【ライブレポート】ファンキー加藤 – I LIVE YOU 2014 in 日本武道館

ファンキー加藤 - I LIVE YOU 2014 in 日本武道館

ファンキー加藤

ファンキー加藤 – I LIVE YOU 2014 in 日本武道館

2014年9月19日@日本武道館

文字通り、全身全霊で歌を届けるファンキー加藤。熱苦しさがかっこよく、その懸命さに勇気をもらった。目の前にいる1万人、一人ひとりの心を動かす強靭なエネルギーを持って人生初のソロ・ワンマンに挑んだ、彼の勇姿を知ってほしい。

INTERVIEW & TEXT BY 宮本英夫
PHOTOGRAPHY BY 駒井夕香、笹原清明、堂園博之


最後まで行くのか、行けるのか

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「最初から断言しますよ。2014年でいちばんのライブにします!」

「リスタート」「Good Show」、FUNKY MONKEY BABYS(以下ファンモン)の「ナツミ」と3曲立て続けに歌い、この時点ですでに全身汗だくのファンキー加藤が叫んだキメ台詞。ただ、そのあとすぐに「1万人! 大丈夫! 緊張してない!」と付け加えた言葉のほうが、きっと本音だったに違いない。1曲目、ステージ下のせり上がりから登場した最初の表情からして緊張感ありありで、かと思えば「Good Show」の途中で突然吹き出したり、明らかにエモーション過多。音響も照明も最高だし、キーボードの田中隼人とコーラスMASATO(THE BEAT GARDEN)を加えた演奏はとてもフレッシュ。もちろん楽しいのだが、スクリーンに大写しになる加藤の表情から目が離せない。このまま最後まで行くのか、行けるのか、ドキドキ、ハラハラの序盤戦だ。

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 中盤、以前にはなかった新しい空気を感じたのは、例えば「もっと勉強しておけばよかった」。かわいらしい子供の絵のアニメと一緒に歌われたこの曲は、ちょっとしたユーモアのなかに大きな優しさと包容力を秘めたファンキー加藤の新境地。逆にこういう歌は大人にならないと歌えない。そして「愛の言葉」。ありそうでなかった“普通にメロディアスなラブ・バラード”を、噛みしめるように丁寧に歌うボーカルがとてもいい。スローな曲の歌の表現力が以前とはかなり違う。だんだん、いい感じになってきた。

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「プレッシャーで、怖くて、いろんな感情があったけど。ステージに上がったらもやもやは吹っ飛びました」

“頑張れ同盟”のような気がしてくる

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 恒例“アリーナいじり”でひとしきり盛り上げ、真面目なトークで空気を引き締め、ペースを掴んだステージ上のファンキー加藤に怖いものはない。“大事にしている曲”と紹介した「終わらない未来」、そして“どうしても武道館でうたいたかった歌”と言ったファンモンの「希望の唄」。万感の思いをこめた熱唱もすごかったが、ステージに膝まづいた加藤に降り注ぐ1万人の拍手と大歓声はさらにすごかった。日本でいちばん“頑張れ”と言われるミュージシャンです、というのはかつてのネタだが、ここまで来るとどっちもどっち、ミュージシャンもオーディエンスもない“頑張れ同盟”のような気がしてくる。

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「思い出も未来も抱きしめて、みんなと共に歩いて行ける存在でありたい」

ひとつの理想がそこにあった

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 終盤のハイライトは、なんと言っても「太陽」。正直に言おう、この歌の第一印象は“ファンモンによくあった感じだな”で、CDでは普通にいい曲だとは思ったが、ライブの説得力はその何倍も強かった。ライブ映えとはこういうことを言うのだろう。包み込まれる壮大なサウンドと直接的な歌。その次の「あとひとつ」と合わせて、この曲はライブの新定番になるに違いない。
 14曲目「CHANGE」は、ストレートなロック・スタイル。ここまで限界ギリギリの熱唱のせいで、声はところどころかすれてきている。酸素吸入の頻度も増えた。“まだ行けるか武道館!”って、そっちこそ大丈夫かと思うが、ここまで来たら行くしかない。「ちっぽけな勇気」、そして「My VOICE」。「My VOICE」の最初の部分は、ほとんどオーディエンスが歌っていたような気がする。最後のサビも、1万人がリード・ボーカルだ。“この曲はみんなへの手紙。返信がほしい。一緒に歌ってくれたらまた未来へ向かえると思う”という言葉通り、歌を通したコミュニケーションのひとつの理想がそこにあった。

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ファンキー加藤はファンキー加藤のまま

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 アンコールは簡潔にまとめよう。おなじみ「太陽おどり~新八王子音頭~」。大爆笑の「紫陽花」。時代を超える名曲「ヒーロー」。そして「悲しみなんて笑い飛ばせ」。笑いと涙、馬鹿馬鹿しさと真面目さ、親しみやすさとかっこよさ、夢も現実も同居した、つまりそれはファンキー加藤の人格そのもの。白い紙ふぶきが空中高く舞い上がるなか、すべてが終わり、ピースサインを掲げてステージにひっくり返るファンキー加藤、いや加藤俊介。これだけステージ上で丸裸になれる男がどこにいるだろう。一生一度の初ワンマン・ライブ、その最後の台詞まで、ファンキー加藤はファンキー加藤のままだった。

「無事終わった……ひとりのワンマン怖かった……いや、ひとりじゃない。みんながいてくれた。本当にありがとう!」

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SETLIST

  1. リスタート
  2. Good Show
  3. ナツミ
  4. 輝け
  5. まわせ!
  6. もっと勉強しておけばよかった
  7. 愛の言葉
  8. 終わらない未来
  9. FLY
  10. 希望の唄
  11. 僕らの詩
  12. 太陽
  13. あとひとつ
  14. CHANGE
  15. ちっぽけな勇気
  16. My VOICE

ENCORE

  1. 太陽おどり ~新八王子音頭~
  2. 紫陽花
  3. ヒーロー
  4. 悲しみなんて笑い飛ばせ

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