ゆず -ふたりは“懐かしさ”から“あらたなもの”を生み出す

ゆず - ふたりは“懐かしさ”から“あらたなもの”を生み出す

ゆず

NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』主題歌「雨のち晴レルヤ」をはじめ、ドラマやアニメ、CMで耳にするゆずのハーモニーがぎっしり詰まったニュー・アルバム。一枚の作品として聴けば、あらたな世界をアナタに見せてくれる──。

INTERVIEW & TEXT BY 谷岡正浩


懐かしく、すごくレトロでありながらも、すごく新しいもの

──前作『LAND』から約9ヵ月という、ゆず史上最短でのオリジナル・アルバムリリースになります。またあらたな扉が開けたという感じがします。

北川悠仁 『LAND』の世界観を、作品と全国ツアーを通してやり切ることができて“いいものができた!”と手応えをつかむことができたんです。その創作意欲が消えぬまま、『新世界』に繋がってきましたね。

──アルバム・タイトルに込められた意味はなんでしょうか?

北川 懐かしく、すごくレトロでありながらも、すごく新しいもの。今回、僕たちが目指すところを総称したものが“新世界”です。僕らが元々持っていたものを“フォーク・エンタテインメント”って言っていたんですけど、それよりもさらに進んだ“ネオフォーク・エンタテインメント”でやっていこうという感じが“新世界”という言葉で表現できるなと思いました。過去と現在と未来がしっかり繋がっていて、懐かしいものをもう一度見直したりしながら新しいものに進んで行く。そういう地に足の着いた“新世界”を描きたいなと思ったんですよね。

──1曲目の「ヒカレ」は日本生命のCMソングとしてオンエア中ですが、CMとの映像がとてもマッチしていました。

北川 CMに出演している高橋大輔選手もその時期に怪我で苦しんでいて、伊藤みき選手、浅田真央選手など、表舞台に立って光は確かにあるんだけど、影では葛藤しながら、もがきながら進んでいる方々の姿と自分を照らし合わせました。

岩沢厚治 “王道感”と言いますか。ゆずの得意な分野をより濃く出せればと思いながら作りましたね。

──続く「雨のち晴レルヤ」は“懐か新しい”を象徴する楽曲であり、アルバムの柱にもなっていますね。

北川 アルバムの中でいちばん大きな柱になったんじゃないかと思います。柱になる曲って、いつもアルバム発売に近いシングル・リリースになったりするんですが、今回は先陣を切って、じわじわと浸透していった感じですね。

原点は、やっぱり“ふたりで歌う”こと

──「表裏一体」からは、アニメ主題歌ならではの、アバンギャルドな攻め方を見受けられました。

北川 アニメ・タイアップがあったことで、楽しめているというのもあります。ゆずだけの曲というときにはトライしないようなことも、「アニソンをゆずがやるなら」っていう振り切れ方ができたというか。それが結果的に新しいゆずになっていくというプロセスは楽しいですね。

──そして「素顔のままで」。これをアルバム曲として収めてしまう、ゆずの度量の広さを感じます。構成していくうえで意識したことはなんですか?

北川 ゆずの良さといいますか。『新世界』に取り組むときに、改めて自分の原点を見つめたうえで新しいことに挑戦したいなと思ってました。その原点は、やっぱり“ふたりで歌う”ことだなと。路上時代から歌が好きでやってきたので。ふたりで歌うことの面白さをこの曲の中でいくつかやってるんです。あと、個人的なことなんですけど、Bメロに関しては人生で書いたBメロの中で、この曲の2番のBメロが最高の出来ですね(笑)。作りとしてよくできたなと。

──レコーディングはいかがでしたか?

