スガ シカオを語るうえで欠かせない名曲とは……?

TEXT BY 前原雅子

 硬派な音楽ファンの耳を満足させ、ミュージシャンからのリスペクトも絶大。「夜空ノムコウ」をはじめ、SMAP、KAT-TUN、嵐、杏子、森高千里など他アーティストへの楽曲提供も多く、kōkua(コクア)名義でリリースした「Progress」に至っては、中学の国語教科書に“詩”の教材として掲載されているくらい。そんなマルチに高評価を得ているスガ シカオは2011年にデビュー以来の事務所から独立し、インディーズで活動してきましたが、2016年の20周年に向けていよいよメジャー・シーンに完全復帰。あらたなスタートを切ることになりました。

音楽ライターが選ぶ名曲TOP3

 そのスガ シカオ、とにもかくにも楽曲のクオリティの高さは誰もが認めるところ。それを乱暴を承知で大きく3つのタイプに分けてご紹介しようと思います。

「黄金の月」

 まずはスガファン、ファンク好きの垣根を超えて高い支持率を誇る「黄金の月」。メロディ、歌詞、声、アレンジのすべてが文句なしに秀逸なこの曲、特に文学的とも言える歌詞の世界観には素晴らしいものがあります。

「あまい果実」

 スタンダード・ナンバー色の強い曲が「黄金の月」なら、ルーツ・ミュージックのファンクと正面から向きあったのが「あまい果実」。体温や匂いまでもが感じられるような濃密さは、重量級キング・オブ・ジャパニーズ・ファンクと呼びたいほど。ひとたびハマればクセになります。大ヒットにならなかったことが口惜しくてならない不朽の名曲です。ちなみにスガファンク・ナンバーということでは「バナナの国の黄色い戦争」「Thank You」もオススメ。

「午後のパレード」

 最後はポップな側面が色濃く出た曲ということで「午後のパレード」。今もライブでのキラー・チューンとして愛されている曲ですが、ダンスでディスコで爽快でというポップ感は初期スガ シカオには、あまり見受けられなかったテイスト。迷いなく湿り気のない歌詞も印象的。

5月21日発売ダブルA面シングル「アストライド/LIFE」

 そして2度目のメジャー・デビュー曲とも言える今回のシングルは、ダブルA面。「アストライド」はアンビエントな雰囲気でスタートした曲が、サビで抜けよく広がりを見せるミディアム・スロー・ナンバー。一方、初めて小林武史をプロデュースに迎えた「LIFE」は、伊坂幸太郎・原作、岡田将生・主演の映画『オー!ファーザー』のために書き下ろされたビートの利いたミディアム・ナンバー。

ともに歌詞は前向き。けれどもそこはスガ シカオ、ただ「頑張れよ!」みたいな安易な表現はしません。悲しみも喜びも、不安も希望も抱えながらの「頑張ってみようよ」感が綴られているから、素直に耳を傾けられます。

 このシングルから、また勢いをつけて再スタート。えてしてソング・ライターとしての素晴らしさを取り上げられることの多い人ですが、ライブ・パフォーマンスのほうもかなりのレベル。ホール・コンサート、ノー・バラード&ファンク一発のライブ、完全一人の弾き語りライブなどなど、パフォーマーとして懐の広さあればこそのライブを見せてくれています。まずは6月に行われるバラードなしのファンキー・ライブが楽しみです。

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