【2015年最も読まれた「オトネタ」第7位】地下アイドルのハードな1日に密着!“1日3現場こなすのは当たり前”って本当ですか?

フリーライターをやっています。職業柄、地下アイドル(ライブアイドルとも言われますね)とお仕事することもそこそこあるので、実例を交えてお答えします。

 

この日はライブ2本+ダンス・レッスンというスケジュール

今回紹介するのは、“仲睦まじく行儀良く、音楽に遊ぶ5人組の「戦国時代を知らないアイドルたち」” Hauptharmonie(ハウプトハルモニー)です。メンバーは、上の写真左からアイハラエミさん、相沢光梨さん、小川 花さん、寺田珠乃さん、瀬戸ゆりなさん。
この日はライブ2本+ダンスレッスンというスケジュールで、“埼玉のすっごい遠く”在住の小川さんは7時前に起床したそうです。ただ、彼女たちにとっては決してハードなものではないそうで、1日4現場という日程をこなすこともあるとか。

この日は13時に秋葉原に集合し、1現場目のドラッグストアの店内に設置されたライブステージへ。ここでは15分のパフォーマンスを披露します。
リハーサル無しのぶっつけ本番ですが、これもめずらしいことではありません。“ライブアイドル”と言われるが所以のタフネスが発揮されます。

 

メンバー自ら、荷物を運んだり、照明や音響のリクエストを記入

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もちろんステージに立つ時間だけがすべてではありません。プロデューサーのあーりーしゃんことDJ O-antさんはわずかな時間でセットリストを決め、トラックとトラックを繋ぐ編集をこなします。スタッフという立場の方はあーりーしゃんのみなので、荷物を運んだりといった雑務はメンバーが担当します。この日、運営さんに提出するリストに照明や音響のリクエストを記入しているのは、最年少現役高校生の寺田珠乃さんです。

──セットリストは現場に入ってから決めるんですか?

寺田 そうですね。決まってるときは決まってるんですけど、たいてい「今日何やる?」から始まります。現場を見てから決める感じですね。

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“ドイツの村娘”をコンセプトとした、ふわふわのシフォン生地の衣装に身を包み、ばっちりメイクを決めたあと、ステージ裏でのほんの少しの待機時間を利用して発声練習。掛け声で気合いを入れ、SEと共に舞台に飛び出し、最初からクライマックスのテンションと笑顔で会場を満開の花畑にします。

Hauptharmonieの大きな特徴のひとつは、楽曲のバリエーションの豊かさです。スカ、ギターポップ、ブルーグラスなどの要素を落とし込みつつもポップに昇華された高難度の楽曲を可憐に歌いこなしながら、観客を煽るメンバー。舞台の上はどこまでもファンタジックなのに、ここだけノリが完全に体育会系です。真夏の甲子園さながらです。

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あっという間にステージが終わり、足早に楽屋へ戻ると、あーりーしゃんから「(今のパフォーマンスは)40点くらい」とシビアなダメ出しが。この言葉を受けたリーダーのアイハラエミさんは、あーりーしゃんと火花を散らさんばかりの勢いで話し合います。言われっぱなしのままで終わらないのが、このグループの持ち味です。

 

物販タイミングも、やることがたくさん

この直後は物販タイム。グッズ販売と、いわゆる“チェキ会”を実施します。ファンに呼びかけたり、グッズを販売したりといった窓口はあーりーしゃんがこなし、チェキの撮影はあーりーしゃんと手の空いたメンバーが務めます。

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しかし、順番が回ってくるまで突っ立っていればいいというわけではありません。列をなすファンに声をかけたり、1stアルバムやワンマンライブの宣伝をしたり、自分のチェキ券を購入してくれたファンと話したりと、やることはたくさんあるのです。

──ファンの方とお話しするときって大変じゃないですか?

小川 ネタがないんで全然考えてないですね。でも私、本当にジェントルマンが好きで、“天使”って呼んでるんで! 物販はジェントルマンを愛でる会です(笑)。

──ジェントルマンとは?

相沢 Hauptharmonieを好きでいてくれるファンのことです。男の人のことをジェントルマン、女の人のことをレディーと呼んでいます。物販はマルクト、ライブはコンサートで、あとは大体ドイツ語です!

