moumoon
“歌うこと=生きること”なら、全力で取り組んでみたいと今回は早々にコンセプトを掲げ、制作に臨んだというアルバム『LOVE before we DIE』。生命力が湧き出るような、エネルギーに満ちた作品に仕上がっている。
INTERVIEW & TEXT BY 藤井美保
「なんで生きてるの?」と言われてるみたい
──今回のテーマを考え始めたのは?
YUKA アルバム『PAIN KILLER』を中心にした昨年のツアーを終えてすぐ、次に作りたいものをひと言で表すなら? と考え始めました。そこでまず浮かんだのが“before we die”という言葉。スタッフから「“die”という言葉の響きは重すぎではないか?」という意見もあったけど、私としては“die”を歌うことで、逆に生命力豊かな作品になるに違いないという予感がありました。
──“before we die”という言葉は、その段階では、どんな意味合いだったのでしょう?
YUKA 「そもそもなんで歌っているの?」と尋ねられたりするんですけど、そのたびに私は「なんで生きてるの?」と言われてるみたいだな、と感じて。もし、歌うことが生きることなら、持てるだけの力を振り絞って生きてみたいし、死ぬ気で誰かを愛してもみたい。それを形にできたら、予感通り、生命力豊かな音楽になるはずだと。
──なるほど。『LOVE before we DIE』というタイトルがより素敵に思えてきます。
MASAKI YUKAちゃんは本当に次々といろんなテーマを見つけてきますね。対照的に、僕のフォーカスは小さい(笑)。これが好き! といういくつものピースを組み合わせる作業をずっとしている気がします。だから、今回みたいに早い段階で明確なテーマがあるとすごく助かる。どのピースの組み合わせがベストかを導き出す判断基準となりますからね。
音ひとつ選ぶドキドキ感を、命がけでやってみたい
──『15 Doors』『No Night Land』『PAIN KILLER』に加え、今作。ハイペースな創作活動が続いてますね。
YUKA だからこそ、マンネリ化したくはないと思ったんでしょうね。1年に1度のルーティーン・ワークではなく、“これで悔いはないか?”と、つねにヒリヒリと自分に問いかけて音ひとつ選ぶドキドキ感を、命がけでやってみたい。
──作曲合宿はどうでしたか?
MASAKI 最近ではYUKAちゃんも鍵盤をいじるようになって、意外なかっこよさも飛び出したりするんですよ。僕は、言われた通りやらされているマニピュレーターみたいな場面も多くなりました(笑)。
YUKA 「I Say You Say I ♥ You」なんかはそうやって生まれた曲です。なんか物足りなくて、「次の世界に連れてって!」と、大サビをMASAKIくんにお願いしました。
MASAKI きっかけがYUKAちゃんの曲は、以前の作品群とはちょっと違った色になる。moumoonの世界がより広がったなと思います。
YUKA ふたりでアレンジしながら作ると、ライブの風景も見えてきたりもします。
──刺激し合えているんですね。共作曲も増えましたし。
YUKA 見えている景色が同じだったり、やりたいと思ってることへのお互いの理解度が高まっている気はします。ただ、まったく違うこともあるので、“思ったことはすべて口にする!”を心がけています。
YUKAちゃんに躊躇はなかったですね(笑)
──新鮮だったのは、まず「Yesterday today and Tomorrow (無気力同盟ショボンヌ)」。
YUKA リラックスできる曲にしたかったので、ユルユルな感じにしました(笑)。カリンバやグロッケンは私が奏でているんです。
──「Baby Goodbye」のスライド・ギターにも惹かれました。
MASAKI かっこよくなる方法を最後まで迷って模索した結果があれで、スライドもたまにはいいですね。ただ、なかなかうまくは弾けないんですけど。
──「IN THE END」から最後までの流れもすごくよくて。“血をみるような喧嘩”など、強烈な言葉も躊躇なく使っているように思えましたが。
MASAKI YUKAちゃんに躊躇はなかったですね(笑)。
YUKA 周りの躊躇はあったので、一度別の言葉に置き換えたんですけど、やっぱりそれでは当初の意図が完遂できないなと思い、元に戻しました。大胆なことを目指したわけじゃなく、自然と出てきた言葉だったんです。
──「Everyday」の温かさには、心底じーんとしました。
YUKA MASAKIくんの曲が醸し出す品とか包容力を感じました。あれがあったから、「memento」という直前の並びの曲があらたに欲しいと思ったんです。ただただ現実を見つめる落ち着きを持った曲が。
シュパンッ! シュパンッ! と録れる
──“メメント・モリ(死を記憶せよ)”をすごく考えさせられる並びでした。
MASAKI 制作時間は限られていたけど、YUKAちゃんがあの位置に欲しいと思う世界観はすぐに見えました。あの音だからこそ湧き上がる言葉もあったんじゃないか? と思うんで、頑張ってよかったです。
YUKA 湧き上がると信じた甲斐がありました。声自体の存在感も思ったようにフィーチャーできたし。
MASAKI うん。今回サウンド面でのいちばんのトピックは、歌の大半を自宅スタジオで、ノイマンU67(マイク)を使って録ったことで。YUKAちゃんの柔らかい声の質感がちゃんと出せて、自信になりました。
YUKA MASAKIくんはオペレートも早いので、シュパンッ! シュパンッ! と録れる。特にコーラスは1000本ノックみたいでした(笑)。
──ボーナス・トラックにはミニ・リパートンの「Lovin’ You」のカバーも収録されていますが、カバーは珍しいですよね。
MASAKI 完成形を崩すのって難しいですね。普段ただ自由に音作りをしているだけで、アレンジャーとして器用なわけじゃないんで。でも、いい勉強になりました。
──3月からはライブハウスを回るツアーも始まりますが。
YUKA それもまたチャレンジですね。ホールとは違う濃密な空間で、このアルバムだからこそのコミュニケーションをしたいと思ってます。ぜひ楽しみにしていてください。
リリース情報
2014.01.29 ON SALE
ALBUM『LOVE before we DIE』
avex trax

