演歌×ラップ?岡山県民が恐れる「エノックリン」のヤバさを紅桜がラップにした結果……

2015.11.27

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日本語ラップは、日々進化しているジャンル。全国のラッパーたちがそれぞれのオリジナリティを追求した結果、まるで演歌のように歌い上げるラッパーが岡山から登場した。

「こんなラップ聴いたことない!」と思うこと間違いなし。「演歌+ラップ」という新ジャンルを生み出したラッパー、紅桜(ベニザクラ)を紹介しよう!

 

■これは演歌? それともラップ? 新感覚の「演歌ラップ」

まずはライブ映像を観てほしい。ステージ上で観客を煽り、熱く歌い上げている巨体の男が、ラッパー・紅桜だ。代表曲「悲しみの後」はいきなり演歌風に歌い始め、リスナーの度肝抜く。

“悲しみのあとには幸せを 手を叩くほどの喝采を 汗にまみれてエイエイオー”というフレーズは、普通のラップではなかなか聴くことのできない渋さだ。

 

■ヤバい街「エノックリン」だからこそ生まれた今のスタイル

紅桜は音楽性だけではなく、彼の“ヤバい地元”も注目されている。紅桜は岡山県津山市の出身で、地元は市の中心から遠く離れた山奥にある、「榎(えのき)」という地域だ。

榎は正確には地名としては存在せず、車のナビでも表示されないほどの辺境の地で、市の管理も届いていない。そのため、無免許運転、ドラッグ、市営地の占有といった悪事が見逃されている無法地帯(?)となっているのだ。

紅桜とその仲間たちは、そんなヤバい地元のことをヒップホップの発祥の地、NYのブルックリンにちなみ「エノックリン」と名付け、ヒップホップを始めた。

しかしラッパーとしての成功を目指そうにも、全国はもちろんのこと、岡山のヒップホップシーンからも遠く離れているエノックリンでは、シーンの最先端のスタイルを取り入れることは難しかった。

そこで、地元の自分の家族と仲間のあまりにもつらい生活を、両親が口ずさんでいた歌謡曲や演歌の歌い方を取り入れた変則的なスタイルでラップし始めた。

するとトレンドとはまったく違う唯一無二のスタイルがシーンで話題となり、期待の新人ラッパーとして全国のヒップホップファンに名前が知られていった。

 

■妻への気持ちを込めた渾身の演歌ラップ


紅桜は「天下御免」で愛する妻への気持ちを正直に歌っている。“俺が間違ったこと言ってたら お前が間違ってるって言ってくれ”という歌詞は、妻を乗せた車で運転しながら即興でラップして妻に書きとらせたものだ。

“義理はかてぇが女にゃ弱い それがワシの醍醐味だろ?”や、“勝手してきた男やさかい 殺されるなら女がいい”といったフレーズが印象的な、極上の演歌ラップだ。

 

“ヤバい地元”を背負って、義理人情と浪花節を歌うラッパー・紅桜。2014年に1stフルアルバム『紅桜』をリリースし、現在は精力的に全国でライブ活動をする彼の活躍を見逃せない。

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