアニメまで日本テイストを取り入れた洋楽ミュージック・ビデオもたくさん存在します。

カニエ・ウエスト「ストロンガー」。「コロセ」じゃなくて「コセロ」。

 そしてまた最近、洋楽のヒット曲で日本テイストを取り入れるミュージック・ビデオが増えていて、その内容も相当エッジーかつ面白いものばかり。今回はそんな洋楽の最新「日本テイスト事情」をレポートします。

ファ、ファレルがギャルゲー!?

 まずは、ファレル・ウィリアムス「イット・ガール」。プロデューサーは現代美術家・村上隆で、アーティスト/アートディレクターのファンタジスタ歌磨呂と、村上隆率いるカイカイキキ所属のMr.がディレクターを務めている。内容はギャルゲーやシューティングゲームなど、日本のゲーム・アニメをモチーフにしたもので、ファレルが水着の萌えアニメキャラを「イット・ガール」(今輝いてる、注目されてる女の子というファッション用語)と呼んでいます。ドン・キホーテやパチンコばりに画面ぎっしりのキャラと文字、ギンギンの色の洪水は、外国人から見た日本のイメージの強調!? この「イット・ガール」は、ファレルの最新アルバム「ガール」からのシングル・カット。ファレルと村上隆のタッグは、2009年の共同立体アート『The Simple Things』(開始20分で約2億円で落札)や、2014年の村上隆監督の映画『めめめのくらげ』全米公開の際に、主題歌のlivetune feat. 初音ミクの「Last Night, Good Night」をファレルがリミックスし、村上隆が映像を手掛けたミュージック・ビデオなどがあり、本作はその一連のコラボ・プロジェクトの中でも最高の話題作になりそうです。

富士山!殺陣!「DESTROY」の縦書き!

 続いては、今年、デビュー・シングル「ファンシー」が全米No.1をかっさらって大ブレイクした美人女子ラッパーのイギー・アゼリア。彼女の最新ミュージック・ビデオ「ブラック・ウィドウ(feat.リタ・オラ)」は、なんと日本のヤクザ映画風! クエンティン・タランティーノの『キル・ビル』をモチーフにしているそうで、富士山や桜(微妙に細い)、忍者、殺陣や『AKIRA』風バイク・アクションと日本テイスト満載。手配写真に書かれた「DESTROY」がわざわざ縦書きなど、日本人から見た時の微妙~なコレジャナイ感もイイ味わい。イギーは前作「ファンシー」でも、おバカ青春映画『クルーレス』のパロディ・ミュージック・ビデオを作っていたし、今後も凝ったネタで攻めてくる予感です。

日本人女優が全編で疾走

 今年イギリスで4週連続No.1を記録したヒット曲で、クラシックとエレクトロ・ミュージックを融合させた4人組バンド、クリーン・バンディットの「ラザー・ビー(feat.ジェス・グリン)」(2014年)。こちらは築地や渋谷で撮影され、ロンドン在住の日本人女優・安部春香がバイクに乗ったり走ったり、全編で大活躍している。山手線や、秋葉原のメイド・ダイニングバー「娘龍飯店」がちらっと登場しているのも要チェック!

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