ヒトリエ
1月にシングル「センスレス・ワンダー」でメジャー・デビューを果たした、ヒトリエ。2ヵ月連続リリースの第2弾である今回ミニ・アルバム『イマジナリー・モノフィクション』について、メンバー全員に話を聞く!
INTERVIEW & TEXT BY 田中 大
今、バンドをやりたい!
──wowakaさんがボーカロイドを使っての制作活動を経て、バンドを組もうと思った理由はなんだったのですか?
wowaka 投稿していたのは2年くらいですね。楽しかったんですけど、投稿していた楽曲をまとめた全国流通盤を出したあとに、次に何をしようか考えたんです。そのとき、僕が音楽にのめり込むきっかけは、あるバンドだったことを改めて思い出して。“人間が見える部分……楽器のキャラクターがちゃんと立っていて、それぞれが高次元で噛み合って襲いかかってくる”っていう感覚が好きだったんだなと。ボーカロイドは別軸として楽しかったんですけど、バンドというものはまだうまく進められていなかったんですよね。それで“今、バンドをやりたい!”と強く思うようになったんです。
根底にあるのは存在価値についての自問自答
──ヒトリエは、“自分の存在理由とは?”という明確な答えがないテーマにすごく向き合っている印象がしたんですけど、どう思います?
wowaka まさにそれがテーマですね。自分のことしか作れないんだなと今回、改めて思いました。いつも頭のなかに想像上の少女を設定して、曲、歌詞、メロディだったりを作っているんですけど、それも結局は自分から出たものなんですよね。曲ごとにテーマは設定するけど、根底にあるのは存在価値についての自問自答とか。まあ、言葉にすると安っぽくなっちゃいますけど、そういうことのような気がします。
──どの楽曲も歌詞を読み解く面白さがありますけど、その点に関してはどのように考えていますか?
wowaka そうですね。歌詞はすごく大事なんですけど、さして大事じゃない……っていう感じ(笑)。あとになってちゃんと意味をわかってくれればいいかなぁと。そこで見てもらって、美しいと感じられる日本語じゃなきゃいけないという美意識はあるんですけど。
暗い感じの別の何かが回っていそう(笑)
──サウンドは「アイマイ・アンドミー」「生きたがりの娘」「アンチテーゼ・ジャンクガール」とかがそうですけど、ダンサブルな側面が強いですよね。
wowaka 頭で余計なことを考える前に体と心が反応するといいなあっていう感じなんです。それは音はもちろん、歌詞も含めて。そっちのほうが音楽を聴く、弾く、歌ううえで正しい気がして。そっちに寄るように作っていくと、いわゆる〝ダンサブル〟と呼ばれるものになっているのかも。
──ゆーまおさんは、曲のダンサブルさについてはどう捉えています?
ゆーまお ハッピーで、舞い上がるようなパーティ感がある4つ打ちとかじゃないのは確かですね。
──ざっくり言うとミラーボールが似合わない4つ打ちなのかなと。
wowaka それ、すごくわかりやすいですね(笑)。
ゆーまお たしかにミラーボールな感じではない。虹色ではないですね。
イガラシ 暗い感じの別の何かが回っていそう(笑)。僕らもこれだけ4つ打ちをしていてなんなんですけど、かっこいいビートとして気軽にはやっていないんです。いつもいろんな試行錯誤をした結果、4つ打ちに行き着いているんですよね。
そういう点では、肩の力が抜けた
──サウンド面についてさらにお話をすると、ギターの単音フレーズを効果的に活かしているのがポイントですね。
シノダ 単音フレーズは、僕らの永遠のテーマなんじゃないかなと。ギターフレーズの足し算引き算は、結構シビアにやっています。
wowaka 僕がそういうのが好きなんですよ。ギターがふたりいて、右と左で違うことをリフでやっていて、それが絡み合っているのがかっこいいっていう様式美が僕のなかにあるので。
──バンド全体のアンサンブルにも、緻密な構築美がありますよね。
wowaka 自分としてはかなり緩くなりましたけどね。今回はかなりバンドのメンバーに委ねているので。今回、僕がやりたかったことのひとつがそれ。メンバーにできる限りそれぞれの味を出してほしかったんです。そういう点では、肩の力が抜けたアルバムになっている気はします。
やりたい活動に見合った肉体
──今年は2ヵ月連続リリースから始まりましたが、この先の目標は?
wowaka ライブをいっぱいしたいです。お客さんを見ながら演奏して、いろんな曲を本当の意味で自分たちのものにしていきたいです。今回を経たうえでの作品のアプローチもしていきたいですね。
シノダ とにかく今年はしこたまライブですね。最近、やるごとにそういうことか! って、ライブのことがわかってきた感覚もあるので。
ゆーまお 規模感も大きくしていきたいです。それは人数とかじゃなくて、自分たちから発信するものの大きさという意味での規模感。それが大きくなれば、バンドとしても強くなれると思うので。
イガラシ あとやっぱり思うのは、地道な活動をしたい。そうすることで、バンドとしてのしっかりした肉体が欲しい。まだ経験が少ないバンドなので、いろいろなやりたい活動に見合った肉体が作れるようになりたいです。音源はかっこいいものができたので、これを聴いてライブに来てくれた人がいいな! って思えるものがやりたいです。
リリース情報
2014.02.19 ON SALE
MINI ALBUM『イマジナリー・モノフィクション』
非日常レコーズ

¥1,800+税 ※初回仕様限定盤
- アイマイ・アンドミー
- 生きたがりの娘
- アンチテーゼ・ジャンクガール
- 踊るマネキン、唄う阿呆
- (W)HERE
- ever ever ever
- 浮遊と沈没と
ライブ情報
ヒトリエ2014年東名阪ワンマンツアー
『マネキン・イン・ザ・パーク』
04/06(日)大阪・LIVE SQUARE 2nd Line
04/08(火)愛知・名古屋 APOLLO BASE
04/18(金)東京・恵比寿LIQUIDROOM