1本じゃ我慢できない!世にも奇妙な「複数ネックのギター」の世界

2015.10.11

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日本一フェンダーが似合う男、ギタリストのCharは「6弦21フレットでいかに表現するか、それがギターの醍醐味だ」という言葉を残している。その言葉から限られた条件の中での創意工夫こそがクリエイティブであるというCharの美学を感じる。

しかし! 世界には「6弦21フレット=1ネック」では到底満足できない「欲しがりのギタリストたち」がいる。そんな彼らの所有するとにかく目立つ「複数ネックのギター」を紹介しよう。

まずは「トリプルネックギター」。その名の通り、3本のネックがひとつのギターに付いている。このギターを操るのは、アルカトラスやホワイトスネイクの元メンバーとしても知られるギタリストのスティーヴ・ヴァイだ。これはギターメーカー・アイバニーズ製の特注品だ。スティーヴは巧みに3本のネックを使い分け、美しいハーモニーを奏でている。途中で他のギタリストがいちばん下のネックを弾きながら、同時にスティーブが他のネックでプレイするシーンは見物だ。

次は「変形ダブルネックギター」。この世にも珍しい形のギターは、超絶技巧で知られるギタリスト、マイケル・アンジェロの特注品だ。アンジェロのロゴマークにも採用されているトレードマークのこのギターは通称「ダブルアックス」。通常のダブルネックギターとは異なり、V字型に両側にネックが伸びているのが特徴。アンジェロは右左どちらのネックでもギターを弾き(当たり前のように弾いているが、これはすごいことだ!)、さらにV字型を生かし、右手左手それぞれでの高速プレイはまさに「神ワザ」だ。動画でその驚きのプレイを目の当たりにしてほしい。

そして究極系とも言えるのは、「シックスネックギター」だ。6本もネックがあるので、そのうち1本は12弦ギター(通常のギターは6弦)で、2本はベース(4弦と5弦)仕様となっている。こんなスペシャルなギターでどんなプレイがされるのか!? 期待は高まるが、残念ながら演奏でこのギターの特徴が活かされることはない。なぜならこのシックスネックを抱える男ビリー・ベイリーは、ミュージシャンでもあるが本業はコメディアン。このギターはあくまでスタンダップコメディのネタ用に作られた「おもしろギター」なのだ。

「The more, the better」(多ければ、多いほど良い)? 決してそんなこともないことをビリー・ベイリーは教えてくれるが、スティーヴ・ヴァイやマイケル・アンジェロのように使いこなす猛者もいる。これからもまだ目にしたことのないプレイを求めて、世界中のギタリストたちのギター開発への挑戦は続いていくだろう。

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