今さら人に聞けない「ダフト・パンク」のこと

TEXT BY 猪又 孝(DO THE MONKEY)

サカナクション、RIP SLYMEらにも影響を与えている世界的アーティスト。改めてその魅力を知る!

 シングル「ゲット・ラッキー」で世界中の音楽ファンを虜にし、昨年リリースした最新アルバム『ランダム・アクセス・メモリーズ』が全英、全米チャートで初登場1位を獲得するほか、日本でもチャート3位を記録。同曲と同アルバムは、今年で56回を数える世界最高峰の音楽賞「グラミー賞」で主要5部門を制覇という偉業を成し遂げたダフト・パンク。

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最新アルバム『ランダム・アクセス・メモリーズ』

 昨年はその「ゲット・ラッキー」を皮切りに、ロビン・シック「ブラード・ラインズ」、ブルーノ・マーズ「トレジャー」、ジャスティン・ティンバーレイク「テイク・バック・ザ・ナイト」といったレトロ風味のディスコ/ソウル調ナンバーが同時多発的に誕生、世界中のチャートを賑わせた。

 そのトレンドは日本にも飛び火し、RIP SLYMEの「SLY」や、AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」、三浦大知の「GO FOR IT」、tofubeatsの「ディスコの神様 feat.藤井隆」といったディスコ/ソウル調の曲が登場。もっと広く解釈すればOKAMOTO’Sの「JOY JOY JOY」もそうかもしれないし、久保田利伸の新曲「Free Style」もこの手のディスコ系サウンドの潮流が一因となって生まれたものだろう。また、ダンス・ミュージックを採り入れたバンド・サウンドを売りにしているサカナクションの山口一郎も、ダフト・パンクを早くからチェックしていたひとりだ。

ロボット風フルフェイス型ヘルメットの2人組。その正体は?

 そんな日本でも人気のダフト・パンクのトレードマークとなっているのがロボット風のフルフェイス型ヘルメット。正体はフランス出身のトーマ・バンガルテルとギ=マニュエル・ド・オメン=クリストという男性ミュージシャン2人組だ。目のところに窓がついている(主に銀色の)ヘルメットがトーマで、顔の全面に窓がついている(主に金色の)ヘルメットがギ・マニュエル。基本的に顔は明かさない方針だが、1997年に1stアルバム『Homework』を出した頃はまだ縛りがユルかったのか素顔で海外雑誌の表紙を飾ってたりも。ネットで画像検索すると他にも素顔がヒットするし、ふたりともイケメンなので気になる方はぜひチェックしてみてほしい。

 1stアルバムの時点で、1980年代回帰的な音色とディスコ調のファンキーなリズムを採り入れた特徴的なサウンドを展開し、「Da Funk」「Around The World」といったクラブヒットを生み出していたダフト・パンクだが、彼らの存在を名実共に世界に知らしめたのは、ソウル/ファンクだけでなく、1970〜80年代のポップスのフレイバーも採り入れ、大きく歌寄りにシフトした次作『ディスカバリー』(2001年)。このアルバムから先行カットされた「ワン・モア・タイム」は世界中のあらゆるフロアでヘビーローテーション。『銀河鉄道999』で知られる漫画家・松本零士が手掛けた同曲のミュージック・ビデオも話題となり、日本でも街角でガンガン流れるような大ヒットを記録した。

日本のCMでも使われた「ワン・モア・タイム」が世界的ヒット

 その後は、2005年に3rdアルバム『Human After All』を発表し、日本のTERIYAKI BOYZに「Heart Breaker」(2005年)を提供、2010年にはディズニー配給の映画『トロン・レガシー』のサントラを制作。活動は少々停滞気味だったものの、日本ではauが2012年末のクリスマスシーズンに放送したCMで「ワン・モア・タイム」を使用し、人気が再燃。なんと10年以上前の『ディスカバリー』がiTunesのエレクトロニック・アルバム・チャートで1位を記録するという現象も起きた。今、10代、20代の方にはこのタイミングでダフト・パンクの存在を知った人も多いのではないだろうか。

 2006年のサマーソニックにヘッドライナーとして登場して以来、日本でライブ・パフォーマンスを行っていないダフト・パンク。元々ライブ活動はあまり積極的に行うアーティストではないのだが、そのせいもあってか、前述のグラミー賞の受賞式で行ったファレルやスティーヴィー・ワンダーを迎えてのパフォーマンスには、多くの日本のミュージシャンもツイッターなどで賛辞を送っていた。歴史的事件とも言えるあのステージの興奮と感動が忘れられない人も多いだろうし、再び日本でライブしてくれることを切に願います!

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