乃木坂46
乃木坂46 – 真夏の全国ツアー2014
2014年8月30日@明治神宮野球場
全国5都市を回り、約10万人を動員した“真夏の全国ツアー2014”最終日。天候にも恵まれ、乃木坂46メンバーとファンが一致団結して築いた最高のステージ。夏の終わりを鮮やかに彩る、最高の1日を振り返りたい。
TEXT BY 田中 大
晴れたね!
全国ツアーもいよいよファイナル公演。乃木坂46史上、最大規模となる明治神宮野球場を約3万人の観客が埋め尽くした。「OVERTURE」(BOOM BOOM SATELLITESが手掛けた新バージョン)が流れると、会場全体から湧き起った歓声。そして、「夏のFree & Easy」がスタート。疾走感溢れる爽やかなメロディ、メンバーたちの瑞々しい歌声が夏空に向って響き渡る。曲の途中で「晴れたね!」と心底うれしそうに言った生駒里奈。ここ数日、天候不順が続いていたが、幸いなことに止んでくれた雨。清々しい空気と穏やかな光に包まれる絶好のコンディションのなか、ライブは幕開けた。
この3人、バランスいいでしょ?
アリーナ席に張り巡らされた花道やトロッコも駆使し、全力で歌って、踊って、盛り上げたオープニング。5曲目「ガールズルール」までを一気に披露した後、最初のインターバルとなった。「ついにやってきました!」と白石麻衣が笑顔を輝かせ、「テンション上がってますか?」とキャプテンの桜井玲香は観客に呼びかける。すると、突然大型スクリーンに流れ始めた悪の組織のアジトからの中継映像。10thシングルのリリースを阻止するため、ツアー初日からずっと誘拐されている生田絵梨花の姿が映し出された。ツアー中の各公演で悪の組織からの指令を着実にクリアし、彼女を解放するための鍵を少しずつ手に入れてきた乃木坂46。果たして今日、生田を奪還することはできるのか? ……という寸劇を挟んで、多彩なナンバーがさらに披露されていく。シングルのタイトル曲はもちろん、カップリングもいい曲ばかりであることを改めて実感させられる。生駒、星野みなみ、生田によるユニット曲としてお馴染みの「ここじゃないどこか」は、生田パートを高山一実が熱唱。「この3人、バランスいいでしょ?」と高山が照れ笑いを浮かべると、観客の温かい歓声がステージに向って届けられた。
みんなと一緒に歩いて行きたい
「失いたくないから」の後、再び流れた悪の組織からの映像。制限時間内に1000個のカラー・ボールにサインを書いて客席に投げることができたら、生田を解放するという。「人間という楽器」が流れる間、メンバーたちは必死にサイン・ボールを投げ続け、指令は見事にクリア! 解放された生田はヘリコプターに乗り込み「神宮球場へお願いします!」とパイロットに行き先を告げた。そして、生田の到着を待ちつつ、続行されたライブ。「せっかちなかたつむり」が終わった直後、会場の上空にヘリコプターが現れる。続いて「左胸の勇気」も披露された後、ステージへと急ぐ生田の姿がスクリーンに映し出された。大音量で鳴り響くオリジナル・バージョンの「OVERTURE」を経て、10thシングルの表題曲「何度目の青空か?」を歌いながら彼女が登場すると、ステージをすさまじい歓声が包んだ。前作から学業のために休業していた生田の復帰をファンが心から祝福した感動的な瞬間である。メンバーたちと一緒にこの曲を歌い上げた後、生田は「これからまた精一杯、みんなと一緒に歩いて行きたいです。改めてよろしくお願いします!」と挨拶。他のメンバーたちははしゃぎながら、彼女と再びステージに立てる喜びを露わにしていた。
ひとつになって終わりたいと思います!
一体感溢れるコールを巻き起こした「ダンケシェーン」を皮切りに突入した後半戦の熱気もものすごい。浴衣姿が眩しかった「でこぴん」「吐息のメソッド」。ダイナミックなダンスを繰り広げた「世界で一番 孤独なLover」「制服のマネキン」。松村沙友理、若月佑美、高山のリードで生み出した観客3万人のウェイブを経て始まった「ここにいる理由」などなど、印象的な場面ばかり。そして、西野七瀬が「ひとつになって終わりたいと思います!」と言い、本編ラストを飾ったのは「君の名は希望」。曲の終盤で460発の打ち上げ花火が夜空を鮮やかに染めた。
ありありと伝わってくるエンディング
アンコールの「気づいたら片想い」と「ぐるぐるカーテン」の後、ステージに現れたのはなんと病気療養のため出演を控えていた橋本奈々未! 彼女は「ずっと(今日のライブを)観てました。すごかった。サイリウムが綺麗。花火もすごく綺麗でした。こうして挨拶できるくらい体調が戻ってきています」と挨拶。そして、名古屋でのAKB48握手会のために出演できなかった兼任メンバー、SKE48の松井玲奈も映像の中継で登場(紫色のオリジナル・グッズのTシャツを着ているところに乃木坂46への愛を感じた)。ついにメンバー全員が揃い、最後に届けられたのは「乃木坂の詩」。サイリウムの光が会場全体で幻想的に揺れる。乃木坂46の晴れ舞台の成功をファンが心から喜んでいる気持ちが、ありありと伝わってくるエンディングであった。
SETLIST
OVERTURE(BOOM BOOM SATELLITES ver.)
- 夏のFree&Easy
- ロマンスのスタート
- 会いたかったかもしれない
- ロマンティックいか焼き
- ガールズルール
- 何もできずにそばにいる
- 生まれたままで
- ここじゃないどこか
- 指望遠鏡
- 月の大きさ
- 失いたくないから
- 人はなぜ走るのか?
- せっかちなかたつむり
- 左胸の勇気
- OVERTURE(オリジナルVer.)
- 何度目の青空か?
- ダンケシェーン
- そんなバカな…
- 心の薬
- 13日の金曜日
- 扇風機
- その先の出口
- 無口なライオン
- 僕が行かなきゃ誰が行くんだ?
- でこぴん
- 吐息のメソッド
- 世界で一番 孤独なLover
- 制服のマネキン
- ここにいる理由
- バレッタ
- 走れ!Bicycle
- おいでシャンプー
- 君の名は希望
ENCORE
- 気づいたら片想い
- ぐるぐるカーテン
- 乃木坂の詩
リリース情報
2014.10.08 ON SALE
SINGLE「何度目の青空か?」
Sony Music Records
詳細はオフィシャルサイトにて