みんなの映画部 活動01『ロボコップ』[前編]

みんなの映画部 活動01『ロボコップ』[前編]

みんなの映画部 活動01『ロボコップ』[前編]

Base Ball Bear/チャットモンチー/OKAMOTO’S

Base Ball Bearの小出祐介が部長となり、ミュージシャン仲間とひたらすら映画を観るプライベート課外活動“映画部”が月イチ連載に。
毎月、小出部長が選んだ作品をみんなで観賞し、気心知れた仲間同士でゆる~く感想会を展開。そこにはミュージシャンならではの独特な視点も……。

INTERVIEW & TEXT BY 森 直人


活動第1回[前編]
作品:『ロボコップ
部員:小出祐介(Base Ball Bear)、福岡晃子(チャットモンチー)、ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)、オカモトレイジ(OKAMOTO’S)

黒人の笑い声が電気グルーヴの「電気ビリビリ」のサンプリングソースでしたね

──まず、ざっくりした感想からいきましょうか。

小出祐介 ……めっちゃ面白かった。

一同 (笑)

小出 俺、旧作を観てないんですよ。今回が『ロボコップ』初体験。

ハマ・オカモト 僕は確か小学生の時にテレビで1stシリーズの『1』と『2』を観ました。で、レイジがこないだ新幹線で『1』を観てたんですよ。それを僕は隣の席からチラ観していて。

オカモトレイジ えっ、あの時観てたの!?

ハマ そう(笑)。“ああ、こんな話だったわ”って記憶が補完された。でも当時の印象として子供心に怖かったな。『ロボコップ』と『ターミネーター』の1作目はショックが大きかったのを覚えてる。

福岡晃子 私もちっちゃい時に観たきりだけど、怖かった……。昔の『ロボコップ』は頭皮からいきなり機械だったし。

──継ぎ目があるもんね(笑)。

レイジ そう! やたら肉々しいんですよ。

小出 『北斗の拳』のジャギみたいな?

ハマ まさしく(笑)。

レイジ めちゃめちゃ人を撃っちゃうし、血もドボドボ出るしね。オリジナルに比べると、今回のロボコップはスマートでイメケン。

ハマ 新作とは人間だった頃のマーフィー(主人公)の身体がダメになる理由が全然違うの。旧作では彼が蜂の巣にされるんですよ。

レイジ そのシーンの中にいた黒人の甲高い笑い声が、電気グルーヴの1stアルバムの1曲目「電気ビリビリ」のサンプリングソースでしたね。♪ハハハハハ~! って始まる時の。

小出 えっ、あれそうなんだ!

レイジ 新幹線で旧作を観ていた時、「この音、めっちゃ聴いたことある!」と思って。

福岡 すっげー! 細かい音によく気付くね。

ハマ こっちは横から「あ、いいシーンだ」と思っていたのに、パチッって止めて、いきなりiTunes開き出して。こいつ、頭おかしいんじゃねえか? って。

一同 (笑)

小出 物語的にいうと、“改造人間の悲しみ”が核だったよね。あと、ロボコップが開発された経緯と運用目的の、政治的な部分というか。企業と警察の結託に対して、技術者の人間的な葛藤が絡んでくるのもすごくよかった。その構図に俺はいちばん高まったなぁ。日本でいうと『仮面ライダークウガ』のようなリアリティの提示の仕方ですよね。『アベンジャーズ』とか、アメリカのマーベル・ヒーローとは全然違いました。ロボコップはスーパーヒーローじゃなく、あくまで“人”であり“人の造りしもの”なんですよと。だから、能力としても、現実をものすごく超越した描写っていうのはあんまりなかったですよね。

C-20140410-MK-2023プライベートで作ったという「映画部」のバッジ。
活動がガチ過ぎる……

C-20140410-MK-2024映画を観終えて、感想会を行う喫茶店へ向かう4人。
気心知れた仲なので緊張感なし(笑)


俺ね、たぶんオマージュの多い映画だと思ったんだよ

──監督はドキュメンタリー出身の人ですし、現実感を重視してますね。

小出 ですよね。ただ、ロボコップが瞬時に情報を検索して犯人を割り出す機能はわかるけど、“こいつが今どう思ってるか”とか、心模様までグラフで出るでしょ? そこはさすがにフィクションだなぁって。

レイジ その感情を測る機能もオリジナルには一応出てくるんですよ。レイプされる女の人を助けるんですけど「キミハ興奮状態ダ」って(笑)。

小出 全っ然デリカシーないね(笑)。

一同 (笑)。

小出 あと俺ね、たぶんオマージュの多い映画だと思ったんだよ。例えば、『バットマン』の人も出てきますよね。

──マイケル・キートンが。

小出 とても象徴的だと思ったのはフランシス・ベーコンの絵が露骨に出てくること。『トリプティク』っていう三連作の絵が社長室の後ろにバーンとあって。「機械と人間の合体だ」って、ロボコップの開発を思い付くシーンとかに出てくるんですけど。フランシス・ベーコンって、肉体的な部分も精神的な部分も解体して、それを捉え直して絵にしたらどうなるかっていうのをずっとやってきたような人で。いびつなビジュアルのものが多いし、あと、名画とか写真を使ったサンプリングの作品も多くて。そこも、この映画と構造としての共通点を感じたりしつつ。もう一つ、単純に絵がものすごい高値で取引されてるんですよね。あの会社が潤ってるって暗喩でもあるのかも。

ハマ それで言うと、ロボコップの肺を見せるショッキングなシーンがあるじゃないですか。

福岡 あれ、2回目来た時、ほんとイヤだった(笑)。

ハマ あれは『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』の心臓だけで動いてるグリーヴァス将軍みたいなもので、ちゃんとSFの文脈にも則ってる。

小出 オマージュや引用が絶妙。そこでこの映画、すげえ好きだなって思ったんですよ。

C-20140410-MK-2025

[後編]へつづく

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