“flumpool 5th Anniversary tour 2014「MOMENT」ARENA SPECIAL”

“flumpool 5th Anniversary tour 2014「MOMENT」ARENA SPECIAL”

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“flumpool 5th Anniversary tour 2014「MOMENT」ARENA SPECIAL”

2014年8月9日@横浜アリーナ

4月からスタートした“flumpool 5th Anniversary tour 2014「MOMENT」”を経て、“ARENA SPECIAL”を迎えたflumpool。今回は、横浜アリーナ初日の模様をお届け! ホール・ツアーでひとまわり成長した姿、この5年間を支えてくれたファンへの感謝の想いがひしひしと伝わってくる一夜となった。

TEXT BY 大前多恵
※写真は8月10日の公演で撮影されたものです


「横浜、会いたかったぜ!」という山村隆太の絶叫を合図に、ライブの火ぶたは落とされた

 デビュー5周年を記念した自身初のベスト・アルバム『The Best 2008-2014 MONUMENT』をリリースし、全国19ヵ所24公演・10万人を動員するホール・ツアー“flumpool 5th Anniversary tour 2014「MOMENT」”を終えたflumpool。各地で浴びた祝福や喝采、そして、一つひとつのライブを積み重ねて行くことで得た充実感を糧に、彼らは、横浜アリーナ2デイズ、大阪城ホール2デイズによる“ARENA SPECIAL”を開催。初日を飾る8月9日(土)の4人は、ホール・ツアーのファイナルからたった1ヵ月にも関わらず、確かな進化を遂げていた。

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 ヘヴィなデジタル・サウンドが電飾文字と連動するドラマティックなオープニングの後、「横浜、会いたかったぜ!」という山村隆太の絶叫を合図に、ライブの火ぶたは落とされた。「君に届け」や「星に願いを」をはじめとするヒット・シングルはもちろん、「夏Dive」「イイじゃない?」など、シングル表題曲ではないもののライブには不可欠で、その“貢献度”を評価してベスト・アルバムに収められた楽曲群を中心にセットリストを構成。過去から現在に至るflumpoolの歴史を体感できる内容だ。作曲を手掛ける阪井一生は、迷いのない歯切れの良いカッティングと、歌うように紡ぐギター・ソロを随所で披露し、活き活きと音楽を楽しんでいるようだった。どこかクールな佇まいが魅力の尼川元気も、頻繁に小倉誠司のほうへと歩み寄り、リズム隊同士、呼吸を互いにしっかりと合わせていた。ステージセット全面に設置された巨大LEDが映し出す色鮮やかな映像は、広いアリーナ会場ならではのスケール感を堪能させてくれたが、何より印象に残ったのは、メンバーが大会場にもまったく怯まず、堂々たる姿を見せていたこと。序盤から“もっともっと!”と煽るように両腕で手招きする隆太の姿は、挑戦的ですらあった。

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「待ちに待っていたこのARENA SPECIAL、皆さん楽しんでくれてますか?」と隆太は語り掛け、「遠くてごめんね」とスタンド席を思いやる。隆太の顔がモニターでアップになると、冒頭から弾け過ぎたせいか、寝ぐせのように右襟足がハネていることが判明し、笑いが起きるという微笑ましいハプニングが。ステージングの迫力は高まる一方だが、こういった気取りのない素顔はそのままなのだ、とホッとする瞬間でもあった。「緊張したのか、メンバーが夢に出てきた」と明かした一生は、「こんな夢を見るのはメンバーがいい状態」だから、と笑顔で語った。

 デビュー曲「花になれ」を、2014年の今の彼らが歌い、演奏することには特別な感慨があった。ミステリアスなヴェールに包まれて登場し、儚げだった彼らが、今ではこんなタフさも獲得したのだ、と如実に体感する1曲だからだ。サポート・ミュージシャン吉田翔平の野性味溢れるバイオリンのフレーズも、それを後押ししていた。「強く儚く」のプログレッシヴなアレンジには、ホール・ツアーでも圧倒されたが、ARENA SPECIALではそれを倍増させるような演出も加わり、更にパワーアップ。地鳴りのようなドラの音に、ユニゾンするベースとギターのうねり、キーボード・高藤大樹の神秘的なシンセの音色が混然一体となり、ロック・バンドならではダイナミズムを強烈に感じさせた。

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 終盤に向かうにつれ、全員の音、呼吸、想いがピッタリと合い、一丸となっている感が加速度的に増していく。まるで、音の塊が体に当たってくるような迫力だ。メンバーが花道に何度も歩み出て、観客と目を合わせ、歌う声に耳を傾け、細やかにコミュニケーションを取っている姿も印象的だった。「横浜! 何を遠慮してるんですか? 恥ずかしがらず、日頃溜めているストレスや嫌なこと、全部ここに置いて行って! 遠慮すんな!」と荒々しい口調で観客に訴えかける隆太。それは、一貫して彼らが掲げ続けてきたメッセージだが、楽しいことばかりではないはずの日常の中で、このライブという“瞬間”をどう位置づけて欲しいと考えているのか、バンドとしてのスタンスが端的に表れた言葉だった。

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年を重ねて来て、今日見たみんなの笑顔、みんなの喜びが僕らにとっての最大の幸せです

「音楽から絶対に逃げない、という決意を書いた曲」と隆太が紹介したのは、ベスト・アルバムに収録されている最新曲「明日への賛歌」。このツアー及びARENA SPECIALがデビュー5周年記念の催しであることに改めて触れ、「年を重ねて来て、今日見たみんなの笑顔、みんなの喜びが僕らにとっての最大の幸せです」と隆太。「一緒に成長して行ける仲間であってほしい」と語りかけた。会場を埋め尽くす人々がこのアンセムで声を合わせた瞬間、温かい何かに包み込まれるような心地よさがあった。

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「Because I am」を発表した頃からすでに、彼らのライブは、音楽を提供する側と単にそれを受け取る側、という図式とはかけ離れたものになっていた。生身の人間である4人が、音楽を通じて、やはり生身の人間である観客に揺さぶりをかけ、何かを問いかける場となっているように思うのだ。また、それが双方向な関係性に発展しているのは、隆太が観客を「“命”を吹き込んでくれている存在だ」とこの日に語ったことからも明らか。ARENA SPECIAL初日から全開のステージを見せた彼らの“本気”は、「この先も僕らについて来て欲しい」(隆太)という言葉に説得力を与えていた。5周年という節目を迎えながらも、「まだまだ終わりたくない。バンドとしてひと回りもふた回りも成長して行きたいと思っています」(隆太)と渇望感も吐露。「5年間本当にありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします!」と感謝を述べ、初日公演の幕は閉じた。この後控えている大阪城ホールでのファイナル、そしてその先──flumpoolは、どんな新たな光景を見せてくれるのだろうか?

リリース情報

アミューズ公式オンラインショップASMART、ARENA SPECIAL会場にて、初のミュージック・クリップ集『flumpool Music Clips 2008-2014 「MOVEMENT」』が限定発売中!

詳細はこちら

ライブ情報

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