“俺を見ろ!”と叫んでいた若者が、“俺の音を聴いてみない?”と優しく問いかける。清木場俊介の軌跡を追う。

“俺を見ろ!”と叫んでいた若者が、“俺の音を聴いてみない?”と優しく問いかける。清木場俊介の軌跡を追う。

清木場俊介

Part.01『MY SOUNDS』への軌跡

清木場俊介がソロになって初めてリリースしたアルバムが自身を冠した『清木場俊介』というタイトルだった。様々な変化を乗り越えて迎えた10周年という記念の時に作られた、このアルバムは『MY SOUNDS』。“俺を知ってくれ!”と叫んでいた若者が、“俺の音を聴いてみないか?”と優しく問いかける。いったいどんな音が詰まっているのだろうか? 

INTERVIEW & TEXT BY藤井徹貫
PHOTOGRAPHY BY 冨田望


どれだけ傷つき、どれだけ叩きのめされるかは、それを掴みに行った人間にしかわからない

 清木場俊介は21歳のとき、EXILEのボーカル(SHUN)としてデビュー。「Choo Choo TRAIN」で紅白歌合戦に出場したときは24歳だった。25歳でリリースしたソロデビュー・アルバムが『清木場俊介』。それはタイトルどおり、清木場俊介の始まりであると同時に、SHUNとの決別でもあった。

 26歳の春、グループを脱退。ライブハウス・ツアーから始め、28歳の夏、ソロ・アーティストとして武道館を満員にした。

清木場「20代はガムシャラなだけでした。だから、まわりなんか全然見えていませんでした(笑)。でも、それすら尊いというか、それも20代の特権というか……。ただ、僕はもうそこにはいません。30代には30代にふさわしい生き方があると思っています」

「なにもできない」「クサレ…俺」「今。」など、20代に残してきた唄のなかには、今日をどう生き延びるか、必死にもがいている清木場がいる。30歳を前に彼は、所属レーベルもマネージメントも一新。地元・山口に拠点を置いた。33歳、「ONE」「貴方の中に」、これぞ清木場俊介といえる2曲を書き上げた。

清木場「自分自身を痛めつける唄だったり、過去の悔しさや苦しみを清算するための唄だったり、泥臭くはいつくばる唄だったり、そういう清木場が好き、といってくれる人がいるのも知っています。でも、あれは20代のリアル。僕はもうそこにはいません。演じたり、嘘をついたりしてまで、好かれても……。リアルじゃないと、お互い苦しむだけだし。あの2曲が30代の僕の進む道だと、今は信じています」

KY07

 そして、34歳の今年。清木場はニュー・アルバム『MY SOUNDS』をリリース。嘘いつわりのない、リアルな清木場がそこにいる。リアルとはあるがままだ。

清木場「あるがままに生きようとすると、どれだけ傷つき、どれだけ叩きのめされるかは、それを掴みに行った人間にしかわからないでしょうね。今のままの自分があるままってことじゃなくて、あるがままは掴みに行かないと、手に入らないものです」

 ニュー・アルバムには、様々な音、たとえば清木場が聴いている音、あるいは清木場には聴こえている音が散りばめられている。大好きなバイクのエンジン音、悔しさを追いかけて雨のなかを走る足音、憧れのロック・スターのシャウト、愛する君の寝息、季節がうつろう音、ワイドショーの騒がしさ、心のきしむ音、そして本音……。清木場は、そういうものを“俺の音”と言い表したのだろう。

清木場「CDや唄を手にしてもらっただけでもありがたいことですが、できれば、長く聴いてもらえるとうれしいですね。春夏秋冬でも、聴こえ方が変わると思うし。目に入る風景によっても、アルバムのなかの好きな曲だって変わるものだから。雪が降った夜とか、桜が咲き始めた頃とかにも、思い出したように聴いてもらえたら最高です。ただ、毎日が超ハッピーな人には唄なんか必要ないですよ、きっと。人生のなかで誰かを妬んでみたり、後悔してみたり、批判してみたりする自分の格好悪さがあるから、唄が必要なんだと思うし。僕だってそうだし。そういう人やそういうときに聴いてもらえる唄になれたら、と思います」

リリース情報

2014.09.10 ON SALE
ALBUM『MY SOUNDS』
SPEEDSTAR RECORDS

『MY SOUNDS』初回盤[写真:初回盤/CD+DVD][通常盤/CD]

詳細はこちら

LIVE DVD「10th Anniversary Acoustic Live “MY SOUNDS” 2014.5.6 at TOKYO DOME CITY HALL」も同時発売!

オフィシャルサイト

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