神聖かまってちゃんは“終わった”のか?

TEXT BY 青木 優

約1年半ぶりにシングルをリリースした神聖かまってちゃんの“今”

神聖かまってちゃんの周囲がにぎやかだ。起爆剤になっているのはニュー・シングル「フロントメモリー」である。

この曲の何が面白いかというと、まずはシンガー・ソングライターの川本真琴(「愛の才能」「1/2」「桜」などで有名)がボーカルにフィーチャーされていること。最初この事実は伏せられていたが、3月26日の東京でのライブのアンコールで、の子が「僕が尊敬する人です」と言って招き入れた川本の歌とともに演奏されたことで明らかになった。歌をエフェクト処理した曲が多いかまってちゃんだが、の子が“人力ボカロ”と呼ぶ川本の高い声は「フロントメモリー」のメロディによくハマっている。

また、この曲のビデオ・クリップには元モーニング娘。の新垣里沙が出演し、メンバー4人と共演。心に何かを抱えながら踊る新垣の姿は、楽曲の持つ魅力を鮮やかに体現している。そして「フロントメモリー」のポップなメロディとEDMを思わせるビートの融合は、かまってちゃんのサウンドを進化させたものと言える。

3月のライブでは、の子とmonoがステージで大ケンカ寸前

かまってちゃんは年始のマニフェストどおり、4月9日発売のこの曲を筆頭に5月、6月と3ヵ月連続でシングルを、そして8月にはアルバムをリリース予定。3月発売を計画されていたライブDVD(インディ時代から今年に至るまでを収録)は4月23日に延期されたものの、昨年からの新曲作りはかなりの数が積み重ねられているようだし、7月には対バンツアーも決定している。

ただ、こうした順調さが、かまってちゃんという存在においては、さして魅力的に思えないのも事実。制作中のDVDにも多数収録されているが、このバンドはつねにハプニングやトラブルを巻き起こし、センセーショナリズムの渦をデカくしながらやってきたからだ。そして、の子は最近のインタビューで「僕らはメチャクチャさで出てこれたと思うんで、こういうことを続けたら終わるだけだと思います」「ちょっとだけ邪道な部分を取り入れて王道なことができるかが勝負かな、という気がしますね」と冷静に語っている。

先ほどの3月のライブでは調子に乗りきれなかったためか、の子とmonoがステージで大ケンカ寸前まで行き、こちらもひさびさにヒヤヒヤ感を味わったが、「これでこそかまってちゃん!」という気もした。予測不能、規格外の4人による、しかしハイ・クオリティなサウンド。どっちにしても2014年は今までになかったかまってちゃんを目撃できそうだ。

リリース情報

4.9 ON SALE
SINGLE『フロントメモリー』
ワーナーミュージック・ジャパン

J-20140411-MK-2107

[4946枚限定生産盤/CD]¥1,200+税

  1. フロントメモリー feat.川本真琴
  2. 僕のHIPHOP
  3. ハワイ

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