岩沢 北川の中にこの曲が完全に入り込んでいたので、レコーディングでは彼の思う歌い方を目指しました。「違う、そこは違う!」と鬼軍曹のように言われながら(笑)。そのニュアンスを出すのが非常に難しい曲でした。それくらいこだわりがあったんですね。

──「Ultra Lover Soul」の歌詞に登場する“伊勢佐木町”はキラー・ワードですね。ゆずファンであれば「きました!」という感じです(笑)。

北川 久しぶりに出しましたね。僕らの原点なんですが、原点をこんな形で使っていいのか迷いました(笑)。ただ、伊勢佐木町の持っているレトロな感じというのは今回のアルバムに合うと思いましたね。

──続く「ひだまり」は、あたたかみあるサウンドはもちろん、アカペラから始まる感じも良いです。

岩沢 空気感をとても大事にした曲ですね。「弾き語りでもいいじゃん」となりそうな曲でもあるんですけど、元の良さをなくさないようにちょっとアレンジを加えていきました。タイトルの通り、照りつけるような太陽ではなく、ほっとなるような空気というか雰囲気を込めて。「ひだまり」の字のとおりです。

──“ほらいつもよりも素晴らしい朝だよ”という歌詞には、ホーンしかないですね(笑)。

岩沢 そうですね(笑)。映画のお話をいただいていたのも大きくて。『銀の匙 Silver Spoon』の原作を読みながらこんな感じかと曲に反映させた部分もあり。自分にもそういう時代があったなあと思いながら作りました。

これ、ハモだけ聴いたら相当すごいと思いますよ

──1970年代フォークに近い感じがする「四間道路」は、正直、ゆずの持つフォークイメージからは少し離れている気がします。岩沢さんはこの曲についてはいかがですか?

岩沢 大好物ですよ。ただ、弾き語りの曲なのでそのニュアンスって大事じゃないですか。このフォーク感に潜んでいるマイナー感がより引き出せればなと。

北川 これ、ハモだけ聴いたら相当すごいと思いますよ。

岩沢 これは、ゆずにしかできない(笑)。

──アルバムを締めくくるのは「友 〜旅立ちの時〜」。「四間道路」の歌詞の流れから聴くと、シングルのときとは違う響き方をしますね。

北川 「友達の唄」をはじめ、20代の頃に作った友情をテーマにした曲はあるんですけど、30半ばの僕らが歌う等身大の友の歌にできたかなと思います。中学生が歌うバージョンも別の響き方がしてもちろん良いんですけど、おじさんたちの歌うこの曲もも聴いてほしいですね(笑)。

岩沢 『新世界』というタイトル繋がりで聴こうとすると「雨のち晴レルヤ」でスタートするイメージがどうしてもあるんですけど、実は「友 〜旅立ちの時〜」からなんですよね。なので「あなたから始まりましたよね」という気持ちです。とどめを刺せたというか、しっかりアルバムを完結することができた曲だと思います。

リリース情報

2014.02.19 ON SALE
ALBUM『新世界』
トイズファクトリー

J-20140220-MK-1856[初回限定盤/CD+DVD]¥3,000+税
J-20140220-MK-1857

[通常盤/CD]¥3,000+税

  1. ヒカレ
  2. 雨のち晴レルヤ
  3. よろこびのうた
  4. ユートピア
  5. 表裏一体
  6. 素顔のままで
  7. 幸せの定義
  8. Ultra Lover Soul
  9. レトロフューチャー
  10. Interlude ~Old New World~
  11. ひだまり
  12. 所沢
  13. 守ってあげたい
  14. 四間道路
  15. 友 〜旅立ちの時〜

[付録CD(初回限定盤)]

  1. おっちゃんの唄
  2. 夜霧の伊勢佐木町

ライブ情報

YUZU ARENA TOUR 2014 新世界

05/31(土)北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
06/08(日)徳島・アスティとくしま
06/14(土)福岡・マリンメッセ福岡
06/15(日)福岡・マリンメッセ福岡
06/21(土)静岡・静岡エコパアリーナ
06/24(火)愛知・日本ガイシホール
06/25(水)愛知・日本ガイシホール
07/01(火)大阪・大阪城ホール
07/02(水)大阪・大阪城ホール
07/06(日)広島・広島グリーンアリーナ
07/12(土)埼玉・さいたまスーパーアリーナ
07/13(日)埼玉・さいたまスーパーアリーナ
07/18(金)神奈川・横浜アリーナ
07/20(日)神奈川・横浜アリーナ
07/29(火)大阪・大阪城ホール
07/30(水)大阪・大阪城ホール
08/02(土)福井・サンドーム福井
08/17(日)新潟・朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター
08/23(土)宮城・宮城・セキスイハイム スーパーアリーナ
08/26(火)東京・国立代々木競技場 第一体育館
08/27(水)東京・国立代々木競技場 第一体育館

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人