“記憶の曖昧さや大切なことも忘れてしまう人間の愚かさ”をBugLugが歌う

“記憶の曖昧さや大切なことも忘れてしまう人間の愚かさ”をBugLugが歌う

BugLug

“それでも人は永遠を願う”。新しいものを追求し続け、つねにファンを驚かすBugLugが待望のシングル「JUGEMU」をリリース。彼らのタイトルはいつも“なんだコレ?”と思わせるような不思議なものが多いが、それにはこんな深い理由があった。BugLugが歌う「JUGEMU」とは……?

INTERVIEW & TEXT BY 清水素子


自分たちにしか作れない“なんだコレ?”と言わせるもの

──まず確認したいんですが、タイトルの「JUGEMU」って、あの“寿限無”のことですか? 最長の名前として落語に出てくる。

一聖 そうです。ただ、歌詞に“寿限無”と“寿限夢”と2パターン出てくるので、ローマ字表記にしたんですよ。長寿とか永遠という意味を持つ寿限無に“夢”という字をハメることで、“永遠の夢”というニュアンスを足したかったので。

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──なるほど。しかしBugLugのタイトルって、重要な作品ほど変ですよね。“これは本気?”と言いたくなるものばかり。

一聖 逆に、みんなが真面目すぎるんですよ。タイトルって最初の入口なんだから、そこで自分たちにしか作れない“なんだコレ?”と言わせるものを提示して、BugLugというエンターテインメントを始めるのは当たり前。そこはこだわってますね。

一樹 「ギロチン」(2012年発売シングル)とか、自分でもグワッとテンション上がった覚えがありますよ。響きが良くて、ずーっと呟いてた。

 重要な1stアルバムにも『G.A.G』ってつけたりね。しかもタイトルを決めたのが、新宿駅の西口(笑)。

優 ライブを遊び場のような空間にしたいという想いから、アルバムに「ASOVIVA」って曲も入れたなぁ。しかも“VIVA”を使うあたりにニヤニヤした。

将海 俺も対バン相手のセットリストに「BUKIMI」(2013年発売シングル)なんて書いてあったら、絶対“コイツらやべーな”って思うよ!

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──それが今やライブの定番曲になってますからね。

一聖 だから、意味なくやってることはひとつもないんですよ。「BUKIMI」だって実は深いメッセージが込められているのに、ライブではゴマスリ・ジャンプという奇妙なフリがあったり。アンバランスに見えるかもしれないけど、そういう“シリアスのなかにあるエンターテインメント”が、今のBugLugの武器なんですね。3月に発表した前作「骨」にしても、“骨”というワン・ワードを歌詞だけじゃなく、骸骨モチーフの写真やMVでも具現化できた。いわば“真面目に遊ぶ”ことができたんです。

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永遠を願うっていうのは人間の本能でもあって

──“骨まで愛して”という常套句から“本当の自分を見てほしい”という切実なラブソングとなった「骨」に対し、今回の「JUGEMU」で伝えたかったことは?

一聖 大きなテーマは“記憶”で、記憶の曖昧さや大切なことも忘れてしまう人間の愚かさですね。俺、寿限無のフレーズって暗記してるんですけど、なんの役に立ってなんのために覚えているのか全然わからないんですよ。逆に覚えてなきゃいけないことを忘れていたり、学習せずに同じことを繰り返したりもする。そんな自分が本当に愚かで浅はかだなぁと。

優 俺にも覚えがある。最近、大好きだったタケシさんっていう人がBugLugのチームを離れることになって、すごく悲しかったのに、冷静に考えてみたら……タケシさんの名字ってなんだっけ? と。

一聖 そう! あんなに愛を持って一緒に活動していたのに、忘れてしまったのがすごく悔しくて。だから「JUGEMU」を初披露したイベントでも、「どうせ皆、今日のことも忘れちゃうんでしょう?」って言ったんです。そう前置いて演奏することで、この曲を皆の身体により染み込ませていきたかったんですよね。

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──そう考えると、すごく切ない曲ですね。きっと忘れてしまう=永遠なんて無いのはわかっているけど、でも、忘れないでほしいと永遠を願って歌っている一聖さんの姿が、とても悲しくて、故に魅力的に映る。

一聖 それはうれしいです。俺ってある意味では冷めている人間で、諦めてる部分は諦めてるし、でも、永遠を願うっていうのは人間の本能でもあって。裏返すと、そういう矛盾を抱えているのがBugLugの歌詞の魅力になってる気がするんです。今回の「JUGEMU」は表面上の面白さの陰に隠れがちな、そういったシリアスな部分を、よりストレートに訴えている曲なんですね。アーティスト写真が全身真っ白なのも、蓄積された記憶を全部抜いたまっさらな状態、真の姿を表したかったから。

 なのでサウンド面でも、出だしはトリッキーかつコミカルで。“ああ、いつものBugLugらしいアッパーな流れだな”と思わせるけど、サビになると全然らしくない。

 じっくり聴かせる系で広がって、ライブではファンと一緒に歌う仕掛けになってるんです。歌える曲って今までになかったから、そこもあらたな挑戦なんですよ。

将海 全体的に和風なサウンドで、特にイントロで一樹が弾いてるフレーズの琴感はスゴい。あそこは聴いてほしい! 

一樹 いや、逆に俺はドラムが良いなと思ってて、だからうえに乗ってるベース、ギター、歌もかっこよくなるし、曲に説得力が生まれるんですよ。これでオーディエンスにも一緒に歌ってくれたら、すごく強い力を持った集合体になれるはず。

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──さらに、ゾンビを模したフリがコミカルなライブ・チューン「THE DEAD MAN’S WALKING」、叙情たっぷりの冬のラブバラード「four seasons」とカップリングの振り幅も激しすぎて。これを聴いたら“BugLugってどんなバンド?”と混乱しそう。

一聖 結局コミカルもリリカルも、BugLugが持つ要素であることに変わりはないんです。なんでもやりたいし、なんでもやるのが今のバンドのテーマ。そのすべてが味わえるのがワンマンなので、リリース後の全国ツアーでは、思い切ってライブ空間に飛び込んでみてほしいですね。

一樹 ビックリするような演出も盛り込んで、音楽的にも視覚的にも日常を忘れられる空間になってるから、ぜひリフレッシュしに来てください。もう、マッサージ感覚で!

リリース情報

2014.09.24 ON SALE
SINGLE「JUGEMU」
Resistar Records

J-140916-BA-1202

[初回盤A/CD+DVD]¥1,800+税
[初回盤B/CD+DVD]¥1,800+税
[通常盤/CD]¥1,200+税

詳細はこちら

ライブ情報

BugLug ONEMAN TOUR 2014 「寿限夢」
9月26日(金)TSUTAYA O-EAST~11月7日(金)大阪BIGCAT

BugLug ONEMAN TOUR 2014 FINAL 寿限夢~音楽のすゝめ~
11月30日(日)TOKYO DOME CITY HALL

 詳細はこちら 
オフィシャルサイト

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