日本代表の第一試合前に知っておきたい、コートジボワールの流行音楽

2014.06.11

TEXT BY 大石 始

最大の都市・アビジャンでは、レゲエが最も人気

 グループ・ステージの初戦で日本と戦うことになるコートジボワールは今回3回目のワールドカップ出場。各選手とも身体能力が高く、攻撃力も非常に高い。ヨーロッパで経験を積んでいる選手も多いことから、苦戦が予想されるチームだ。

 西アフリカに位置するコートジボワール共和国は大西洋に面した人口2000万人の国家。1960年8月に独立するまでフランスの植民地だったため、現在も公用語はフランス語だ。最大の都市は旧首都のアビジャン。フランスからの独立以降、周辺諸国から数多くの移民がこのアビジャンに流れ込んだことから、この町には西アフリカの様々な音楽が集結しているという。

 そんなアビジャンで高い人気を誇っている音楽がレゲエ。そして、そんなコートジボワールのレゲエ界を象徴するのが、西アフリカのみならず世界的にも高い人気を誇るティケン・ジャー・ファコリーだ。その味わい深い歌声はアフリカの大地を思わせるものだが、歌詞の内容は政府の批判やアフリカの現状の告発も含む痛烈なもの。ここでは西アフリカの伝統楽器・コラの音色も印象的な最新曲をご紹介しておく。

パリとアビジャンを往復して活動し、絶大的人気を誇るグループも

 前回も触れたように、コートジボワールと旧宗主国のフランスの関係は深い。代表チームの中心選手であるドログバは、幼い頃フランスへと移住し、ほぼフランス人として人生を送ってきたが、彼のようなコートジボワール人は決して珍しくない。音楽文化に関してもフランスとの関係性のもとで育まれてきたものが多く、ティケン・ジャー・ファコリーなどはフランスでも絶大な人気を誇っている。同じようにフランスで高い人気を誇り、パリとアビジャンを股にかけた活動をしているのがマジック・システムというグループだ。彼らは90年代にアビジャンで生まれたダンス・ポップの1ジャンル「ズーグルー」の人気グループ。コートジボワールの風景も盛り込まれたこちらのミュージック・ビデオも雰囲気たっぷりだ。

約20年のキャリアを誇る国民的大スター“メイウェイ”

 最後にもうひとり、コートジボワール音楽界の大スターであるメイウェイをご紹介しておこう。大スターと言えども、ティケン・ジャー・ファコリーやマジック・システムと比べると、コートジボワールならではのローカルなオーラを放つスターである。約20年のキャリアを誇るベテランではあるものの、まだまだ現役バリバリ。昨年リリースされたこの楽曲のミュージック・ビデオでも美女(?)ダンサーたちを従えて踊りまくる。コートジボワールの人々の無尽蔵なエネルギーと野生動物のような身体能力の高さは彼らのステップからも感じ取ることができるはずだ。

 そんなわけで、コートジボワール代表チームの波状攻撃に対応すべく、今からズーグルーや(前回ご紹介した)クーペ・デカレを聴き込み、コートジボワール人の身体リズムに馴染んでおくのはいかがだろう?


 次回は第二戦の対戦国、ギリシャの知られざる音楽の世界へと皆さんをご案内しよう。

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