最終回目前!ドラマ『昼顔』の主題歌「他人の関係」と金井克子について知っておきたいこと

TEXT BY 大山くまお

ドラマ『昼顔』の主題歌のカバー元は、昭和のセクシーソング

今クールのドラマの中で、最も視聴率の高いドラマは木村拓哉主演の『HERO』かもしれないが、もっとも話題になったドラマといえば上戸彩主演の『昼顔 ~平日午後3時の恋人たち~』だろう。

回が進むごとにエロさと共に視聴率も上昇。いよいよ泥沼の終盤に突入した第8話、第9話は連続して15%を突破した。不倫をする人妻たちを指す「平日昼顔妻」という言葉も流行語になりつつあり、最終回に向けてさらなる盛り上がりを見せている。

ドラマの盛り上がりと共に話題になっているのが、ドラマの内容と歌詞が見事にリンクした主題歌、一青窈の「他人の関係 feat. SOIL&“PIMP”SESSIONS」だ。既に知られているように、この曲は金井克子が1973年にリリースした曲のカバー。「パッパパラッパ♪」というスキャットが印象的なイントロと金井のクールなボーカル、そして左右の手を交互にかざす独特の振付が話題になって大ヒットを記録した。


バレエから芸能界デビュー。清純派から不倫歌謡曲の金字塔へ

金井克子は1945年生まれ。西野バレエ団に参加し、当初はモデルとして芸能界デビューを果たす。1960年代半ばの西野バレエ団は本業のバレエだけでなく、積極的にテレビ番組に取り組んでおり、由美かおる、金井、奈美悦子ら“西野バレエ団5人娘”(のちにレ・ガールズというユニット名に改称)は、歌って踊れるグループ・アイドルとして若者に大人気となった。いわば、沖縄アクターズスクールから出てきたSPEED、スターダストプロモーション芸能3部から飛び出したももいろクローバーZのような存在だった。なお、西野バレエ団は気の力で相手を吹き飛ばす“西野式呼吸法”を伝える団体として現存する。

ソロとしてはカバー・ポップス、ラテン歌謡などを歌い、清純派の歌手として活躍した金井だったが、20代後半にさしかかったところでグッとアダルト路線に転向。それまでは「恋のお月さま」「小っちゃな恋の歌」(モンパチとは無関係)などとロマンチックな恋の歌を歌っていたが、1971年には「今、恋が終る」と恋が終わるシングルを発表。さらに“蜜をなめたら逃げてく くやしい人たち”と遊び人の男どもを歌う「女王蜂」、“燃えろ燃えろ いいねいいわ”“チキボンチキボン”という歌詞が意味深というかストレートすぎる「エロスの朝」とファンキー歌謡を連発。そして満を持して放たれたのが、不倫歌謡曲の金字塔「他人の関係」だ。

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逢う時にはいつでも他人の二人
ゆうべはゆうべ そして今夜は今夜
くすぐるような指で ほくろも一から数え直して
そうよ はじめての顔でおたがいに 又も燃えるの


一目瞭然、セックスのことしか歌ってないところがすごい。28歳になった百田夏菜子がソロでドロドロの不倫セックス・ソングを歌っているところを想像すれば、リリース当時のリスナーが受けた衝撃がわかるのではないだろうか。道ならぬ恋に溺れる男女をタイトに描いた歌詞は、40年経ってもまったく古びていない。ちなみに作詞の有馬三恵子は南沙織の「17才」(後に森高千里がカバー)などを手掛けた人物である。

1982年以来、新曲のリリースがなかった金井だが、ドラマの話題につられるように金井自身も再ブレイクの兆しを見せている。今夏はNHK『思い出のメロディー』に69歳とは思えぬ美しいスタイルで登場。また、フジテレビの音楽特番『FNSうたの夏まつり』では一青窈との共演が実現し、直接伝授した振付をダブルで披露した。また、近年では中森明菜も『ムード歌謡 ~歌姫昭和名曲集~』で同曲をカバーしている。事あるごとに「他人の関係」のモノマネを繰り返してきたとんねるずの石橋貴明も黙っていないだろう。今後の展開が楽しみである。

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