清木場俊介 10th Anniversary Acoustic Live “MY SOUNDS”

清木場俊介 10th Anniversary Acoustic Live “MY SOUNDS”

清木場俊介

清木場俊介 10th Anniversary Acoustic Live “MY SOUNDS”

2014.05.03(SAT)@愛知芸術劇場 大ホール

10年という月日をかけて、築き上げてきた“清木場流のスタイル”。ロックという信念を貫き通してきた今、記念すべき1年の幕開けに“アコースティック”という形を選んで、フリー・ライブを行いそしてこのホールでの“アコースティック・ツアー”を敢行。いったいどんなことを想い、そのステージに立っているのだろうか? 名古屋公演を追いかけた。

TEXT BY 藤井徹貫


ロックを諦めたわけでも、ロックに失望したわけでもない

 ロック。清木場俊介はソロ・デビュー以来、それをテーマに活動してきた。そして、10周年の今年、あらたな扉を開けた。アコースティック・サウンドだ。10代の頃、アコースティックギターを抱え、路上ライブをやっていた彼にとって、それは長く封印していた扉でもある。

なぜ、それを開けたのか。ロックを諦めたわけでも、ロックに失望したわけでもない。ロックが自分の体と心の隅々にまで、自分の活動の端々にまで、10年をかけて行き渡ったからにほかならない。そのことを証明してみせたのが「10th Anniversary Acoustic Live “MY SOUNDS”」だった。

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この10年間で構築してきた清木場ロックのあらたな表現

アコースティックギターを持って現れた清木場が中央の椅子に座り、唄い始めたのは「ROLLING MY WAY」。プロ・アマ問わず、こうした弾き語りをするアーティストはごまんといるが、そのどれとも違う迫力だ。アコースティックライブという言葉から連想されがちな、穏やか爽やかさとも一線を画している。熱くシャウトする。

清木場は1曲目でメッセージしていたのだろう、今回のアコースティック・サウンドは単なる原点回帰ではなく、この10年間で構築してきた清木場ロックのあらたな表現なのだと。目指すのは過去ではない、未来なのだと。その勢いのまま、3曲を続けた。

「こういうライブは50歳になった頃にやるべきだったのかなと思ってますけど……」

 短いMCのなかにも、笑いをはさみ、客席をなごませるあたりからも、10年やってきた余裕がにじみ出ていた。

続いては、彼のライブでおなじみの、清木場俊介のテーマソングと言ってもいい「唄い人」。もちろん3月に発売されたアルバム『唄い屋・BEST Vol.1』に収録されているアコースティック・アレンジだ。さらに20周年、30周年の頃には、「唄い人」とならび、“清木場のテーマソング”と言われているだろう「ONE」と「貴方の中に」。

 中盤は、ギターを置き、バラードを連続6曲。MCをはさみつつ、ソロ・デビュー曲「いつか…」、最新シングル曲「幸せな日々を君と」、EXILE時代の「羽1/2」、ファンの人気投票では常に上位にランキングされる「愛のかたち」などをじっくり唄う。ストリングスの四重奏も参加。

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ゆるやかなビブラートが歌詞の裏側に潜む感情を引きずり出す

 バラードを唄う清木場はまさにベルベットボイス。柔らく、ふくよかな声だ。音楽的には、倍音が豊かな声、となるだろう。「ROLLING MY WAY」のときの刺す声ではなく、包み込む声。広がる声。ゆるやかなビブラートが歌詞の裏側に潜む感情を引きずり出す。

 あらゆるエンタテイメントは、映画も笑いも、マジックも演劇も、緊張と緩和でできている。それを知ってか知らずか、極上のバラードに浸った後は一転してロック。10年間やってきたハードなグルーヴとヘヴィなギター・サウンドだ。いつもと様子の違うライブに、ここまで少し緊張気味だった観客も一気に解放された。特に「JACKROSE」から「REAL」への流れに清木場ロックの10年間が凝縮されていた。

これまでありがとう、これからも一緒に歩こう

 アンコールは、「どっちの曲をやろうか」と、観客に聞く。「最後の夜」と「おやすみの前に」だ。拍手の大きさで決めようとしたが、甲乙つけがたい。致し方ない。キラーチューンVSレアチューンだから。結果的には、この日の名古屋公演に先駆けて行われた東京と大阪では唄わなかったとの理由で「おやすみの前に」に決定。眠りに落ちる前の一瞬にありったけの幸せを注ぎ込むバラードだ。

 締めはソロ活動を始めた頃から唄い続けてきた「今。」。これまでありがとう、これからも一緒に歩こうと、唄で伝えているかのように聴こえた。清木場俊介の唄からは言葉にならない願いや思いが響いてくる。唄うことでしか伝えられない何かがそこにある。だから、人は彼をこう呼ぶ。唄い屋と。

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SETLIST

1. ROLLING MY WAY
2. Rockin’ the Door
3. Fighting Man
4. 唄い人
5. ONE
6. 貴方の中に
7. エール
8. いつか…
9. 幸せな日々を君と
10. 愛のかたち
11. 羽1/2
12. Message
13. 五日間…バックレよう
14. さよなら愛しい人よ…
15. JACKROSE
16. REAL
17. GO!WAY!

ENCORE
1. おやすみの前に
2. 今。

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