アニメ音楽とゲーム音楽の邂逅

アニメ音楽とゲーム音楽の邂逅

 4月アニメ『ノーゲーム・ノーライフ』が抜群に楽しい。人気ライト・ノベルのアニメ化と言ってしまえばそれまでなのだが、非常にセンス良く、勢いを失わずに映像化されていることに拍手を贈りたくなる。

 第1話、とあるオンライン・ゲーム内での戦闘シーンとゲーム内アバター同士の会話から本作は始まるのだが、まず、その時点で劇伴に「おや?」となる。やたらと現実のゲームにありそうな、“らしい”音が鳴り響くのだ。気になって調べてみれば、なるほど納得の陣容だった。細江慎治率いるスーパー・スィープ。ゲームが主軸のアニメ作品に、ゲーム・ミュージック界の大家を起用する。なんともシンプルで、そして大正解なキャスティングなのだろう。第2話以降も日常シーンにちりばめられた8bitミックス、シリアスなシーンに流れるテクノ・ビートが、子供の頃からゲームと共に育った我々世代の脳を刺激する。「ビートマニア」「リッジレーサー」というタイトル名を出せば、きっとアニメやゲームに明るくない方にも音色が想像できるはずだ。SEもハリウッド映画を意識したような大げさな(?)デザインが多く、やはり大作RPGの様相を呈している。

さて、そんな作品のOPテーマ「This game」を歌うのは鈴木このみ。こちらはデジタルな劇伴とは対照的に、エモいピアノ&ストリングス・ロックになっている。面白いのは、そんな「This game」のシングルに、同曲をダンス仕様にリアレンジしたAnother Ver.が収録されることだ。こんな方法でアニメ作品との親和性を出すとは正直驚いた。昨今、アニメ系クラブ・イベントが隆盛の兆しを見せているが、アニソンのダンス・リミックスがもっと広く許容される機会にも繋がりそうで期待できる。

とにかく『ノーゲーム・ノーライフ』の音楽チームの大胆な采配・施策には驚かされるばかり。今後もどのような仕掛けが設置してあるのか、引き続き注視していきたい。

TEXT BY 西原史顕(リスアニ!)

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