ボカロPからアーティストへ……クセになる音楽とはまさにこのこと!

TEXT BY 柴 那典

 いまや日本の音楽シーンにおいて大きな存在感を持つボーカロイド。コンピュータで歌声を合成できるソフトなのですが、その代表的なキャラクター・初音ミクは、BUMP OF CHICKENと共演したり、レディー・ガガのコンサート・ツアーに参加したりと、バーチャルな歌姫として世界に飛躍中。とある調査では好きな音楽に“ボカロ曲”をあげる人が全世代で17%、10代女性では40%になったとか。ここ最近では、もう誰もが知っている存在になりつつあるのです。

 そんなボーカロイドを使って曲を制作するボカロPの中でも、トップ級の人気を持つクリエイターが“ハチ”。「マトリョシカ」など数々の人気曲をニコニコ動画に投稿し大きな成功を果たした彼は、ボカロPとしてだけなく、本名の「米津玄師」名義で自ら歌いアーティスト活動を始めます。

 2012年の1stアルバム『diorama』がオリコン週間6位を記録し注目を集めた米津玄師は、昨年にシングル「サンタマリア」でメジャー・デビュー。その深遠な世界観、作詞作曲だけでなくイラストも自ら手掛けるアーティスティックな感性で大きな支持を集めてきました。

 そしていよいよ、メジャー初となる2ndアルバム『YANKEE』が完成。全曲バンド・スタイルで録音された新作は、彼独特のセンスが鮮やかに花開いた一枚となっています。

 アルバム1曲目の「リビングデッド・ユース」は、アップ・テンポな曲調に乗せて、思春期の鬱屈する感情を爆発させるようなナンバー。ビデオ・クリップは、本当の自分を殺そうと夢遊する主人公をユーモラスながらも切ないタッチで描くストーリー仕立てになっています。

 また、「アイネクライネ」は、東京メトロのCMソングに決定した爽やかなポップ・チューン。“あなた”への真っ直ぐな愛しい思いを歌う歌詞も、本人が手掛けたイラストによるアニメーションのビデオ・クリップも、とても感動的です。

 そして「ドーナツホール」は、昨年10月に久しぶりに“ハチ”名義でボーカロイドを用いて発表された曲。アルバムにも米津玄師が歌ったバージョンがカバーとして収録されています。

 聴いているうちにどんどんハマってしまうメロディ、心に刺さる歌詞の言葉で、沢山の人たちを虜にしている米津玄師の音楽。アルバム『YANKEE』はその溢れる才能が形になった、まさに金字塔的な一枚と言っていいでしょう。

リリース情報

2014.04.23 ON SALE
ALBUM『YANKEE』

T-140411-BA-1427

ユニバーサル・シグマ
[初回限定生産]¥4,000+税
[映像盤]¥3,300+税
[通常盤]¥2,760+税

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