反メインストリームなのに20万人来場!ディアンジェロも出演した「アフロパンクフェスティバル」とは?

海外で人気の出た音楽イベントが日本に進出することは珍しくない。例えば、EDMの祭典である「ウルトラ・ミュージック・フェスティバル」も1999年にアメリカで始まり、2014年に日本に上陸した。

では、海外では今どんな新しい音楽イベントが流行っているのだろうか。今回は、アメリカで話題の音楽イベント「アフロパンクフェスティバル(AFROPUNK FESTIVAL)」を紹介しよう。

 

アンチメインストリームを掲げる20万人規模の都市型フェス


アフロパンクフェスティバルは、2005年にニューヨーク・ブルックリンの小さなカフェで始まった音楽イベント。初回は100人ほどが集まるフリーコンサートであったが、この10年で急成長。2015年はブルックリン・コモドーレ・バリー公園で開催され、8月21日から8月23日の3日間で20万人以上の人が訪れるニューヨーク最大級のフェスとなった。

アフロパンクフェスティバルの特徴は、「アンチメインストリーム」を掲げて開催されていることだ。主催者は、「このフェスではメインストリームのヒップホップ、R&B、EDMは聴けない」と公式に宣言しており、参加者にはブランド化されたものに流されず、多様な音楽を聴くことを推奨している。

 

ドキュメンタリー映画「アフロ・パンク」のオルタナティブ精神


アフロパンクフェスティバルのアンチメインストリームの姿勢は、2003年のドキュメンタリー映画「アフロ・パンク」に強い影響を受けている。映画「アフロ・パンク」は、アメリカの黒人パンクシーンを題材にしたロックドキュメンタリー。白人ばかりのアメリカのパンクシーンに乗り込んでいく、若き黒人パンクロッカーたちのアイデンティティをめぐる葛藤と挑戦をリアルに映し出した名作だ。

アフロパンクフェスティバルは、黒人パンクロッカーたちの持つ「アフリカンアメリカンとしてのロックな反逆精神」に影響を受けて、「黒人はみんなヒップホップとバスケットボールが好き」というような人種のステレオタイプ化に反抗するべくスタートした音楽イベントなのだ。

 

豪華な出演者たちと寡作の天才による伝説のライブパフォーマンス


アフロパンクフェスティバルには、レニー・クラヴィッツやグレイス・ジョーンズといったベテランから、ロウリーやケイトラナダといった若手まで、フェスの思想に共鳴したアーティストが多数出演してきた。そのなかでもベストアクトとされているのが、ディアンジェロの2014年のパフォーマンスだ。

2014年12月にアルバム『Black Messiah』をリリースし、ブラックミュージックの未来像を世界に提示したディアンジェロ。そのリリース前の8月にザ・ルーツをバックバンドとして従えて、ヘッドライナーとしてアフロパンクフェスティバルに登場。

ジミ・ヘンドリックス「Third Stone From The Sun」のカバーから始まり、プリンスの「She’s Always In My Hair」のカバーで終わる約1時間のパフォーマンスは、これまでの革新的な黒人アーティストにリスペクトを捧げつつ、型にはまらない新しい音楽を求めていくアフロパンクフェスティバルの精神をまさに体現したものであった。

 

黒人の人口が他の先進国に比べて高くない日本には、アフロパンクフェスティバルは上陸しないかもしれない。しかしその精神に影響を受けた音楽イベントは誕生するのではないだろうか。

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