今作の制作で見えてきた、ベボベのスタンスとはいったい!?

Base Ball Bear - 今作の制作で見えてきた、ベボベのスタンスとはいったい!?

Base Ball Bear

Part.2 表と裏の間

“Base Ball Bearとは?”。そんなクエスチョンに答えるべく、小出は今作でもこれまでと変わらない”感じている違和感”を基にアルバム制作を始めた。この回は小出だけに発言を絞って、その違和感とはなんなのか、語ってもらった。 

INTERVIEW & TEXT BY 永堀アツオ
PHOTOGRAPHY BY 江隈麗志
HAIR & MAKE BY 沓掛倫雄


“表と裏の間に何かあるだろう?”っていう気がするんです

──サウンドに関してはバラエティに富んでいるということがわかりました。歌詞において“何を歌うか?”という問いの答えは見つかりました?

小出祐介 今回の制作に入る直前に、全体ミーティングがあって。チーフマネージャーに、「Base Ball Bearがどういうバンドなのか? っていうことを説明できる1枚を作ってくれ」って言われたんですよね。そう言われた意図はわかるんですよ。僕ら自身もずっと、“Base Ball Bearはこういうバンドです”っていうことを説明しにくいなって思ってて。世間的には“青春ぽい”っていうイメージがあると思うんですけど。

──今作でも1曲目「何才」を聴くと、若々しいギター・ロックだなって言っちゃいますよね。

小出 そういうイメージを背負ってきちゃった部分もあるし、バンドの一面として決して間違っているわけでなくて。だから、否定はしないんですけど、あくまでも一面で、全部ではないし、それがやりたいからやっているバンドじゃないんですよ。そこで、自分たちをどういう風に説明したらいいのかっていうことを考えたときに、僕がずっとテーマにしてきたことって、実はこれまでも変わってなくて。

──小出さんがずっと追求してきたテーマとはなんでしょうか。

小出 僕が脈々と感じている違和感ですね。映画でも小説でも音楽でも、なんでもそうなんですけど、コンセプトが振り切れたものはわかりやすいし、パッケージとして受け取りやすいし、伝わる速度も早いじゃないですか。アッパーなパーティ・チューンだったら、キャッチーだなって捉えられるし。逆にすごく暗い曲であれば、暗いけど沁みるなってなる。両極端に振ったほうがわかりやすいし、伝わりやすいっていうことはわかっているんですけど、その、振り切るっていうことにずっと違和感があって。人生の中にもすごくアッパーな時期とか、すごく落ちている時期がある。そういう波の中に生きているけど、それは到達点であって、ピークでしかないですよね。すげえハッピーで、“今日は人生最良の日だ!”と思うこともあるし“最悪だ……”って、絶望の淵に落ちるときもある。それは、あくまでも両極であって、僕らがいるのは、どっちかというと揺れている時間のほうが長いじゃないですか。僕は表現として、ずっと、気持ち良すぎて気持ち悪いとか、気持ち悪すぎて気持ちいいとか。どっちとは言ってない表現をやってきた。そういう感覚があるから、例え振り切ったとしても、頭のどっかで反対側のことを同時に考えている。

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あいまいなものをあいまいなものとして受け取る、描写することをスタンスとしたアルバム

──それは、表裏一体とか二面性を歌うってこととも違いますよね?

小出 表があって、背中合わせの裏があるっていうこともわかるんですけど、僕はずっと、“表と裏の間に何かあるだろう?”っていう気がするんですよね。その中間、もやがかったところを、説明するなら、“普通”なのかなって。でも、“普通”って、人によって感じ方や捉え方が全然違うじゃないですか。人によって“普通”は違うのに、みんな普通に紙袋をかぶせちゃって、どっちかに振り切っていこうとする。その紙袋をかぶせた“普通”の正体を観察し、考察し、捉えてみようと思ったんですね。でも、その普通とは何かを定義づけしようということではなくて……。

──もやもやしたもの、あいまいなものをそのまま捕まえて提示するってことですよね。

小出 そうですね。あいまいなものをあいまいなものとして受け取る、描写するっていうことをスタンスとしたアルバムでして。こうして説明すると長くなるので(笑)、ほんとは説明したくないくらいなんですけど、要は、両極ではなく、その振り幅にこそが人間的であり、僕らはその、わかりにくい、答えがでないところを表現するスタンスなんだっていうことがわかったっていうのが、今回のアルバムの良かったところかなと思います。

リリース情報

2014.06.04 ON SALE
ALBUM『二十九歳
EMI Records

J-140530-FY-1316

【写真:初回限定盤CD+DVD】¥3,500+税
【通常盤CD】¥2,931+税

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