[CD]¥3,000+税

[CD+2DVD]¥4,400+税


[CD+2DVD+オフィシャルファンクラブ
「月面基地」限定パッケージ]¥4,400+税
- エメラルドの丘
- I Say You Say I ♥ You
- Baby Goodbye
- Will you?
- Yesterday today and Tomorrow (無気力同盟ショボンヌ)
- Butterfly Boyfriend
- IN THE END
- memento
- Everyday
- LOVE before we DIE
- Lovin’ You(CD ONLYのみ収録)
- memories(CD ONLYのみ収録)
【DVD】
[DISC-1]
「FULLMOON LIVE SPECIAL 2013 ~中秋の名月~」IN NAKANO SUNPLAZA 2013.09.19
[DISC-2]
- I Say You Say I ♥ You(Video Clip)
- エメラルドの丘(Video Clip)
- LOVE before we DIE(Video Clip)
【Blu-ray】
- 「FULLMOON LIVE SPECIAL 2013 ~中秋の名月~」IN NAKANO SUNPLAZA 2013.09.19
- I Say You Say I ♥ You(Video Clip)
- エメラルドの丘(Video Clip)
- LOVE before we DIE(Video Clip)
【オフィシャルファンクラブ「月面基地」限定パッケージDVD】
[DISC-1]
「FULLMOON LIVE SPECIAL 2013 ~中秋の名月~」IN NAKANO SUNPLAZA 2013.09.19
[DISC-2]
- I Say You Say I ♥ You(Video Clip)
- エメラルドの丘(Video Clip)
- LOVE before we DIE(Video Clip)
- Video Clip~LOVE before we DIE/I say You say I ♥ You~&Jacket(Making Clip)
- 「FULLMOON LIVE SPECIAL 2013 ~中秋の名月~」IN NAKANO SUNPLAZA(Making Clip)
- Making of mm in Fran
ライブ情報
FULLMOON LIVE TOUR 2014 ~LOVE before we DIE~
03/22(土)北海道・札幌cube garden
03/29(土)東京・SHIBUYA-AX
03/30(日)東京・SHIBUYA-AX
04/02(水)石川・金沢AZ
04/04(金)京都・MUSE
04/05(土)兵庫・神戸Kobe SLOPE
04/06(日)広島・ナミキジャンクション
04/19(土)福島・郡山CLUB#9
04/20(日)宮城・仙台CLUB JUNK BOX
04/26(土)茨城・水戸ライトハウス
04/27(日)栃木・HEAVEN’S ROCK宇都宮
05/10(土)愛媛・松山サロンキティ
05/11(日)福岡・DRUM Be-1
05/17(土)愛知・E.L.L
05/25(日)大阪・梅田AKASO