吉田山田 -老若男女の心を揺らした「日々」。大切な人を改めて気づかせてくれるアルバムが今届く

吉田山田 - 老若男女の心を揺らした「日々」。大切な人を改めて気づかせてくれるアルバムが今届く

吉田山田

いいことも悪いことも一緒に時を重ねることで生まれる不思議な感情。そんな言葉にできない想いを目の当たりにした吉田山田が、歌で伝える。様々な人間模様が浮かび上がる“さらけ出した”というアルバムは、人々の心を根っこから揺らす。

INTERVIEW & TEXT BY 前原雅子


「愛してる」って言葉では片付かない日々があったんだろうな

──NHK「みんなのうた」でお馴染みの「日々」、いい曲ですね。

吉田結威 そう言ってもらえるのが、ほんと、シンプルにうれしいです。

山田義孝 あの曲、実はモデルがいて。ウチは親が共働きだったんで、近所の畳屋さんのおじいさんとおばあさんによく遊んでもらってたんです。でも当時は、このふたりの空気感はなんだろう……と思ってて。仲がいいんだか悪いんだかわかんない、不思議なふたりだったんですね。それが最近、おじいさんが亡くなったっていうのをオカンから聞いて。

吉田 山田にとっては、本当のおじいさんとおばあさんみたいなふたりだったんですよね。

山田 それで心配でおばあさんに会いに行ったら、看病が「本当に大変だった、大変だった」って言うんですよ。だから「それでもおじいさんのこと愛してたんでしょ」って聞いたんですね。そしたらおばあさんに「……。愛してはいなかったね……」って言われて。それがまたすごいショックで。

吉田 その話を聞いて、なんかわかる気がしたんです。「愛してる」「ありがとう」「ごめんね」でもない、どう言葉にしてもしっくりこないことってあるなって。いいことも悪いことも重ねてきた日々があるからこそ、言わなくても伝わるものがあるというか。

山田 よっちゃんにそう言われて、「そっか……」って思ったんです。「愛してる」って言葉では片付かない日々があったんだろうなって。それで歌詞を“「いつも毎日本当に…」”にしたんですよね。

満員電車のなかで、オジサンの耳元で歌っちゃったりするんですよ

──山田さんのご両親も、「日々」のおじいさんとおばあさんのようなふたりなんですか。

山田 全然違いますね。料理店をやってるんですけど、ふたりとも大の歌好きで、いつも即興で歌いながら料理してるような変な人たち(笑)。そういう環境で育ったんで、僕も何かって言うと鼻歌しちゃうんですよ。

吉田 満員電車のなかで、オジサンの耳元で歌っちゃったりするんですよ。

山田 歌ってさ、息を吸うような感覚だから。ガタンゴトンって電車の動きに身を任せてると、“フフフフン~”って出てきちゃう。

吉田 で、電車を降りてから「やめて!」って注意するっていう。「シルクハット被った金髪のお下げ頭の男か女かよくわかんない人が、“耳元で歌ってる……!”って、オジサン、ものっすごくビクビクしてたでしょ」って。

──たしかに、ザ・男子っていう感じじゃないですもんね(笑)。

山田 いや、男性です。

吉田 そこはね、わかんないですよね。

山田 なんで濁すの、そこを。

吉田 人それぞれ自由ですしね。いいよ、止めないよ、自由でいいよ(笑)。

山田 だから男性なんで。そこ、ハッキリ書いておいていただきたい!(笑)

全然違うものがフォローしあいながらやってく、いいことばかりじゃないけど素敵なこと

──そんな「日々」を含む3枚目のアルバム『吉田山田』が、いよいよリリースされました。

山田 そうなんです。今回はそれぞれが作詞作曲した曲が基本になってますね。

吉田 そのせいか、なんか今回はさらけ出す勇気や覚悟みたいなものが全然違いました。それくらい鎧のない状態の、そのまんまの僕たちが出たアルバムになった、みたいな。というかそれが今回の大きなテーマだったので。だからこのアルバムが響かないって言われたら、ものすごい傷つくと思うんですよ。

──そこまでさらけ出すことになったのには、何か理由があったんですか。

山田 自分のままで、勝負したいと思ったのかな……。最初は軽い気持ちで作り始めてたのが、どんどん楽しくなってきて。普段は会話が苦手だったりするんですけど、これを言いたかったんだってとこに辿り着けたりして。自分発見の旅をしてるみたいだった(笑)。

吉田 だから今回のアルバムは“吉田”がいて、“山田”がいて、それで『吉田山田』になってて、みたいな感じがするんですよね。

──そのせいだからか、今回のアルバムはとても「男の人」っぽいですよね。

吉田 きっとすごく個人的な歌が多いからでしょうね。そうなればなるほど、僕も山田も男なんで(笑)、男の部分が表に出て行くのかなって。なおかつ人間のどうしようもない哀しさも実は大切なことで、それも含めて幸せなんじゃないかっていう「日々」にも通じることが、すべての曲に入ってる気がします。計算してやったことではないですけど、一貫してそういう流れのアルバムになったなって。

──それは感じました。どの曲にも「日々」で歌われてるテーマを感じるなぁと。

吉田 そうなんですよ。それも完成して思ったことで。なんか僕たちもそうですけど、全然違うものがフォローしあいながらやってく、いいことばかりじゃないけど素敵なことだねっていうのが、結構根っこのテーマになってたんだなぁって。それが素直にいい形で出たアルバムになったと思います。

山田 なのでタイトルも潔く『吉田山田』。そこも僕たち的には、すごく納得してるところです。

──ところで最近のおふたりは、どんな感じですか。例えば何かにハマってるとか。

吉田 なんだろ……。最近僕、和のスイーツにハマってるかもしれない。昔はあんこが食べられなかったんですけど。

山田 意外にスイーツ男子なんですよ。

吉田 そもそも去年の夏、かき氷にハマって。いい氷を使ったかき氷って本当においしくて。これで昔は涼をとってたんだなぁ、風流だなぁって、歴史まで感じちゃって。

山田 ハマりだすと、同じもんばっか食べるんですよ。ぼくそこまで興味ないし、カラダ冷えるし、「また行くの……?」って感じだったんですけど。

──さすがにフレーバーは変える?

吉田 ほとんどが「和三盆」味。お砂糖の味だけでいただくんです。

山田 ね、そこまで?! って感じじゃないですか。

吉田 さすがに今は寒いので食べないですけど。あと葛切りも好きですね~。

──葛切りだったら、京都の。

吉田 おっ?

──鍵善。

山田 きたー、鍵善! ホントすぐ行きたがるんですよ。

吉田 仕事で京都に行くときは、必ず鍵善タイムを作ってもらいますから(笑)。はぁ~、なんか食べたくなってきたなぁ~。ねぇ?

山田 あ、いや、食べたいけど……。よっちゃんほどじゃないと思う(笑)。

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