世界的大ヒットコミック!ヒップホップの歴史が丸わかりの「ヒップホップ家系図」

1970年代初頭に、ニューヨークのサウス・ブロンクスで生まれたヒップホップ。その発展とともに、DJ、ブレイクダンス、グラフィティアートなどのたくさんの新しい表現を生み出してきた。

そんな70年代から始まるディープなヒップホップの歴史に今から触れてみたいと思うヒップホップ初心者たちに朗報。ヒップホップの入門に最適なアメコミがあるのだ。

その名も「ヒップホップ家系図」(PRESSPOP INC.)。ピッツバーグ在住のコミック作家エド・ピスコーによって制作されたこの異色なアメコミシリーズは、世界中で大ヒット。

英語版の第1巻は、ワシントン・ポスト紙の「2013年ベストコミック」にも選出された傑作だ。

 

アメコミだからこそ踏み込むことのできる現場と瞬間

まず、「ヒップホップ家系図」を読むことで、ヒップホップカルチャーを形成してきた「表現方法の発明」や「キーパーソンの出会い」といった伝説の瞬間に誰もが立ち会うことができる。

ラップの腕を磨いたストリートやオーディエンスを魅了したダウンタウンのディスコから、マネージャーと衝突したレコード会社や売り上げの未払いをめぐり争った裁判所まで、今なお語り継がれている現場を、本作ではアメコミイラストを通して覗き見ることとなる。

もちろん、当時の様子を記録した映画「ワイルド・スタイル」のような映像作品も存在するが、数は決して多くないのが実情。

作者のエド・ピスコーは、残された証言や記録を基に、今では見ることのできない瞬間を、アメコミという手法でビジュアル化することに成功している。その調査の徹底ぶりはすさまじく、映画「ワイルド・スタイル」の撮影の裏側までもが描かれている。

 

スターたちがデビュー前の“何者でもない姿”までも!

また「ヒップホップ家系図」は年代ごとに分けられて、ヒップホップシーンの発展の様子を記している。

例えば、エアロスミスとの「Walk This Way」のコラボでお馴染みのヒップホップクルー、RUN DMCの場合、第1巻(1970年~1981年)に結成前の3人の姿、そして第2巻(1982年~1983年)にクルーを結成して本格ブレイクに向けて試行錯誤する様子が描かれている。あらゆるラッパーやDJのブレイクの瞬間のみならず、デビュー前の何者でもない時代から下積み時代まで克明に描かれていることが本書の魅力だ。

 

大胆なデフォルメで見せるこだわりのキャラクター描写

クール・ハーク、アフリカ・バンバータ、グランドマスター・フラッシュ、ビースティ・ボーイズ、リック・ルービン、ラッセル・シモンズ……ヒップホップ史の重要な登場人物たちが、各自の特徴を踏まえて大胆なデフォルメでキャラ化されている。

初心者は登場人物を簡単に覚えることができ、往年のファンはアメコミヒーロー化されたヒップホップスターたちにあらたに出会うことができるのだ。

 

そんな魅力たっぷりの「ヒップホップ家系図」。待望の最新作である第3巻(1983年~1984年)が2016年の1月20日に発売された。この機会に、ヒップホップが誕生し発展していく現場を覗きにいってみてはいかがだろうか。

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