お騒がせマイケル・ムーア監督が警察無視でゲリラ撮影したMVがスゴい

マイケル・ムーア監督の新作ドキュメンタリー映画「Where to Invade Next」が、2015年12月から全米で劇場公開される。新作のテーマは、アメリカの軍産複合体。
これまで、対テロ戦争、医療制度、経済危機などの問題に切り込み、“アメリカの闇”をつねに暴いてきたマイケル・ムーア監督だけに、新作にも期待が集まっている。

今回はそんな彼が、1999年に制作を担当し、そのあまりの過激さから物議を醸した伝説的なミュージックビデオを紹介しよう。

 

■怖いもの知らずのお騒がせ監督、マイケル・ムーア

マイケル・ムーア監督といえば、怖いもの知らずなことで有名だ。例えば映画「ロジャー&ミー」ではゼネラルモーターズの会長、映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」では全米ライフル協会の会長に、それぞれアポなし突撃取材を敢行。また、アカデミー賞の受賞スピーチで、当時のブッシュ大統領をいきなり批判し始めるなど、大胆すぎるエピソードは数えきれない。まさに現代アメリカを代表するお騒がせ監督だ。

 

■ウォール街で無許可のゲリラ撮影


そんなマイケル・ムーア監督は、1999年にミクスチャーロックバンド、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの「Sleep Now in the Fire」のミュージックビデオを監督した。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンは、政治的なリリックをヘヴィなサウンドに乗せて歌う過激なバンドとして有名だ。この両者の組み合わせで「事件」が起きないはずがなかった。

ミュージックビデオの撮影場所は、ウォール街の象徴であるニューヨーク証券取引所の正面。そこでメンバーが無許可で生演奏するゲリラ撮影を試みたのだ。まずメンバーが正面口の銅像の前にセットされた楽器に駆け寄り、「イェーイ!」と叫び爆音と共に演奏スタート。人気バンドによる突然の路上ライブに、通行人は盛り上がるが、すぐさま大量の警察官が駆け付ける。

普通ならばここで撮影は中断し、警察に注意を受け解散するはずなのだが、彼らは違う。決して演奏と撮影をやめないのだ。警察に弦を抑えられようとも弾き続けるベーシスト、警察に連行されながら中指を立てるメンバー、そして連行されるマイケル・ムーア監督自身の姿までもがミュージックビデオに収められている。

 

■過激なだけじゃない! 22年後の未来を予言したミュージックビデオ

このミュージックビデオが評価されているのは、ゲリラ撮影と警察への連行という過激さだけでない。資本主義批判のリリックを叫びながら、ニューヨーク証券取引所の正面を一時占領したという意味で、ここから22年後の2011年の「オキュパイ・ウォールストリート」運動を先取りしていたとも言われている。
マネできないほどに過激で、しかも未来を予言! レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの持つ政治的過激さと、マイケル・ムーア監督のゲリラ撮影力が生み出した、まさに奇跡のミュージックビデオである。

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