アーティストたちが「007 スペクター」を観てガチ感想!!【みんなの映画部】

Base Ball Bearの小出祐介が部長となり、ミュージシャン仲間と映画を観てひたすら語り合うプライベート課外活動連載。今回は、ダニエル・クレイグの圧倒的な魅力で人気をリブートさせた「007」シリーズ最新作を観に劇場へ。大ヒットした前作「007 スカイフォール」にそれほど乗れなかった小出部長は、本作をどう捉えたのか……。


活動第22回「007 スペクター」[前編]
参加部員:小出祐介(Base Ball Bear)、福岡晃子(チャットモンチー)、オカモトレイジ(OKAMOTO’S)

“「スカイフォール」ほどじゃない”って言っている人と、僕の見方は違うんだろうなと

──みんなの映画部、21回目です。今回は英国が誇るスパイ映画のご長寿シリーズ最新作(第24作)「007 スペクター」。まずは小出部長、ひと言どうぞ!

小出祐介 僕はすごく好きでした。まず、耳や目に入ってた前評判が微妙だったんですよ。前作の「007 スカイフォール」(2012年)ほどには良くない、みたいな。

でも、僕はそもそもダニエル・クレイグがジェームズ・ボンド役(第6代目)になってからの4本の中で「スカイフォール」がいちばん好きじゃないんですよ。だから“「スカイフォール」ほどじゃない”って言っている人と、僕の見方は違うんだろうなと思って。

で、今回の観賞にあたり、「007 カジノ・ロワイヤル」(2006年)から「007 慰めの報酬」(2008年)、「スカイフォール」まで、ダニエル・クレイグ版を全部まとめて観直してきたんですけど。

福岡晃子 すごっ。

小出 「007」って50年以上前から続いているシリーズだから、僕も昔のものは飛び飛びでしか観てないんだけど、基本的に1本で独立しているんですよ。それがダニエル・クレイグ版になって実は話がずっと続いている。

ところがその中で「スカイフォール」がビョン! とハネたのね。それはジェームズ・ボンドの出生の秘密とか、知られざる暗部にスポットが当たった内容だったから。「バットマン」シリーズでいうと「ダークナイト」的な1本というか。

ドラマの密度はたしかに濃かったし、「007」シリーズ初めて観たっていう人がみんな面白い! って言ってたんですよ。ただ、流れで観ていた人間からすると、「えっ、なんで急にこんな話を始めたの?」っていう唐突な印象で。

オカモトレイジ いきなり主人公の内面の問題に踏み込んでいっちゃった感じですか?

小出 そう、急に旋回した感じで。「カジノ・ロワイヤル」からずっと、ジェームズ・ボンドが巻き込まれる事件には“組織”の存在が見え隠れしていたわけなんですが、その“組織”が“スペクター”だったっていうのが、今回やっとわかったんですね。

しかも、ジェームズ・ボンドの出自にも大きく関わってきて、「スカイフォール」もちゃんと機能してくる。だからざっくり言うと、この4本は「スペクター」シリーズでもあるんですよ。

レイジ なるほど。

 

アクションも人力がすごかったよね

小出 あと、劇中、何度もヴェスパーって名前が出てきたでしょ。

レイジ あぁ! かつてジェームズ・ボンドが愛した女、という。

小出 そうそう。オープニングの映像だったり、壁に貼ってある写真とかに何回か出てきた黒髪の女性のことなんだけど、彼女は4本の中の1本目「カジノ・ロワイヤル」のヒロインなんです。あの作品のジェームズ・ボンドはスパイとしてまだ完成されてない頃で。

──「カジノ・ロワイヤル」はイアン・アレミングの原作小説シリーズの第一作目を映画化したもので、要は“新人007”の話という。

小出 最初から話を始めてるんですよね。で、ジェームズ・ボンドがだんだん仕事をこなせるようになってきた段階で、ヴェスパー・リンド(エヴァ・グリーン)に出会って、「オレもうスパイやめちゃおっかなー」ってなるまで愛していたのに、彼女が最終的に裏切っちゃうんですよ。

それを裏で手を引いていたのがミスター・ホワイト(イェスパー・クリステンセン)という悪役で、2本目の「慰めの報酬」はミスター・ホワイトを追っているうちに、さらに巨大な陰謀や組織の影が出てくる。

でも3本目でその話には急に触れなくなっちゃって。なんか「あんなに引きずってたヴェスパーの話はどうしたの?」って思っていたんだけど(笑)、そうしたら今回はそのくだりも丸々ひっくるめて、総括しているものになっていたという。

レイジ きれいにまとめにかかった。

小出 そう、消化しにかかった。前3作をすべて回収しにかかったっていうのが今回だったんだよね。

──「スペクター」を観ることで、「スカイフォール」の必然性も完全に呑みこめるようになったと。

小出 はい。ただ逆に言うと今回、予備知識なしで観るとわからないことが多すぎるんじゃないかなって。

いきなりビデオレターでおばちゃん(ジュディ・デンチ)が出てきても、「あの人がジェームズ・ボンドの諜報機関の上司のMなの? でもあのおじさん(レイフ・ファインズ)もMでしょ?」とかなると思うんですよ。ジュディ・デンチは前任のMなんだけど。

──コードネームだからややこしいかもね(笑)。「スカイフォール」から登場している組織の武器開発担当のメガネ男子、Q(ベン・ウィショー)についても特に説明らしい説明はない。

小出 そうですよね。初見の人はよくわからないんじゃない?

レイジ 俺はなんとなく前の作品も観ていたので、雰囲気でだいたい理解できました。あっこさんはほとんど観てなかったんですよね?

福岡 う〜ん、でも、テレビの金曜ロードショー的なもので観たことがあったような気がしてさ。まあ、そういう細かいところは全然わからなかった。だけどフワーっと観ていたら面白かったよ。めっちゃお金かかってんな〜って感じがした。アクションも人力がすごかったよね。

小出 ね!

福岡 ほとんどCGに頼ってない、そこはすごい好き。冒頭のメキシコシティのシーンあるやん。私、あそこの広場のホテルに泊まったことある。

小出 えっ、マジかよ!

福岡 2〜3年前、休暇中の旅行で。だから「あ、ここ行ったことある!」って。

レイジ すごい!

小出 いいなぁ〜。行ったことがあるところが洋画の大作に出てくるって、それだけでアガるよね。うらやましいな。

 

C-20151225-MK-1840
C-20151225-MK-1841作品が楽しかったときはパンフレットの読み込み方がハンパない小出部長とレイジくん。アレやソレのときはほとんど読んでなかったなあ……(遠い目)。

[後編](12月26日配信予定)へつづく

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