高速スネア&派手な電子音。中毒性高い新たなクラブミュージック「トラップ」とは?

「トラップ(Trap)」という音楽ジャンルを知っているだろうか。
トラップとは、「Crack house=コカインの密売所」を意味するヒップホップのスラングで、2011年頃からアメリカのクラブシーンを中心に流行しているクラブミュージックで、特徴はその中毒性の高さだ。

今回は、こんな物騒な名前の由来を持つ音楽ジャンル「トラップ」を紹介しよう。

 

いつ誕生した音楽ジャンルなのか


トラップの起源には諸説あるが、アトランタやヒューストンなどの「サウスサイドのヒップホップ」であるとされており、スネアの連打やスリリングに展開するベースライン、サイレンやシンセによる派手な電子音で構成されている。それらの組み合わせで中毒性の高いビートが生み出されるのだ。

トラップが一般に知られるきっかけとなったのは、2003年にリリースされたラッパーT.I.のアルバム『Trap Muzik』のヒットである。まずは、このアルバムに収録されている「Rubber Band Man」を聴いて、トラップを体験してみよう。

トラックの中で「チチチチチチ」と高速で連続になっている音が、トラップの特徴のひとつとされている「スネアの連弾」である。最初期の曲で、あくまでラップがメインなので、トラップの要素となる音は控えめではあるが、あらたなジャンルの萌芽が垣間見える一曲だ。

 

2010年代、本格的なトラップブームの到来


その後、2010年代になって本格的なブームを迎えたトラップ。そのブームのきっかけとなったのが、ラッパーのワカ・フロッカ・フレイムが2010年にリリースした「Hard in Da Paint」だ。

当時まだ19歳であったレックス・ルガーのプロデュースによるこの曲には、その後のトラップの定番となる強烈な電子音のパターンが詰まっており、トラップの歴史を語るうえで外せない一曲。

この曲が収録されたワカ・フロッカ・フレイムのデビューアルバム『Flockaveli』は29万枚を超える大ヒット。ワカ・フロッカ・フレイムは一躍スターラッパーの仲間入りを果たしたが、彼は「全米屈指のお騒がせラッパー」としても有名である。

大麻の合法化と犬のレストランへの入場の禁止を公約に2016年の大統領選挙への出馬を表明したかを思えば、弾丸が装填された銃を飛行機内に持ち込もうとして逮捕されるなど、音楽以外のニュースで連日メディアを騒がせている。

あの大物ラッパーもトラップの楽曲をリリース


そしてワカ・フロッカ・フレイムの大ヒットを経て、他のラッパーのトラップ楽曲のリリースし始める中、ついにはヒップホップ界の大物までもがトラップ界に参入。それが2010年にカニエ・ウェストとジェイZのコラボ曲「H.A.M」だ。

ワカ・フロッカ・フレイムの「Hard in Da Paint」と同じく、レックス・ルガーがプロデュースを務めたこの曲によって、ついにメジャーシーンへもトラップが進出した。これ以後、トラップはダンスミュージックの世界にも広がっていき、クラブシーンでブームとなっていった。

今回はアメリカのヒップホップを中心に紹介したが、トラップはヒップホップに限らず、クラブミュージックの世界で日夜発展しているジャンル。

トラップ専門のYouTubeチャンネルもあるので、これらを手掛かりにぜひともトラップミュージックの世界に踏み込んでみてはいかがだろう。

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