 

電車で品川へ、移動時間を宣伝タイムとして有効活用

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30分間の物販タイムを終え、今度は電車で品川に移動。バイトをふたつ掛け持ちしているアイハラさんはお疲れモードで、リュックに顔を埋めて仮眠中。他のメンバーとあーりーしゃんはTwitterでエゴサーチ・タイムです。移動時間を宣伝タイムとして有効活用するのが今のアイドル。ライブの感想をRTしたりお気に入り登録したりと、とにかく忙しないのです。

2現場目は品川の多目的ホール。楽屋として割り振られたカラオケの個室にて、化粧と髪型を直し、セットリストを話し合います。

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この現場では5分程度のリハーサルの時間が設けられましたが、本番はさきほどの倍にあたる30分。十分とは言えないかもしれませんが、これもあくまで彼女たちの日常なのです。

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そして慌ただしく本番へ! 椅子に腰掛けたジェントルマンは多幸感に包まれたような笑みを浮かべ、その後ろの立ち見席を選んだジェントルマンは激しくステップを踏み、手を叩き、現場を盛り上げます。タイガー! ファイヤー! サイバー! 以下略!

出番を終えて舞台裏にはけると、あーりーしゃんから「さっきよりはいいけど55点」という、またもや厳しいお言葉が。大舞台でのワンマン公演を控えているだけに、メンバーも神妙な面持ちで受け止めます。

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その後、寸暇を惜しんで物販へ。1現場目の2倍のジェントルマンが集合しているので、忙しさも2倍です。ジェントルマンのリクエストに応えてポーズをとるメンバー、「ワンマンのチケットお買い上げでーす!」とクリアなハイトーンボイスを張り上げるあーりーしゃん。先ほどのピリピリしたムードとは一転、プロ根性が見えます。

 

ダンスレッスンのため渋谷へ移動

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今度はダンスレッスンのため渋谷へ移動。少しでも体力を回復させるために仮眠をとったり、差入れやコンビニで購入したお弁当を食べたり、あるいはレディース&ジェントルマンのために自撮りをアップしたり、思わず涙ぐんでしまうような光景が目の前にあります。

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──納得できるクオリティの写真は撮れましたか?

瀬戸 ダメです! 私は素材が良いので、照明が悪いんだと思います。

夜の帳が落ちた渋谷で、レッスン着に着替えて振付の練習に。今回は新しい振付を覚えるのではなく、メンバーの熟練度に従ってダンスの難度を上げていくためのレッスンです。

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先生の「もっとこうできる?」などの指示を受け、同じ曲を何度も何度も繰り返すメンバー。「ここは足を閉じたままのほうがいいですか?」「私は腕を上げたほうがいいですか?」と意見を出しながら積極的に取り組む姿を、あーりーしゃんは黙って見つめます。

 

すべてが終了したのは22時過ぎ

本当はこのあと、自ら主催する大型イベントの打ち合わせに参加するはずのあーりーしゃんでしたが、「自分抜きで先に始めてくれ」と連絡を入れ、懸命に励む5人の姿を見守っていました。厳しい言葉を投げかけるのも、ここでは書けないような思春期前の男子を想起させる下ネタで場を和ますのも、メンバーよりもタイトなスケジュールにも関わらず最後まで付き合うのも、すべては5人を信頼しているからこそなのかもしれません。

すべてが終了したのは22時過ぎ。ろくに休憩もとれていないのに、コンビニの光を浴びて笑う彼女たちは、“アイドルは儚い”というセオリーを軽く飛び越えてくれそうな強さと輝きに満ちていました。

……話が長過ぎましたね。彼女たちのスケジュール感、伝わりましたでしょうか。
確かに、この戦国時代において“アイドルをやろう”という選択肢は限りなくハードモードです。しかし、そのハードモードを楽しめる子だけが、“アイドルになれる”のだと思います。
なぜそんなにハードなスケジュールをこなさなければならないのか? なぜ彼女たちはそれでもアイドルを続けるのか?
そんな疑問に、後編で迫っていきたいと思いますので、そちらもよろしければご一読ください。

 


リリース情報

2015.07.08 ON SALE
ALBUM『Hauptharmonie』
Kindergarten / PCI MUSIC


ライブ情報

ハウプトハルモニー結成1周年ワンマンコンサート
07/17(金)東京・渋谷TSUTAYA O-WEST


Hauptharmonie OFFICIAL WEBSITE

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